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12歳×城へ突撃=キレ

後半編、スタートです。まさかまさかのノイシュ君……。

「やってられるかぁぁああ!!」


その日、ガレイア家に怒声が響いた。



「ダース、酒飲むぞ酒」

「おいこら12歳。あんた日本だと中学生」

「良いんだよ別に。この世界だと酒飲み始めは10歳だろ、へーきへーき」

「……………えいっ」 

「うわぁっ!?」

「アル中、駄目絶対!」


数年経ってもガレイア家の主従は変わっていない。ちょっと(自称はちょっと)我が侭で素直な主、ルナと彼女の相棒の暴走系毒舌使用人ダース……いや、数年前に彼は従者となっていた。



「ノイシュー。ダースが虐めてくるー(しいた)げてくるー」

「……ルナは、飲み過ぎだと思う。身体に悪いから止めた方が良い」

「おい今ダースがノイシュ睨みつけたの見たんだけどちょっと。ノイシュ相変わらず逆らえないんだね!?」

「そんなに元気なら大丈夫ですね、ではこちらの服を──」

「いやだぁあ!」



ノイシュ・アーベルテイン……魔王と呼ばれていた彼は現在はダースの監視下の元、ガレイア家使用人として過ごしている。ダース初めての後輩として幻惑して雇わせたのだ。以降は負けた影響でダースに逆らえない後輩となっている。


「ルナ、ほら、がんばろ?」

「………………あのヤンデレ悪魔が天使という事実」

「さっさとやりやがれですよルナ様。これ以上先延ばししたらシトリの料理食わせますよ」

「それ私の胃袋がデッドエンド!」



あの時、ダースは闇球の中にある程度の知識を詰め込んだ。自身が危険な存在であること、そして主は必要無いということ。………あと、何をやらかしても絶対にダースには勝てないという事実。暴走していたノイシュはルナの作ったアメジストにより死の歌を封じられ、ただ単に「ダースに勝てないレベルの強い少年」となった。重要なのは絶対に勝てない存在を教え込むことである。そしてダースに虐められる同盟を組んだルナとは現在かなりの仲良しとなっているのである。



「大体!何故!私が城へ行かなくてはならない!」

「エデンから直々の頼みです」

「だから貴様。殿下を呼び捨てにするの止めろ」

「………でもそれ、エデン様からのお願い」

「そうだったあのフレンドリー殿下………」


現在その彼女らガレイア家長女並びにその従者、さらにその後輩が何をしているかというと城へ行く準備である。


「行きたくねー……絶対殿下以外味方いねぇ……」

「………それは、同意。ボクが狂ったのは多分城からの信号だから」

「それも突き止めに行くんです。折角クソ王………いえ、王様からルナ様への招待ですよ。咎められることなく行ける機会。忍び込むことなく行ける機会」

「…………でもシトリ達と暫く会えない……」

「まぁ万が一って場合がありますから。シトリは城から抜け出しましたし師匠も城に雇われかけていたって冒険者ギルドの長が漏らしたんでしょう?だったら行くのは危険です」

「………幻惑、ダースくらいになると効かなくなるから。エデン様は強いけど、他はショボい。でも騎士団長とか医務室長とかは力が強いから見つかっちゃう、かも」

「あー忘れてたフラグー………」


ノイシュの暴走……瞳の色が変わり、力が増したのは城からの力にあてられたからだと分かっている。…………ダースによって吐かされたのとそれを裏付ける殿下の証明によって。そしてそれはシトリが調べていた守護者召還の儀式(?)だというのもここ数年で調べたことだった。…………そう、そこまでしか分かっていない。



「ノイシュー。城行きたくないー……」

「…………気持ち、分かるけど逆らったらダース怖い。あと、まだ知らないこと、知れるチャンス。ルナ、我が侭、めっ」

「うちの末っ子に説教された件について」

「俺の部下ですから。はい、コルセット緩めないでくださいねー。次はこれです」

「従者が主人の言うことを無視する件について」

「折角ルナ様を着飾らせることの出来る機会を逃すなんて出来ません」

「やっぱりか」



1人加わっても、ガレイア家主従は変わらなかった。



それはこんな凸凹主従の話の折り返し地点。

ノイシュ、まさかの使用人へ。細かい説明は次回に。

シアン先生、アリスの姉御、ランス師匠やシトリがどうなったのかもまた。

………そして今回、あの人が好青年になり復活です。殿下も久し振りにやってきます。

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