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或る少年の邂逅と決意(ダース視点)

あの時彼がどういうことを思っていたのか、というダース視点です。

世の中にはテンプレというものが数多く存在する。悪役令嬢転生とかいうのもその一つだ。……で、まぁ。俺の身に何が起こったかというと、だ。




「ダースティア・クロイネル。このガレイア家が今日から貴方の働く場所です」


どうも、初めまして。ダースティア・クロイネル(5歳)です。生まれた時から前世の記憶があるという奇妙な人生。前世は普通の男子高校生として過ごした記憶はあるものの死因は不明。いつも通り昼寝から目を覚ます感覚で起きたら赤ん坊になっていたという奇跡。わけが分からないよ。


「ガレイア………家?」

「ガレイア家とはこの国の守護家にあたる名門一家。本来ならば貴方のように最下層の人間が入れる場所ではありません。そこを理解して感謝しなさい」


……えー、無理なんだけど。それ大量の奴隷雇って殺したりしてるし。だって俺覚えてるし。これ、悪役令嬢(笑)の家だろ?ルナ様の実家。悪役令嬢とは名ばかりの常識人。別名被害者ともいう。あ、でもこれルナ様毎日見れる?合法だよね、やった。


「返事をなさい」

「…………はい」


そう言えばルナ様の後ろにいつも黒髪の男いたよな、俺か。俺ってそいつだったのか。マジか。テンプレの悪役令嬢転生じゃなくて悪役令嬢従者転生か。こいつぁ驚いたぜ。あいつ羨ましいってネットの奴らとよく議論してたよな……ダースティア・クロイネルって名前だったっけ、忘れたけど。

んで、まぁ俺に拒否権は無いらしく。荷物を纏めて30分後に来いと言われた。俺スラムの人間なんだけど。30分とか普通分からないからな?俺は前世の記憶あるから良かったけども。



俺には同居中の兄貴分兼師匠がいたんだけどまぁ凄い反対された。結果的に喧嘩別れにはなったのが気がかりだ。俺が予想通り………ルナ様の近くに行けなかったら師匠に申し訳無いが。

そんなことを思いながらも俺にここのことを説明した態度のでかいキモデブおっさんに付いてでっかい屋敷を歩いていく。にしてもでっけーな。東京ドーム何個分?あっても1個分の気がするけど。



そしてかなり長いこと歩いた後に巨大な門の前に辿り着く。……あー、ゲームで見た背景だわ。


「この方がルナティア・ガレイアお嬢様。お前の仕える方だ。何か粗相をすればお前の命は無いものと思え」


もうこの屋敷に来た時点で命無い感じするんですが。だってルナ様の親御さんって典型的クズ貴族だろ。やだわー、キモデブおっさんパート2と厚化粧ばばあとか会いたくねぇよ。何かと文句付けられては怒鳴られる未来が見えている。あと親父の方にはケツ掘られないようにしやきゃかな。



「ルナティア様。こちらが今日より雇われた使用人です。奴隷の身分ですので如何にしてお使いしても構いません」

「………ダースティア・クロイネルです。よろしくお願いいたします」



キモデブおっさんにネチネチと言われ続け覚えさせられた自己紹介文を言いつつ頭を下げる。ずっとキモデブおっさんの後ろに付いていたからルナ様の顔は見てない。見たい。だって絶対綺麗だし。俺?前世は悪役令嬢ルナ様のファンですが?高飛車な所は確かにありましたがあの親共のせいだろうね、の一言で説明つくよね。むしろ普通に常識人だったしね。美人だし根は優しいツンデレだったよね。



「………………あ、これ詰んだ…………」


ん?


何か聞こえた。疑問に思う前にルナ様の声がかかった。


「面を上げなさい、ダースティア・クロイネル」


ルナ様の声、原作ゲームと変わらない有名声優の声だ。キモデブおっさんで汚れた耳が浄化される。


「私はルナティア・ガレイア。この国の守護者と成りうる者です」


……うん、やっぱりさっきの声と同じ。


ルナ様…………あんた転成者ですか?

ルナ様は最萌えキャラクターのダースに会ってから記憶を取り戻しましたがダースは生まれた時に既に前世の記憶がありました。ちなみに、クロイネルという姓はルナ様がダースが来る前日に「何か良い姓作れません?」とダース誘拐犯(仮名)に聞かれ何となくつけたものです。

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