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夢の終わり×金銀の瞳=ダレノユメ

「お前……誰……っ!」

「ルナ様の使用人」


ダースは私の頭を撫でながら冷たく言った。


「なんで──」

「俺さ、闇魔術得意なんだよね。闇魔術の別名は夢魔術」


私の目の縁を親指の腹で触りながら、無感情な声で言葉を紡いだ。

小さく私の耳元で「大丈夫ですから、ここで待ってください」といつもの調子で囁くダースは、変わらないように見える。


「っ!?」

「あのさぁ」


すぐ後ろで振り下ろされた鎌を腕を振るだけで払いながらつまらなそうに相棒は……………嗤った。


「俺の大事な人に手ぇ出すだけじゃなく泣かすなんて、さ」


ダースの目が見開くのを間近で見た私は小さく息を呑んだ。


「死、だけじゃ済まさないから」







戦いは一方的だった。そう、一方的だ。あのノイシュ……シトリの最高魔術を一瞬で破壊したノイシュが押され続けていた。



「あー、確かに親友(あいつ)の言ってたこと分かるかも。戦闘が楽しいって思えてきた」

「お前、おかしい……!……っ!?」

「余所見なんてしてる暇ねーぞ電波」


振るわれた鎌を受け流し、そのまま腹に一撃。接近されたことに気付いたノイシュは短刀で戦おうとするも既に後ろにいたダースの踵落としにより二撃目を加えられている。


「誰かを守る騎士になりたい、ね。俺が守りたいのはルナ様………今のこのルナ様なんだよね」


体勢を立て直そうとするノイシュの足下が闇で埋まる。

 

「その人を守るために躊躇なんてない。………まー、アレだ、うん」


慌てるノイシュの頭上に闇球(ダークボール)を生成する。……そして、それはどんどんと大きくなっていく。手の平ほどのものが頭ほどの大きさに。それが子供の身体くらいの大きさになると思えばあっという間に人一人くらいの全長へとなる。


「まー、こんなもんかな。ルナ様、それをあいつに埋め込めば良いんですよね?」

「え!?あ、うん、そう」

「身体に合成させちゃってもいいですか?」

「…………え、むしろそっちの方が良いんだけど出来るの?」

「はい、今からしようと思えば出来ます」

「あ、そう。…………じゃ、これ任せたわ」

「はいはーい」


私からアメジストの入った袋を受け取ったダースは楽しそうな笑みを浮かべながら闇球(それ)を落とす。


「んじゃ、ノイシュ。とりあえずはな」


ダースの金と銀に光るオッドアイが妖しく光った。


「地獄に落ちろ」



そしてまさかのダース乱入により、ノイシュによる世界破滅は封じられたのだった。



………………私、出番。出番何処?奪い取られてない?









「お疲れ様です、ルナ様」


目が覚めるとそこは私の自室。……いつもと変わらないそこだった。


「ダース………その目」

「あー、まだ治ってませんか。夜に光って目に痛いですよね、すみません」

「確かに夜間の交通整理みたいな感じでピカピカ光ってるけどアレと違って破壊衝動は起きないわね。むしろ綺麗」

「俺としては交通整理の看板に破壊衝動を抱いていたルナ様が怖いです……」


現在のダースの目は右目が金、左目が銀。普段の黒色の瞳と比べて明らかに違うものになっている。この世界では魔力適正が強い人…身近で言うと兄様のような存在は生まれつきオッドアイである。ダースは生まれつきでは無い筈だが。



「俺もエデン……じゃなくて殿下に聞いて知ったんですけどね」

「今さり気なく呼び捨てにしなかった?」

「本人の希望ですスルーお願いします」


とりあえずは助けられた身であるから今回は黙る。ちょっと話し合いしたいんだけども。


「それで、ですね。闇魔術と光魔術というのはこの世界では特殊なんです。それはもう何万人に1人レベルで。その中でも力が強くなると何百……何千万に1人になってしまうんです」


そう言って右目を押さえた。


「光は金で闇は銀。2つは切っても切れない関係。ゆえにこの2つの強い力を持つものはオッドアイとなる時には両方の釣り合いがとれるように光るそうなんです」

「じゃあそのオッドアイは後天性ってこと?」

「ええ。感情が高ぶった時にだけ色が変わります。強い力を対となる力で押さえ込むためだとかなんだとか」

「………なるほど」


ダースの目を見つめているとその色が次第に薄く……そして濃くなっていく。


「治りました?」

「うん、いつもの色」


あの金銀の目も綺麗だったが、ダースはこれが一番似合う。


「そうそう、ノイシュなんですが明日どうなっているか確かめましょう」

「………危険な予感を察知」

「悪いようにはしませんって」


一転して楽しそうに笑ったダースは私の頭を撫でてから起き上がる。





「おやすみなさい、今度こそ良い夢を見てくださいね」

「ん、おやすみ」


ダースがいてくれて、本当に良かった。1人では出来ないことも協力して出来たし……何より心細くなかったから。世界破滅エンドも多分無くなったから安心してフラグ折りとヒロイン(笑)を見て笑うことに専念出来る。











『あ、待ってましたよ』

『よくこんな25過ぎた女を口説く気になれるな、少年』

『俺18ですから少年は過ぎててほしいですね』

『私からしたら5つの年の差があるだけで十分に少年だよ』


『あー、でも』

『ん?どうした少年』

『いやだから少年止めろと。………俺も、頼ってくださいね?××さん』

『お前私の名前何処から入手しやがった』



これは、ダレノユメ?

連続投稿一話目。ダース君は魔王を上回ります。

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