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第百三十一話 新しい思い

「おつかれさん」

直哉はゲートを開きラリーナを回収して、フィリアに任せた。

リリは目を覚ましていて、

「アレじゃないの。もっと、凄かったの」

「だろうね。あれは火山の主だな」

(あれ? という事は、火の精霊がいるはずなんだけどな。ドラゴンの住み家に行かないと駄目かな?)

いつまで経っても、ドラゴンから火の精霊は現れ無いので、後で住み家に行くと事にした。



「さて、消滅しないという事は、魔物ではなく生物という訳ですね」

「つまり、肉だ! 大量の肉だ!」

バルグフルの民達は恐る恐る近づき、

「これなら、しばらくは保つぞ!」

「わぁぁぁぁぁぁぁ!」

その声を聞いた民達は、経験者を中心に解体作業を進め、城に収めていった。

直哉達は、城の者に先に帰ると伝え、自分の屋敷に戻り治療を続けていた。




◆直哉の屋敷


表通りの方では商人達が自慢の商品を売り、ドラキニガルの食堂で美味い料理に舌鼓をうっていた。

そんな喧騒から離れた場所に建て直した屋敷で、治療の終えた直哉は湯船に浸かっていた。

(ふぃ。ドラゴンのブレスはやっぱり規格外だな。リリのは光と氷の混合ブレスだから、今回の火のブレスとは真逆の相性なんだよな。リリに変身させていたら、大きな怪我を負っていたかもしれないな)

直哉はお湯に頭を沈めてから、頭をお湯からだし、

「はぁ」

(さて、メインクエストがどうなったか確認するか。ついでにステータスも見てみるか)


メインクエスト

【ソラティア共和国・古都バルグの大戦】 終了

直哉達の活躍で、ソラティア共和国はバルグに攻め込む事なく、空中分解した。

後に、国名が変わるほどの改革が行われるが、今は国を立て直し中である。


【火山の噴火による被害を最小限に抑えよ!】 終了

直哉達の活躍で、バルグフル、ルグニアの被害はほぼ無かった。また、バルグに関しても、火山の噴火による被害は無かった。



(うーん。何か釈然としない書き方だな。そういえば、ソラティアの管理者との依頼はどうなるのだろう? システムは相変わらずグレーだよな。また、次はステータスかそう言えば前に見た時はルグニアにいた時だっけ? まぁ、日々強くなっている気がしていたから、見てなかったけどね)



ナオヤ

上級鍛冶職人

冒険者ランク2

Lv:44

最大HP:266+200

最大MP:376+200+500(魔畜棺)


力:25+20

体力:25+20

知力:60+40

素早さ:20

器用さ:20

運:20+10


ボーナス 75

スキルポイント 207


スキル

戦士系:0

 ○縦斬りLv9 ○横斬りLv9 ○リジェネLv1 ○得意武器(片手剣:Lv7) 四連撃Lv8 盾攻撃Lv4 急所攻撃Lv6 ×の字斬りLv7 八連撃Lv1 ○熟練武器(片手剣:Lv1) ○各種属性攻撃(片手剣:Lv1)

魔術師系:0

 ○魔力吸収Lv1

商人系:0

 ○目利きLv1

鍛冶系:85

 武具作成Lv9 アクセサリ作成Lv7 大工Lv9 冶金Lv8 精錬Lv8 アイテム作成Lv9 武具修理Lv8 アクセサリ修理Lv5 家具修理Lv7 リフォームLv6 リサイクルLv6 魔法石作成Lv8 魔法の武具作成Lv7 魔道具作成Lv7 鉱石変化Lv5 鍛冶の心得Lv5 親方Lv5 劣化複製Lv7

サイボーグ系:8

 疑似四肢作成Lv8 疑似臓器作成Lv4 疑似部位連携Lv9 疑似四肢修理Lv5 マリオネットLv9(MP補正:+90 知力補正:+9) 操り糸強化Lv8 疑似四肢強化Lv1 疑似臓器強化Lv1

エンチャント系:0

 エンチャントLv1 リピートLv1 リライトLv1

転移系:15

 ゲートインLv6 ゲートアウトLv6 ゲートマルチLv6 ゲートセンドLv1 ゲートコールLv1


鍛冶技術向上(50)(前:武具作成Lv10、アイテム作成Lv10、アクセサリ作成Lv10)

特殊アイテム作成(50)(前:魔法石作成Lv5、魔法の武具作成Lv8、魔道具作成Lv8)

神器作成(100)(前:魔法石作成Lv10、魔法の武具作成Lv10、魔道具作成Lv10、鉱石変化Lv10、特殊アイテム作成Lv5



(レベルが44か、だいぶ上がったな。最大MPが1000超えたし、そろそろ他のステータスを上げるとするかな。そして、スキルポイントが余ってきたな。神器作成までもう少しかかるか。他に何か覚えないのかな?)


直哉がお湯で顔を洗うと、声がかかった。

「お兄ちゃん? 大丈夫?」

あまりにも長時間お風呂から出てこないので、リリが心配して覗き込んでいた。

「ん? リリ? 大丈夫だよ。少し湯船に浸かりすぎたかな?」

直哉が風呂からあがると、フィリアとラリーナも待っていた。


「フィリア、ラリーナ?みんな揃ってどうしたの?」

直哉の周りに三人が集まり、

「バタバタしましたけど、我が家に帰ってきましたね」

「そうだね」

「私は殆ど使う暇もなく出発したけどな」

「リリにとっての大切なおうちなの!」


「みんな、生きて帰ってくることが出来た」

直哉は気が緩んだのか涙を流しながら、

「ただいま!」

直哉に続き、三人は声をあわせて、

「ただいま!」




◆次の日


直哉は城に呼び出されていた。

「直哉、忙しい所済まないな」

「いや、リカードの方が忙しそうだ、ちゃんと寝ている?」

「先の戦いで有能な人材が亡くなってしまったからな、中々まとまった時間が取れないのだよ」

リカードは溜まった書類を処理しながら話を進めた。


「それで、直哉の力を借りたいのだが」

「どんな事ですか?」

リカードは直哉の顔を見て、

「お前のゲートと、マーリカちゃんの能力を貸して欲しい」

「ゲートはわかるけど、マーリカの能力?」

「そうだ。あの、遠距離でも連絡が取れる力は非常に強力だからな」


直哉は納得して、

「確かにね。それで、俺達を使ってどこへ行かせようとしているのだ?」

リカードは書類を探しながら、

「どっちに行って貰おうか考えているのだが、バルグ方面とルグニア方面のどちらが良いか?」

「バルグ方面? バラムドもですか?」

「あぁ、直哉が新規開拓してくれた土地、ゴブリン達との取引や、海産物、そしてドラゴン等でだいぶ食糧事情は回復したが、衣料品や雑貨などは厳しい事に変わりはない。そこで、バルグやバラムド、ソラティアで新しい仕入れ先を見つけてきて欲しい。ルグニアはこの前行った時に仕入れは確保したから、問題ないけどな」


直哉はフィリアの事を考えて、

「バルグはフィリアにとって悲しみの地です、出来れば行きたくはないので、行くのであればルグニア方面ですが」

リカードは直哉の方へ身を乗り出しながら、

「だろうな。だが、先程も言ったように有能な人材が減ってしまい、外交へ出せる人物が不足しているのだよ。だから、戦闘能力がある直哉には山脈越えのバルグ方面に向かって欲しかったのだがな」

直哉は勢いに圧されながら、

「わかったよ。だが、今すぐには難しいぞ」

「うむ。だが出来るだけ急いで欲しい。食料だけでなく衣料品や雑貨など色々不足し始めているからな」



直哉は、やりたい事があったので、

「最終的にバルグに行くルートにするよ」

「どういう事だ?」

「俺は最初から、火山やルグニア、そしてソラティアに行こうと思っていたのだよ」

リカードは椅子に座り直し、

「何故だ?」

「ルグニアには領地もあるし、ソラティアは顛末を見に行きたいからね」


リカードはシンディアを呼びながら、

「そうか、それならその方が良いか」

呼び出されたシンディアは、多くの書類を持って来ていた。

「リカード様、お持ちいたしました」

リカードはその中から親書を取りだした。

「こっちがルグニアとソラティアに宛てた親書だ。直哉に任せる。バルグとバラムドには先行して他の者を行かせよう」

「リカード様! 山越えは危険なので優秀な者に任せると言っていたではないですか。それは直哉さんでは無いのですか?」

「私も始めはそう思って居たが、直哉にはゲートがあるからな。ルグニアやソラティアへはマーキングしてあるため、楽に行けるはずだ」


シンディアは驚いた顔をしていたが、

「なるほど、それでしたら、直哉さんにはルグニアやソラティアへ行って貰った方が良いですね」

「そうなるな。それで、同時にバルグには誰を向かわせるかだな」

「それは、こちらで考えておきます」

「よろしく頼む」

「承知いたしました」

シンディアは一礼して部屋を出て行った。


それを見送ったリカードは、

「直哉にはこの場所をマーキングしてもらう。帰ってくる時の為にな」

「良いのか?」

「私と直哉の仲だ。良いだろう」

リカードの言葉に頷きながらマーキングした。


「これでよしっと。後は、マーリカの手下を数名回します。マーリカが中心になりますが、連絡しあえるかと」

「助かるよ」

直哉はマーリカを通して数名の忍をリカードの元に残した。

「では、とりあえず、ルグニアとソラティアへ行ってくる、終わり次第戻ってくるよ」

「あぁ、任せるぞ。それと、国家間のゲートはどうなった?」

「まだ、試してないですね」

「そうか、そちらの方も任せる」

「了解!」

リカードと直哉は拳をぶつけた。




◆直哉の屋敷


直哉はリカードからの依頼を伝えると、

「慌しいね。今は領内も新体制へ向けて改革中なんだ、直哉が居なくては締まらないだろうに」

「何を言っていますか。ミーファさんが居てくれるから俺はあちこちに旅が出来るのですよ」

「そうですよ。それに、直哉様がリカード様に信頼されているからこそ、この領地も勝手が出来るというものではないですか?」

「フィリアまで・・・」

「なに、直哉の身は私たちが守るから安心してくれ」

嫁たちの説得により、ミーファが折れた。

「わかった。気をつけて行くのだよ」

「はい。今日は支度をして明日の朝、一番で出かけますね」




◆その夜


直哉と嫁達が一階の食堂で明日の準備をしていると、エリザがやってきた。

「直哉殿、奥方殿、話があるのじゃ」

「どうしました?」

「この間の返事をしようと思うのじゃ」

エリザの決意に、直哉達は姿勢を正した。


「わらわは、どの様な場所であっても、直哉殿について行きたいのじゃ」

「良いのですか?」

「正直なところ、別の世界と言うのは、考えられないのじゃ。じゃが、わらわにとって、姉上達に会えない事よりも、直哉殿に会えなくなる方が耐えられない事に気がついたのじゃ。わらわにとって、直哉殿はかけがえの無い存在なのじゃ」

「そうですか。わかりました。歓迎しますよエリザ」

直哉が両腕を広げて言うと、

「直哉殿!」

エリザはその胸に飛び込んだのだった。


この日、直哉のアイテムボックスに《エリザの思い》という珠が追加されていた。




◆火山にて


次の日、直哉はゲートを開きルグニアへ飛んだ。

「俺は親書を届けた後、火山へ向かう。空を飛んでいくので直ぐに帰る予定だ」

「何をしに行くのですか?」

「火の精霊を探してくる」

「何のために?」

「俺の身体に眠る、カソードの力を解放するためかな?」

みんなは頭を悩ませていたが、


「とりあえず、城へ行ってくる。エリザ、アシュリー様と話しておきなさい」

「了解なのじゃ」

エリザは感激して直哉の腕に絡みついた。

「マーリカは忍の里へ行っておきなさい」

「はっ」

マーリカは頭を下げた。

「フィリアとラリーナは買出しを頼む」

「わかりました」

「わかった」

「リリは、俺と共に火山行きだな」

「わーいなの!」


直哉はリリとエリザを連れて城へ行き、親書を渡した。

エリザを置いてきた後で、リリと共に空の旅へでた。



「気持ち良いの!」

「馬車だと数日かかったけど、空から行くと数時間だな」

リリは直哉の速度が上がるように、風魔法を駆使していた。

「しかし、リリは風魔法が上手くなったよな」

「えっへんなの!」

「この調子なら、風の究極魔法も覚えられるのでは?」

直哉の言葉に目を輝かせ、

「覚えたいの! 風も、水も、雷も!」

直哉は微笑みながら、

「そうだね、全部ソラティアで覚えられるから、親書を渡しに行ったときに覚えようか?」

「行くの! 覚えるの!」

リリは大はしゃぎで空を飛んで行った。



数時間後、直哉とリリは火山へと付いた。

数日前まで噴火していたため、周囲は異常な熱気に包まれていた。

「本当に数時間で到着するとは」

「お兄ちゃん、あそこに変な穴があるの!」

リリが指差す方向に、不自然に出来た空洞があった。

「あれは、先日倒したドラゴンが眠っていたところだな」

「行って見るの?」

直哉は頷いて下りて行った。


「暑いな」

快適マントを装備しているのにもかかわらず、物凄い熱気が直哉達を襲っていた。

「むー! えい!」

リリは氷魔法を周囲に展開させたが、焼け石に水であった。

(ここがドラゴンの巣穴ならば、この奥に祭壇があるはず)

直哉が奥に進むと、予想通りに祭壇があった。



直哉達が祭壇の前に辿り着くと、火の精霊が噴出してきた。

リリよりも小さい真っ赤な人型の精霊であった。

「お前たちは何者だ!」

「俺は直哉、カソードの生まれ変わりです」

そう言ってカソードの腕輪を前に出した。


「ふーん、貴方があのカソードのねぇ、本当かしら?」

火の精霊は直哉を品定めするのであった。

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