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演技×幼女の上目使い=お兄様ゲットだぜ!

「とりあえず俺の闇魔術じゃ不可能なんですよ、人魚の捕らえられている所に忍び込むのは」

「王宮までは普通に行けると思うんだけど……」

「いえ、無理です。昔忍び込んだ時どうしても入れない部屋があったんで後で何か調べたんです。水籠の部屋でした」

「まず君が何危ないことしてたのか説教をしたいんだが」

「仕事です仕事」



ダースは若干冷や汗を流しつつ目を逸らした。こんにゃろ、危ないからもう絶対やんなよ。



「それで、ですね。その師匠……ランスロットを雇ったらどうかと思うんです」

「サファイア………影魔術か。影を使っての転移」

「そうです。俺の紹介と言えば会って即座に殺す、なんてこと無いでしょうし。脅されているかそうでないかくらいあの人ならすぐ分かるはずですから。あと、原作より大分穏やかです」

「………うーん、なら、大丈夫、かな?それでどうやってその人と会うの?」

「闇魔術でルナ様を模写、それを寝たように置いといてルナ様本人がスラムに行く、っていうのはどうでしょう?」

「…………」



どうでしょう、なんて聞かないでおくれ。ずっと籠の鳥なんだ。スラムでもなんでも行ってやるよこのハイスペック相棒め。







「ガレイアじゃなく、か?」

「ええ。豚共…………いえ、両親に利用されないように、です。貴方を悪用させるつもりはありませんから」


そんなことしたら多分男豚(顔が良ければ男でも女でもイケる)が盛るだろうしな、絶対にランス様を汚したりなんてさせない。なお、ダースは既に撃退したようです。…………なんでダースに呼び出された日に豚の腕が骨折してたのかは聞かないでおこう。


「仕事内容と報酬は?」

「仕事内容は主に私の護衛、そして私とダースの意見が合致した場合のみに限り影魔術を公使してもらうこと。報酬は……そうですね、前払いでこの宝石。後払いで努力報酬でいかがでしょう?私に用意出来るものならば出来る限りのことはします。なお、雇われた場合は豚共の監視下には置かれない私の領域に住んでもらうこととなります。1日3食間食付き、家具なども所望してくださればこちらが用意します。いかがでしょう?」


予め持ってきておいた宝石を出す。まずはサファイア………彼の属性の宝石だ。込められた魔力が高いから彼の能力を存分に高めてくれるだろう。そしてアメジスト。これは私の属性の宝石。私の力がある程度公使出来るようになるはず。



「何つーか………至れり尽くせり、だな」

「私からしてもダースの師匠を雇うということは重要なことなのですよ」


だってサファイアの守護者だしな、後の。ちなみに今の宝石の効果はランス様の能力増強、私が近くにいる場合に限り私の使う魔術の効果も上昇、だ。金具に家紋が彫られてます。必要性があれば売れるよう、家紋は削りやすい金属に彫ったけどね。



「師匠、………駄目、でしょうか?」

「……………あー、いや、そうじゃねーんだが……お嬢ちゃん、そこまで俺に肩入れされても満足な働き出来ないと思うぞ?」

「なら、条件を付けましょうか」



実はダースからランス様は控えめな性格と聞いてから画策していたことである。その上で役に立てないと辞退するかもしれない、とな。だからそれ相応のお願いを用意すればいい。ダースの知り合いでありダースを信用しているから、ダースに信頼されている彼にしか出来ないおねだりを!



「私のお兄ちゃんになってくださいませんか?」

「「は?」」



…………あぁ、分かっている。実年齢はお兄ちゃん♡なんて年じゃないともさ。でもさ!?ランス様だよ!?ザ•お兄ちゃん!何故ヒロイン(笑)になんか惚れたの!?って言われたランス様だよ!?お兄ちゃんって呼びたいよね呼びたいに決まってるよねそうじゃないとお前は異教徒だ改宗だ!



私が横でせっつくのを繰り返すことで死んだ魚のような目でそれを悟っていた使用人が涙ながらの演技を始める。なお、語られることは全て事実のはず。


「ルナ様は幼い頃から色欲狂いの豚……いえ、父上と自らの魅力を過信し過ぎている自信家の豚………じゃなくて母上に愛されずして過ごしておりました」


おいダース。合ってるしその解説で間違いは無いが思いっ切り悪口入れるなよ。私じゃなけりゃ不敬罪で首ぱっかーんって行くぞ。


「いるのは従順なメイドや執事達、彼らも豚共………ではなくてご当主夫妻には逆らえないのです。そんなルナ様は愛を、そして家族を知らずに生きてきました!そこに現れた身分よく分からない系男子の俺!そして人と会話するようになったルナ様は考えました!あ、家族欲しい、と」


どんなもんでしょう、と小声で呟かれたので、お前輝いてるな、とだけ言っておいた。ちょっと詳しくは言葉では言わない。心に秘めておくのが優しさだ。………ただ将来詐欺的なことをやらせる時はこいつに頼もうとは思った。



「お願いです、ランスロット様。お兄様になってはいただけないでしょうか………?」


知ってる?涙目の幼女の上目使いってめっちゃ萌えるんだよ。これ姪っ子にやらせてハッスルして姉に殴られた思い出的豆知識ね。



「……………………俺で、いいんでしたら」


凄い戸惑っている顔してるねランス様。まぁ言質とったらこっちのもんよ。


「ありがとうございます!お兄様!」


パァ、と顔を輝かせて満面の笑み。こんなんでも将来国一番の美女と呼ばれるこの私だもの。きっとかなり可愛いはず。っておいダース鼻押さえるな鼻血出すなルナ様教。

そのまま感極まったように抱きつく。あー、筋肉付いてますな。細マッチョというやつか。ちょっと汗っぽい匂いはするけど全然苦じゃない。むしろ結構運動しているであろうによくもここまで匂わないもんだ。こらそこ、俺もまだルナ様に抱き締めてもらってないのにとか言わない。



そっと、優しく私を撫でる気配におずおずと顔を上げる。そこには慈愛の目で私を見つめながら撫でてくれるランス様がいらっしゃった。何コレ神々しい。







結論から言うと護衛兼お兄様、ゲットだぜ。

そしてシスコンは誕生しました。ストックが切れたので近日中に纏めて投稿します。

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