僕たちのもとに訪れたモノ(シトリ視点他)
シトリ、第二王子、シトリという視点でいきます。この子達はここに入れるしかなかったのだよ……。今回の話はそれぞれ別視点で進みすぎてこんがらがる(おい作者)。
僕はシトリミヤ・フーラーテ。ルナっていう子に助け出されて今は彼女に雇われている。ランスの部下になるから……隠密?とかかな。かっこいいからそうしておこう。
「ぅ……ぅ、うぅ……」
「あれ?起きた?大丈夫ー?」
そうそう、僕ね、ペットを飼い始めたんだ。ルナが「まずは他の生物と居ることを慣れよう」って言い出して。んでもって飼い始めたのがこいつ。
グルーゥヴゥ………
ヤバい鳴き声はあげてるけど可愛い奴なんだ。ダースにもシトリによく似てるって言われるし。普段はもっと可愛い鳴き声あげるんだよ?そりゃ、きゃわん!とかって。
「フェンリル、めっ」
名付け親はルナ。この子の名前はフェンリル。野生の狼だったんだけど色々あって僕が助けたら懐いたから今は飼ってる。
「っ、!?シトリミヤ・フーラーテ……?」
「せっいかーい。でさぁ、何でいるのかなーオージサマ?」
何でいるのかなぁ、塵君?
その日は、兄の大事な客を招いた日だった。兄に招かれ兄の部屋を訪れ…………そして気付けば目の前にあの少年、シトリミヤ・フーラーテがいた。
シトリミヤは幼少期の俺にとってコンプレックスを刺激するどうしようもなく嫌いな奴だった。俺は両親によってほぼ洗脳状態にあり、傲慢に育った。そんな時に俺の城にやって来たそいつは俺を睨みつけることの出来た……生意気な、邪魔者だった。
「きゃうん」
「ッ!?」
現実逃避している間にも痺れている足。悪意の無さそうな顔でシトリミヤの飼い犬と思われるそいつが俺の足を踏みつけた。
「はっこづっめの~♪オージサマ~♪正座で痺れた足ーを踏まれてあっいたたた~♪」
……………どうしよう、俺が悪いとは分かってる。けど物凄く逃げたい。何故かというと、それはシトリミヤの手に鎖が握られていたからに他ならない。
「シっアンが来ーるまーでぼっくの自由~♪」
………………俺は、色々と終わったことを悟っていた。
「………で?」
「シアン先生おっひさです!まだ来ちゃ駄目だよー。ある人を今ごーもん中ですから!」
「拷問か。良いんじゃないか?」
「いっやいやいやいや。駄目に決まってるじゃないか!?」
「殺しはしないよー。……………ただちょっと死にたくなるだけで」
「今なんか聞こえた!聞こえたよ!?ランスも何許してるのかな!?」
「いや、正当防衛………んにゃ、正当報復ってヤツだろ」
「…………………分かった、うん、何か分かった。諦めよう。僕は暫く待ってるよ。……で、誰が箱詰めで来たんだい?」
「「第二王子」」
「今すぐ拷問(仮)を止めなさい!」
と、まぁ、最年長のシアン先生が怒り出したので王子を解放した。何やったのって言われてもねぇ?小一時間鎖で固定して絶対動けないように正座させて痺れた足をフェンリルに踏ませただけなんだけども。あの鎖、ダースの加工したやつだから痺れ度は倍増なんだって。ルナが強化してくれたから限りなく最強に近い鎖になったとかどうとか。
今起こったことを簡潔に説明するとこう。
ランスが起きて(僕らはルナが来れるのが夜ということで昼夜逆転生活を送っている)、郵便物を調べにいったら謎のデカい箱を発見。僕の作った結界を張りつつ中身を調べたら第二王子発見。驚いて僕に助けを求め、僕も(いじめながら)シアン先生を呼び、解放に至る、と。
シアン先生は民間での癒しの仕事をしているから来るのに時間がかかるんだよね。今回は少し遠出してたみたいだし。あと、もう少しで成人するから囲い込む準備をしてるとかどうとか。アリス先生頑張れ、もうそろそろ気付かないとヤバいことになるよ。僕ら御一行は皆シアン先生の味方だから。特にダース。特にダースは(大事だから二回言いました)。
僕はフェンリルの頭を撫でながらそんなことを考える。
今夜はそれぞれに事件が起きた日なんて知らないまま。




