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どうか嫌いにならないで(ダース視点)

連続投稿2話目。前の話とは対になるものと認識しているので……。この話の真相に繋がるものもちらほらと。

そしてダースの家族の名前出ますがお気になさらず。

『身体を鍛える理由?んー、誰かの騎士になるため、かな』



俺が前世で唯一尊敬していた同い年の従兄弟はいつもこう言っていた。「誰かを守る騎士になりたい」と。



『結お兄はさ、何でも我慢するよね。出来るのに諦めるとかよくあるし』



いつも生意気なことを言う妹はたまに真面目な顔になって言った。「たまには我が儘言いなよ」って。



「ルナ様…………」



俺が守りたいのは、何があっても守りたいのは───────






『お前はなー、結局我慢して欲しいモノを手に入れられない気がするのだ』

『は?』

『うちの家系には珍しく我慢する癖があるからな。親戚一同に表れない分全てがお前に集束してる気がするのだ』

『………お前が集束なんて言葉を知っていたのが驚きなんだか』

『どうせ脳筋なのだ。たまには難しい言葉を言いたくなることもあるのだよ、親友』

『最早お前が何言ってるかよく分からん』

『安心するのだ。自分でもよく分からん』


スマホ越しにそいつは笑っていた。俺の従兄弟にして尊敬すべき親友は所謂(いわゆる)二重人格というものを持っていて。……自分を見失わないように日頃から“自分”を作っていた。



『お前はな、器用貧乏なのだよ』

『おいどうした急に』

『自分、見失わないようにするんだぞ。せめてもの忠告だ』


よく、分からない。







「お久しぶりですのん、結」

「お久しぶりです。また変な口調なってますよ」

「最近は日本回っとるからのぉ。色んな方言混ざってきたわな。さっき肖が近寄るな言うてきてんよー酷くないうちの弟」

「親友として発言は控えさせてもらいます」


親戚の中でも特に変わり者と呼ばれている親友の兄兼従兄弟のその人はふと、真面目な顔になって告げた。


「まーた溜めこんどるやろ、お前」

「…………は?」

「俺みたいに自由やない、(しんゆう)みたいに発散する場所を知らん。かといって(いもうと)みたいに熱を向ける場所も知らへん。お前は溜めこみすぎや。発散する場所見つけなあかんやろ」

「……………」

「ま、自由人すぎて家から放逐されかけとる俺が言ったらあかんのやろーけど。爆発する前に、何か熱を向ける場所見つけな」


俺の兄代わりは、そんなことを言った後また旅立っていった。


親友から立て続けに言われたその言葉が、胸を締め付けた気がした。




『結お兄、これやってみてよ』

『何これ』

『乙女ゲーム。この悪役令嬢さ、カッコいいんだよ』


妹から渡されたその乙女ゲームとやらを手に取る。親が既に亡くなっていて本家……実家の元締めに養われている俺達は基本二人暮らしだった。金はあるものの家族と呼べるものはお互いしかいない。

妹はお兄ちゃん子に育って俺も普通の家族よりはシスコンに育っていた。妹は何かを語りたい時に俺を巻き込むことが多いからまたそれだろう、なんて思いながら携帯ゲーム機にソフトをセットした。



『ね、ルナ様カッコいいでしょ!』

『………うん』


悪役令嬢として断罪されるその人は、最期まで自分を見失わなかった。




[自分が信じることをすれば良いと思うわ。自分の道を見失わないように]



その言葉が、頭に残っていた。





思えばあの時、俺は熱を向ける場所を見つけれたのだろう。ルナ様について語っている時や話し合いをしている時はいきいきとして……いや、し過ぎていた感は否めないか。

だから、ルナ様は前世の俺の恩人なのだろう。こんな情けないこと、ルナ様にはとても言えないが。






師匠と、シトリと、それにノイシュとシアン様。思い出したくないけど馬鹿王子。あとは妹ことアリス。残りは医務室長と騎士団長、そしてもう一人のサポートキャラクターだろうか。



………何かを、忘れている。だってこのゲームの攻略対象は7人。第二王子、神官、暗殺者、騎士団長、医務室長、男人魚、そして監獄長。……そしてヒロインと悪役令嬢とサポートキャラ2人。合計、11人。


誕生石となるのは12個の宝石。ならばもう1人は────?






「………………もう一人って、誰?」


ルナ様は気付いているのか。いないならば────。






目覚めた瞬間、闇の足音がする。急いでルナ様の元へと向かう。………起きた瞬間に嫌な気配がした。俺の領域の気配。………即ち闇や、夢。


「やっぱりか……!」


ルナ様は黒色の闇に全身を捕らえられていた。俺はそれを強引に引きちぎりながら夢へと干渉を始める。




そうして訪れた夢の中で、ルナ様は殺されかけていた。……………俺は、全部を思い出した。何で俺はこのルナ様を……ルナ様でないルナ様をこんなにも好きなのか。何でこんなにも頼られたいのか。

─────前世は、何で死んだのか。








11人の人物については思い出せない。これは明日来るであろう(アリス)とルナ様と話し合いだ。だから今は………


「おやすみなさい」


そう呟きながら頭を撫で、呪いを流し込む。どうか俺を思い出して。………俺を嫌いにならないで、と願いを込めて。

ダースの親友が肖、妹が霞です。

物凄く切りが悪いですがノイシュ編兼幼少期後編はここで終わりとなります。

次回は…10歳前後かな、うん。

ノイシュ君がどうなったのかなども楽しんでいただけると幸いです。


次回、フラグ折り攻略対象は人気投票(ルナ様に負けるものの攻略対象の中では断トツの)1位キャラとなります。作者頑張ります……。キャラを一言で表すならば……エロ医者?

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