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第百七十六話 最後の戦いに向けて

◆バルグフル直哉の屋敷


直哉が気持ちよく眠っていると、大きな揺れを感じた。


ドスン!


(ん? 何だ? 地震?)

直哉は寝ぼけ半分で目を開けた。

「こら、ダメ! クロード! 駄目でしょ!」

アイリの叱る声が聞こえてきた。

「アイリ! 屋敷の傍と言うか、領地内でドラゴンを召還する時は、決められた場所でやるように言われているでしょう!」

「ごめんなさい」

さらに、ミーファの叱る声も聞こえてきた。


(ん? とてもはっきり聞こえるのは何でだ? それに、周囲がいつもよりキラキラしている気がする)

そう思い窓の方を見ると、そこには、フィリアとラリーナが窓を空けて外を見ていた。

(なるほど、窓が開いているから、外の音が良く聞こえるんだね。でも、それだけで、ココまでキラキラしているのだろうか?)


「おはようございます、直哉様」

「起きたか? おはよう」

「二人ともおはよう」

挨拶をしてから準備を始めた。

「お加減は如何ですか?」

(何だ? 俺の周りのキラキラは小さな女の子? それに纏わり付く小さな光る珠? 赤・青・緑・黄か。ひょっとして精霊なのか?)

「ん? 大丈夫。妙に頭がハッキリしているけどね。それはそうと、俺の回りを飛び回っているのは、精霊達か?」


ラリーナが呆れたように、

「なんだ、今まで見えてなかったのか?」

「えっ?」

ラリーナは精霊に手を伸ばすが、上手に回避されていた。

「初めて会った時は居なかったけど、ルグニアに行ってから、少しずつ増えていったな」

「そうだったんだ」


直哉が精霊に手を伸ばすと、

「ようやく気が付いたのね!」

「やったー!」

「やっとかよ!」

「遅すぎるぜ!」

頭の中に子供の声が響き渡った。


「うん。何だかごめん。今気が付いた」

子供の姿をした四色の精霊が直哉の周りをグルグルと回っていた。

それを追うように、四色の光の珠が精霊達を追いかけていた。

「あはははははは」

「うふふふふふふ」

精霊達は楽しそうだ。


(ん? そういえば、氷とか雷の精霊は居ないのだろうか?)

直哉がそう考えると、

青い色の精霊と緑の精霊が直哉の前に出てきて、

「それは、元が私達ですから、変化出来ますよ!」

そう言って、氷と雷の精霊に変化した。


「ほぅ。って、さっき言葉にしたっけ?」

「んー? 契約しているのだから、頭の中で考えてくれれば私達には伝わるよ?」

「えっ?」

「直哉って面白いよね!? 変な事で悩むんだもん! 楽しませて貰ったよ!」

「まじか」

直哉はその場で頭を抱えていた。


「でもでも、そのレベルで良く契約出来たよね!」

「ホントにね!」

(ん? そんなに低い?)

「うん。最低でもLv50は無いと、私達の魔法を使うMPが足りないと思うのだけど」

(ちょっと、確認してみるか)



ナオヤ

上級鍛冶職人

冒険者ランク2

Lv:48

最大HP:282+200

最大MP:392+200+500(魔畜棺)


力:25+20

体力:25+20

知力:60+40

素早さ:20

器用さ:20

運:20+10


ボーナス 91

スキルポイント 269


スキル

戦士系:15

 ○縦斬りLv10 ○横斬りLv10 ○リジェネLv1 ○得意武器(片手剣:Lv7) 四連撃Lv10 盾攻撃Lv6 急所攻撃Lv8 ×の字斬りLv8 八連撃Lv3 ○熟練武器(片手剣:Lv3) ○各種属性攻撃(片手剣:Lv3)

魔術師系:0

 ○魔力吸収Lv1

商人系:0

 ○目利きLv1

鍛冶系:13

 武具作成Lv10 アクセサリ作成Lv10 大工Lv10 冶金Lv10 精錬Lv10 アイテム作成Lv10 武具修理Lv10 アクセサリ修理Lv6 家具修理Lv8 リフォームLv8 リサイクルLv8 魔法石作成Lv9 魔法の武具作成Lv9 魔道具作成Lv9 鉱石変化Lv6 鍛冶の心得Lv6 親方Lv6 劣化複製Lv9 鍛冶技術向上Lv1 特殊アイテム作成Lv1

サイボーグ系:17

 疑似四肢作成Lv9 疑似臓器作成Lv5 疑似部位連携Lv10 疑似四肢修理Lv6 マリオネットLv10(MP補正:+100 知力補正:+10) 操り糸強化Lv10 疑似四肢強化Lv3 疑似臓器強化Lv1

エンチャント系:0

 エンチャントLv1 リピートLv1 リライトLv1

転移系:21

 ゲートインLv8 ゲートアウトLv8 ゲートマルチLv8 ゲートセンドLv1 ゲートコールLv1



神器作成(100)(前:魔法石作成Lv10、魔法の武具作成Lv10、魔道具作成Lv10、鉱石変化Lv10、特殊アイテム作成Lv5)

創造(500)(前:鍛冶技術向上Lv5、特殊アイテム作成Lv5、神器作成Lv5)




(創造って!? 神器作成の為に鍛冶技術向上と特殊アイテム作成を覚えたら出てきたぞ。使用スキルポイントが壊れている気がするけど)

「現状でマリオネット発動時に1200程あるけど、足りない?」

「私達の究極魔法を使う分には問題無いかな」

直哉は首をかしげ、

「それなら、問題無いのでは?」

「あれあれ? カソードの魔法を使うのでは?」

「カソードのって、まさか、カソード・レイ!?」


「そうそう、それそれ」

(あれは、カソード時代に新魔法作成を使って造った魔法。火・水・風・土・光・闇の精霊と契約して、全ての属性を同じ割合で発動させた時に出来る無属性のエネルギーを使って、全七種類の属性を一纏めにして攻撃する究極魔法。カソード時代に開発し、試し打ちでゲームがエラー終了したという、とんでもないバグ魔法だったな)

直哉はボーナスを知力に極振りした。

(これなら!)



ナオヤ

上級鍛冶職人

冒険者ランク2

Lv:48

最大HP:282+200

最大MP:572+200+500(魔畜棺)


力:25+20

体力:25+20

知力:150+40

素早さ:20

器用さ:20

運:20+10


ボーナス 1

スキルポイント 269



(これで、1350超だな)

「それじゃぁ、足りないよ!」

(そうか。ゲームの時カソードのレベルはカンストの200だった。さらに魔法師系の職業だったからMPを増幅するスキルがたくさんあった。その上で使っていた魔法だからな。今の俺にはどうしようも無いか? いや、ルグニアの職人達にやらせているアレが完成すれば、最大MPを飛躍的に伸ばす事が出来るぞ。現状ではそれ待ちだな)

その後、しばらく精霊達と話し、カソードの元へ行った。





◆管理室


管理室ではルグニア達が忙しそうにモニタに向かって何かをしていた。


(母さんの部屋みたいだな)

並ぶモニタを見ながら手元を見ると、コンソールはモニタとキーボードの様な物であった。

(古いタイプのコンソールだな。今はVRと音声認識、若しくは思考認識なんだよな。キーボードなんて母さんの部屋にしかないよ)

そう思いながら見ていると、

「居ました!切り離された南の大陸に居ます」

そう叫んだソラティアの管理者が見ている画面には、真っ黒な霧を纏った少女の姿があった。


「これは?」

少女の周りには、数多くのデーモン達が居て、少女の世話をしていた。

「この状況は一体」

いつの間にかに後ろにいたカソードが、

「それが、魔王の現在だ」

「何と言ったらよいか」

直哉は驚いていた。



そんな直哉にカソードが語りかける。

「さて直哉よ、御主にやってもらいたい事がある」

直哉はカソードの前に手をかざして言葉を遮った。

「その前に、質問良いですか?」

「何だね?」


「俺は、元の世界に帰る事が出来るのですか?」

直哉の質問に、

「そうだな、問題点をクリアすれば元に戻すことが出来る」

直哉は、またかと少しガッカリしながら、

「その問題点とは?」

「まずは、エネルギーの問題だ。この限られた空間のリソースでは元の座標に戻すエネルギーが足りない」

直哉はメモした。


「次に、記憶が無くなるかもしれない事」

「えっ?」

大きな衝撃を受けた。

「この世界で生活した記憶が消滅するかもしれない」

「そんな!」

直哉が狼狽して絶句していると、


カソードが続けた。

「最後に、元の世界の座標がわからない事だな」

「どういう事ですか?」

画面を見ながら、

「召還した時のログを解析したのだが、その場所には何も無いのだよ」

(それは打つ手無しか? いや、自転や公転の関係で場所がズレタって事じゃないのか?)

「後で、そのログを見せてください」

「良かろう」

約束を取り付けてから話を聞いた。



「やってもらいたい事とは何ですか?」

カソードは苦笑しながら、

「まずは、最初の問題を解決する方法だが」

そう聞くと、直哉は身を乗り出した。

「まずは、魔王を分離させ消滅させてから、管理権限を奪う。それにより、このドラゴンバルグを解放する。そうすれば、リソース管理が一気に解決する」

「そうなれば、エネルギー問題が解決するのですか?」

「あぁ」

(と、言う事は、あの装備は要らないのか? いや、カソード・レイを使う時に必要になるし、俺だけが戻った時に使えるようにしておくのはリスクヘッジだよな)


直哉がそう考えていると、

「どうだ? やってもらえるか?」

「そうですね、その前に、記憶についてですが、絶対に無くならない方法とか無いですか?」

「無い事も無いが、お勧めはせぬぞ」

「その方法を教えて貰えますか?」

「簡単なことだ。直哉が管理者になれば良い」

直哉は少し考えてから、

「それは、考えておきます」

「慌てる必要は無いからな。それで、やってもらえるのか?」


「仲間と相談しても良いですか?」

「勿論だとも」

直哉は今後を相談するために、屋敷へ帰って行った。


直哉が去った後でルグニアが話しかけた。

「神よ。あの事は話さないのですか?」

「そうだな。先にここの問題を解決してもらいたいのだ」

ルグニアは悲しそうな目をして、

「直哉には、ちゃんと話しておいた方が良いと思うのですが」

カソードはルグニアを見て、

「何故だ?」


「神は、直哉をあの世界の管理者にしたいのですよね?」

カソードは頷いた。

「それなら、その事をしっかりと話しておかないと、話が違うとバルグの管理者のようになりますよ?」

「それはまずいの」

カソードは次に会うときに、ちゃんと話そうと心に決めた。




◆直哉の屋敷 食堂


直哉はリリ達に集まって貰って、先程の話を伝えた。

「えっ? お兄ちゃん、記憶なくなっちゃうの?」

「管理者になれば良いって言うけど、そもそも管理者って何だ?」

色々な憶測が飛んでいた。

「それよりも、神様からの依頼をどうするかですよ」

「何だっけ? 魔王をぶっ飛ばすってやつ?」

「管理者権限を奪い取ることじゃな」


「まぁ、あれだ。魔王の周りにはデーモン達が沢山構えている。みんなには、このデーモン達の相手をしてもらいたい」

「任せてなの!」

「任せな!」

直哉の願いにリリ達は力強く答えていた。

「それじゃぁ、カソードの所に戻って、魔王の所への行き方を聞いてくるよ」


直哉が行こうとすると、

「待って欲しいの!」

リリがしがみ付いて来た。

「どうしたの?」

「えーっと、お兄ちゃん、究極魔法を使える様になったのだよね? リリに教えて欲しいの」

直哉はスキル表を見て、

(そう言えば、全部で四種類しか究極魔法が無いぞ? どういうことだ?)


直哉が疑問に思っていると、精霊達が現れた。

「それはね、俺達が元々四種類しか居ないからだよ」

(どういう事だ?)

赤い精霊が直哉の前に出て、

「おいらは、火の精霊。そして爆発の精霊でもある」

続いて、青い精霊が出てきて、

「私は水の精霊。そして氷の精霊でもある」

さらに、緑の精霊が出てきて、

「僕は風の精霊で雷の精霊だよ」

最後に黄の精霊が出てきて、

「おいらは土の精霊だ。そして金属の精霊でもある」

と自己紹介をしてくれた。


(つまり、それぞれの精霊に一つずつしか究極魔法が無いという事ですか?)

「そう言う事」

(そうか。ちなみに火の究極魔法は何?)

「火の究極魔法は、世界を創造した爆発である《ビッグバン》だ!」

(水の究極魔法は?)

「水は《アブソリュートゼロ》です」

(風は?)

「風は《サンダーテンペスト》だよ」

(土は?)

「土は《ガイアスプラッシュ》だ」


(全部聞いた事ある魔法だ)

「そりゃそうだろう、有名な魔法だしね」

「でも、直哉のMPだと、気を付けないと一気に無くなるぜ」

(そうか、心しておくよ。ありがとう)

「どういたしまして」

「気にするな!」



直哉は精霊達と話を終えると、リリに究極魔法を教えて行った。

「リリは水の精霊の究極魔法は覚えているから、後は、風の究極魔法だね」

「あれ? 氷しか知らないの」

「氷と水は同じ精霊で、一精霊につき一魔法しか無いらしい」

直哉の説明に、

「えー、それなら、風と雷も同じなの?」

「そう言う事になるね」

リリは、残念そうに、

「なーんだ、つまらないの」

「じゃぁ、要らない?」

「要るの!」

直哉がリリと魔法の特訓を開始すると、他の者達は自主鍛練を始めるのであった。

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