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彼女が生まれる前(アリス視点前編)

今回は新キャラであったアリス姉さん視点でいきます。

私がこの世界が物語の中の物と酷似していると気が付いたのは大きい神殿を見た時であった。


「アリスさん、どうかしましたか?」


呆然、といった様子で固まる私に声をかけてきたのはエメラルドグリーンの髪に黄緑色の愛らしい容貌の少年。今日の買い出しのパートナーだった。


「何でもない。行こっか、シアン君」


……………そして私に嬉しそうに頷きかえしてくるその人は、間違いなく攻略対象の一人。私は有名な乙女ゲーム転生、というものをしてしまったようだ。





「シアン君、神殿には行かないで」

「……急にどうしたんですか。また転びましたか?」

「揺るぎなき私のドジっ子説。……じゃなくてね!」


私は、神殿を見て前世を思い出した。そして混乱したまま孤児院まで帰り……気付いた。


あれ、これ年齢おかしくね?

だって私ってサポートキャラのアリスの姉御だろ?名前も経歴も合ってるから間違い無いよな。孤児院育ちだし。本編開始時30代だろ?………んで、シアン君って本編開始時は12歳。これおかしいよね。絶対どっちか違ってるよね。


よく分からなくなって混乱していた直後、院長先生が私とシアン君のいる部屋に来て行った。「神殿から通達が来た。癒しの力のあるもので望む者は神殿に勤めよと。だからシアンも考えてほしい」と。あ、私とシアン君は同室です。なんとびっくりルームメイトなんです。だってまだ8歳だもの。この世界は学校のような施設が無いから皆男女を意識するのが遅い。色街とかならまた別だけどもこの孤児院は健全第一だものね。かれこれ5年はルームメイトしてます。

とまあこんなことは置いといて。私は必死に頼み込む。攻略対象の中では一番大人っぽいシアン君がお気に入りでしたしね、必死。もちろんサブキャラを含めたらルナ様です。ルナ様ラブ。いつか会いたい。

さて、それは更に置いといて。問題はシアン君が神殿行きに乗り気だということだ。



「嫌な予感がするの!だからお願い!」

「…………予感。つまりは勘。そのような不確定要素で僕の行く末を妨げると?」

「うん、そうなるんだけど……そうなるんだけども………」


私が視線を逸らしながらしどろもどろになって答えるとシアン君は困ったように笑う。


「ですが、僕はこの癒しの力しか誇れる物もありませんし……。この孤児院の役に立つことも出来ませんからせめて食費くらい浮かせて役に立ちたいんです」


本編では綺麗に整えられ内巻きのセミロングとなっていたその髪は、孤児院の労働の際邪魔だという理由で長く伸ばされて一つに束ねられている。…………幼少期の孤児院時代の画像(スチル)と、同じように。蘇る彼の虐待の悪夢。許すまじ神殿。


「だったら!町医者すれば良いじゃん!」

「…………はい?」

「シアン君は神殿に行かなくなるし、癒しの力は役に立つし!ある程度のお金を持っている人から施しをもらえばむしろここに寄付だって出来る!ほら完璧!」

「…………………………すみません、熱があるようなので祈りを捧げましょうか」

「いやちょっと待ってなんで熱?」

「…………お世辞にもアリスさんは頭の良い方とは言えませんでしたので……」

「おいこらてめぇ喧嘩売ってるのか」



真面目な顔でそこまで言われ、私の怒りゲージは真っ赤であった。怒るよ、私だって。前世は脳筋とかゴリラ女とか言われて兄が頭良くて見目もいいだけあってか正反対言われてたんだからな。この世界でも筋トレしてたけどそれをシアン君が変な顔して見てたのも知ってるからな。つまりヒョロいシアン君ごとき力でねじ伏せられます。所詮私は脳筋です。



「それは、アリスさんも手伝ってくれるのですか?」

「………とーぜん」

「そうですか」


今の質問にどんな意図があったかは分からない。反射的に答えていた。彼は頭が良いからよく私のフォローをしてくれる。その時に聞かれることを答えている癖のようなもので。


「ならばそれも良いのでは無いのでしょうか。アリスさんが考えたとはとても思えない程良い案ですよ」

「シアン君、表に出ようか。私がどれほどお馬鹿に見られていたか話し合いたいことがあるんだ」



でもこの後先ほどの計画についてフルボッコにされた。そんな問題点とか指摘されても私脳筋だから分からないよ………。

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