人工知能×夢=死の恐怖
※何故か戦闘シーン入ってます。おかしい、これは恋愛……?
「久しぶりだね、ご主人様」
「だから私はあんたの主じゃないって……」
それは、夢の中。こいつは私の夢の中に転移してきたようだ。恐らくは主に対する執着のようなものか。それを探しているのならば何故殺したのだろうという話だ。
「でも君は個体名を知っていた。だから主となる人物」
「知るかんなもん。他にもあんたの名前知ってる奴はいるでしょうに」
「居た、かもね。皆殺したけど」
少年の手の中に鎌が現れる。背丈よりも大きい装飾の少ない鎌が。
…………マズい。これは、アレだ。
「それなら────死んで」
生きるか死ぬかじゃなくて処刑エンド向かえるかここで死ぬかかよ!?最悪だこいつ単細胞は変わってない……!思い通りにならない=殺すって流石終始ヤンデレを崩さないノイシュとか思ってた記憶が思い出される。今んなこと思い出してる場合じゃねーよ殺されるぞ私!
「死ねるかっつーの!」
今日の帰り際にシトリに手渡されたアクアマリンを翳し、術式を展開する。ついでにいつも携帯している折りたたみ式のナイフでネグリジェのレースを切り裂く。淑女としては足を見せるのは駄目だが緊急事態だ。死にかけてるんだから別に怒られないだろう。
グルオアァァァアァァア
「っ何!?」
「水龍怖っ!?」
展開した直後、私とノイシュの間に現れた水龍。流石兄様が呆れていた程の水魔術内最大と言われる護衛術だ。発動まで一瞬だった。そして水龍を中心に夢の中の世界で地面に渦が巻き始める。
「なら──!」
「っと、あっぶな!?」
私のすぐそばを切りつけてくる空気の刃。私のちょうど真後ろにあった水龍の水で出来た尾が音をたてて崩れ、再生する。
確かなんだっけ?水龍は展開した本人を囲い込むようにして………
「邪魔、退けよ蛇」
私を包もうとしていた水の衣が一瞬にして霧散していた。────ノイシュの、鎌の一振りで。
水龍はある程度の力があると完全体になる前に破壊される。もし完全体まで至れば誰にも傷つけられない最高の盾となる。そしてそれが今破壊された。………シトリの、水魔術最大の魔術が。
「規格外すぎんだろノイシュ……!」
「それで?ご主人様になってくれる気はある?」
「なんでそこまで主に拘るのに他の人を殺したのよ」
息を整え、ノイシュを睨みつけながら思ったことを問いかける。
返答は、綺麗な…………あの、エンディングのような、笑顔。
「本当の……相応しい主が欲しい。それ以外は要らない。ゴミは殺さないと………」
毒々しい緑色の目が水色に変わる。
「ゴミは、全部壊すから」
ヤバい、そう感じた時には既に遅かった。
「君がご主人様になってくれなくて残念だったよ」
先程の数段上の速度で私に近付いたその鎌は、私に振り下ろされた。私の転生人生もここまでか、なんて思ってスローモーションで振り下ろされるそれを見ていた。
目を、瞑る。
しかし、いつまでたってもその瞬間は訪れない。
「はろールナ様。ルナ様の一番の味方、頑張ってやって参りましたよ」
目を開けると、そこには鎌を素手で掴むダース。
「俺の大事な人に手ぇ出したんだ。俺の見えない所でな」
素手で触っているその刃を軸にダースはそれを吹っ飛ばした。
「死を以て後悔させてやるよ、人工知能」
……………何で、ダースがここにいるのかな……?
ノイシュ君は基本単細胞です。考えることを必要としていないのです……。
そしていよいよダース君がヒーローらしくなってきました。彼が何故ここにいるのかなども含め次回へ。
…………次回、ダース(黒笑い付き)の本領発揮。




