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第三話 下水でのお仕事、そして

◆下水道 入り口


直哉は冒険者ギルドから借りていた鍵を使って扉を開けた。

下水道は人の歩くところはちゃんと石で舗装され、下水に落ちないように柵も取り付けてあった。

「思ったよりも、整備されているんだな、つか、こんなに整備されてるなら、指輪もすぐ見つかるでしょ」

そう言いながらマップを見て、ゲームの時に見つけた場所へ移動した。


ゲーム内では、その場所に移動するとジャイアントトードとの強制戦闘が発生したのだが。

(こっちでは何もおきないのかな? それとも、場所が変わってしまったのか・・・)

そう考えながら、付近を捜索していると、下水との境にある柵が不自然に壊れている箇所を発見した。

その場所を注意深く観察していると、突然水の中からカエルが飛び出してきた。

「でかいな」

直哉よりもはるかに大きいカエルが、直哉を見下ろしていた。


「やるしかないか」

剣を構えると、カエルは長い舌を横なぎに振るってきた。

「早すぎる! くそ・・・」

そのまま避ける程動けなかったので、剣を使って防御した。

「くっ・・・ん?」

横から猛烈な勢いが来ると身構えたが、ジャイアントトードの舌は千切れ飛んでいった。

「ぐぎゃー」

「あれ?」

ジャイアントトードは慄き、直哉はビックリしていた。

その後数回の攻防を経て、無事にジャイアントトードを撃破した。


倒した敵はキラメキながら消滅し、その場所にアイテムが落ちていた。

「あれは、指輪と肉?」

アイテムは『依頼の指輪(イベント)』と『ジャイアントトードの肉(極上)』であった。

両方とも拾ってアイテムボックスにしまうとステータスを確認した。


ステータス画面


ナオヤ

鍛冶見習い

冒険者ランク1

Lv:3

最大HP:68+200

最大MP:108+200


力:10+20

体力:8+20

知力:8+40

素早さ:8

器用さ:8

運:8+10


ボーナス 7

スキルポイント 1


スキル

戦士系:1

○横斬りLv2

○リジェネLv1

魔術師系:0

○魔力吸収Lv1

商人系:0

○目利きLv1


「おぉ、2レベルも上がったか」

横斬りのスキルは発動というよりは、パッシブに近い形で、剣を振るとき横方向の攻撃はスキルの効果が現れる様な感じであった。

そして、イベントの指輪を持っていると隠し通路へ続く壁がすり抜けられるはずだった。


その通路は、火山へ続く地下鉱脈で、良い鉱石が取れる穴場であった。

隠し通路の前に立つと、指輪(イベント)が淡く光り出し、扉がスライドし通路が顔を覗かせた。

直哉はアイテムボックスから、ランタンと油と火種を組合せ、ランタン(照明)を作り出し取り出した。

「とりあえず、鉱石を取れるだけ取るかな」

直哉は採取ポイントへ向かっていた。


途中でジャイアントラットの集団と出会い、

「ゲームならクリックとファンクションキーでなんとかなるけど、この身体だと変な感じだな」

ぼやきながらも、対応していった。

初めは数の暴力で攻めていたラットが優勢だったが、横斬りで複数のラットを一撃で屠り(剣の追加効果が絶大)どんなに攻撃しても傷が自動的に塞がっていく(スキル:リジェネ)という、直哉を恐れるようになり、最後にはラットたちは逃げ出した。

戦利品を収納袋に入れていると大半は『ラットの皮』『ラットの牙』『ラットのしっぽ』であったが3つほど、変な色の石が転がっていた。


何だか分からなかったので、転生時の引き継ぎアイテムの1つ目として商人時代のアイテム『鑑定のメガネ』を取り出した。

「フムフム、これは『ラット胆石』といって、魔力を貯えておける石で非常にもろい属性を持つ」

「これが、石として製作出来れば面白いな」

と、つぶやきながら、アイテムボックスの方にしまった。

アイテムボックスは収納に限りがあるが、劣化しないため、生ものや壊れやすいものなどはこちらに入れておく方が無難である。


ラットを撃退し、さらに奥へと進んでいくと、広いホールの様な所に出た。

ホールの半分は鉱脈で埋まっており、鉱脈を採取していくと共に出来たホールであった。

カーンカーンカーン、直哉は一心不乱に採掘していた。

数時間後

石:多数、銅鉱石:多数、鉄鉱石:多数、銀鉱石:125個、金鉱石:55個、プラチナ鉱石:5個

と、まずまず成果があったので、採掘を止めて指輪クエストに戻ることにした。


ゲームでのイベント場所をマップで確認しながら移動していくと、額と両腕に鋭い痛みが走った。

「うぐぐ。なんだ?」

直哉は痛みの走った腕を見てみると、浅く斬られていてそこから流血していた。

「かまいたち? そんなのここに配置されていたっけ?」

直哉が考えていると、今度は目の前を黒い物体が通り過ぎ、またもや頭に鋭い痛みが走った。

「上に何かいるな」

直哉はランタンをかざすと、通路の天井に数匹の蝙蝠が舌なめずりをしていた。


「ジャイアントバットか!」

そう叫ぶと、剣を抜いて威嚇した。攻撃が当たれば倒せるものの、剣術は素人レベルなのでなかなか倒すことが出来ず、頭を守るように剣を振るったところ、ジャイアントバットが飛び込んで斬られてくれた。何とか全てのジャイアントバットを倒し、ドロップアイテムを確認したところ、コウモリの牙、コウモリの羽根が数個ずつと変な布っぽいのが落ちていた。

牙と羽根は収納袋に入れ、布を鑑定したところ、『超音波の膜』超音波を発生させる膜、発生する超音波は威力自体が小さく、人体に影響は無い。

超音波の膜はアイテムボックスに入れ先を急いだ。


ゲームの時と同じ位置に骸骨が横たわっていた。

直哉が近づくと、骸骨が動き出し話しかけてきた。

「あんた、何者だ? てか、その指輪は何処で手に入れた?」

骨しかないのに器用にしゃべりまくる骸骨にどん引きしながら、

「俺は鍛冶見習いの冒険者です。この指輪は冒険者ギルドに依頼された落とした指輪です。」

「帰る途中に隠し通路があったので、その探索中にあなたと出会いました」

骸骨はアゴの部分に手を当てて、考えているようだが、目がないため非常に怖かった。

「うーむ。嘘ではないようだ。いや、すまなかった。疑ったお詫びに、この指輪をやろう」

そういって、腰についていた布袋から一つの指輪を取り出した。

「この指輪はエクスプロージョンリングと言って、1日1回エクスプロージョン(自分のMPを消費)が打てる指輪だ。己の魔力を信じ、ぶちかますが良い」

直哉はお礼を言い、地下水道を脱出した。



◆鍛冶ギルド


冒険者ギルドで依頼の報告と、コレまでの依頼報酬10Sをまとめてもらった。

自分のスペースに戻ると、まずは、武具作成を覚え使ってみた。

(まずは、木と石の装備が作れそうだ。とりあえず石の剣を作ってみよう)

NPCたちは炉と鎚で数時間掛けて武具を作のだが、直哉はスキルがシステム的にやってしまうため、最速で数秒、遅くても10秒で1つ作れてしまうのであった。

(石は大量に拾ってきてあるし、木材は共用スペースにご自由にお使いくださいとして置いてあるし)

3時間ほど集中して、

スキル発動→石の剣→「石」「木材」「初心者の炉」「初心者の鎚」→実行

を繰り返し行い、約1000回の武具作成を行った。


「やっと、スキルレベルが上がった・・・」

半分燃え尽きながら、出来上がった石の剣を鑑定していった。

995本が石の剣、残りの5本が石の剣+1だった。

食事をしてMPを回復させた後、新しいスキル冶金を試すことにした。

まずは、銅鉱石を使い、銅を精製し始めた。

銅鉱石を3つ使い銅が1つ出来る。

スキル発動→銅鉱石→実行

ひたすらに、スキルを連打した。


数時間後、大量の銅が積み上がった。

スキルも2になり、銅鉱石・鉄鉱石の冶金が可能になった。

銅鉱石2つで銅1つになり、生産性が増していた。

大量のMPを消費したので、鍛冶スペースでうたた寝していると、ギルド内に放送が入った。


「戦士ギルドより、武器作成の依頼が入りました」

依頼内容は、戦士ギルドが新人教育のために、木の剣と石の剣を1000本ずつ欲しいと、

木の剣は、ギルド内に木材が豊富にあるため、問題無いけれど、石の剣は石が在庫にないため問題になっていた。

直哉は(そんなイベント無かったよな?)と思いながら、先ほど作った石の剣があるとマスターに報告した。


しばらくして、ギルドの幹部とマスターがそろって直哉のスペースにやってきた。

「ここに、石の剣が大量にあると報告があったので、買い取りに来た」

「どうぞ、部屋の奥というか、すぐそこから剣です」

といって、スペースへ案内した。


「こ、これは・・・・」

マスターと幹部が目を点にしていたが、我を取り戻しながら剣の品質を確認していった。

「品質も数も問題ないですね、とりわけこの5本は優秀です」

と+1相当の5本もカウントされていた。

「5Cで995本、100Cで5本の計5475Cでどうじゃ?」

マスターから金額交渉がきたのだが、直哉としてみれば全て店売りで1本1Cで売るつもりだったから破格の条件だった。

全ての石の剣を売却し、木の剣は他のギルド員でなんとかする事も決まり、直哉はゆっくり寝るために、冒険者の宿屋へ向かった。



◆次の日 冒険者ギルドの宿屋内


朝食を済ませ、借りている部屋で自分のステータスを確認していた。


ステータス画面


ナオヤ

鍛冶見習い

冒険者ランク1

Lv:3

最大HP:68+200

最大MP:108+200


力:10+20

体力:8+20

知力:8+40

素早さ:8

器用さ:8

運:8+10


ボーナス 7

スキルポイント 2


スキル

戦士系:1

○横斬りLv2

○リジェネLv1

魔術師系:0

○魔力吸収Lv1

商人系:0

○目利きLv1

鍛冶系:1

 武具作成Lv2

 冶金Lv2


武具作成は、カスタム機能が追加され、武具の形をカスタマイズ一覧の中から選んで変更することが出来るようになった。

これで、仕込み杖のような武具を作れるようになった。

直哉はカスタマイズ一覧をぼーっと眺めていた。

最終的に自分専用の武具を作ろうと思い鍛冶ギルドに所属したのだが、どのような武具にしようか今はまだ思い至らなかった。


(作成できる武具の一覧はもの凄くあるんだよな、剣や槍はもちろん、手裏剣っぽいのから尺八っぽいのまであるんだよな)

そんな、有意義(?)な時間を過ごした後、冒険者ギルドに向かうと、

イリーナさんが一人の少女を慰めている場面に遭遇した。

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