再会×信者=混沌
「はぁ…………。ダースティア・クロイネル。ルナ様の専属のお付きです。お前に立ち入る隙は無いぞ、去れ」
「だが断る。ルナ様の幼少期時代超可愛いじゃん。それを独り占めしてたとか万死に値するね」
「羨ましかろう。指くわえて見てな」
「ちょーっと待てい!」
ダース、機嫌悪くねとは思った。けど………これ、アレ?もしかして兄弟仲悪いとか?議題私なんですけど?
「別に兄弟仲は悪くないですよ」
「むしろ私はブラコンと呼ばれお兄はシスコンと呼ばれるレベル」
「ただルナ様愛は負けたくない」
「お兄の方が後から入ってきたのに!」
「お前は自称戦士とかと話し合いしたことないだろ。俺百人切りとか呼ばれてたんだからな」
「てめぇがネットの有名人か!!」
思わず素で叫んだ病人(仮)の私は悪くないと思う。
さて、ルナ様教というものを皆さんは覚えているだろうか。悪役令嬢(笑)であるルナ様への愛が加速しすぎてフィーバーしちゃった人が所属している非公式の団体である。そして彼らが巣くう(ヒャッハーする)のが宝石の守護者達のまとめサイト。通称ルナ様板だ。………そこには数々の猛者が現れた。「でもルナはやっぱり悪役令嬢じゃん!ヒロイン最高!」というヒロイン至上主義者や「なんでそんな敵役好きなんwwwアホちゃうんwww」なんていう煽りをする人達。
……………そして、彼女らは負けていった。末路としては二度とルナ様板には行かないと震え声で話してたとかルナ様教に入ったとか色々言われている。
そして、そいつらが口を揃えて言うこと。「百人切りと呼ばれている人物に会ったら絶対に論破される」、と。
「ダース………それ、マジ?」
「マジです。俺国語は得意ですよ」
「全国模試で毎回上位に食い込む理系選択者ですよ、そいつ」
「……………なんか察した」
ルナ様愛が深いことは知っていた。けどそれ、深すぎるから。恐れられる程論破しまくるって怖いわ。
「さて、気を取り直して。ルナティア・ガレイア。現4歳の幼女よ。前世はしがない普通の………本っ当に普通のOLです。相棒がそんな変なことをしてると聞いて戦々恐々なうです」
なんでルナ様教に入っていない私がそんなことを知っているかは今置いておこう。ただしルナ様のモデルが私らしい、とだけ伝えておく。察して。いや、察しろ。
「こんなお兄ですよー引きますよねー?ほら私の胸に飛び込んできていいですよー」
「おい」
「ほら、ルナ様!洗いっことかしません?私姉妹いたことないから夢で!」
「どさくさに紛れてセクハラしようとしてんじゃねーぞ愚妹」
「お兄は黙ってくれないかな?」
「ダース、キャラ変わってるから戻せ」
何この混沌。
さて。何回も話は中断された。この兄妹、ルナ様への愛が深すぎて怖い。………それを軌道修正して、私は妹さんことアリスに今まであったことを伝えてみた。ちなみにシトリが海でしたいことあるのに兄様が付き添いで行っているから現在二人とも留守のようです。
「なるほど。私もそのヒロイン見て笑うってのには賛成です。むしろルナ様をあそこまで虐めた輩を許すわけにはいけませんもの、ね?」
ふふ、なんて笑いながら仰るアリスさん。笑顔が素敵ですが黒いです。
「ノイシュの件に関しては私もお手伝いさせてください。今は看護士の真似事をさせていただいておりますから何かお役に立てるかと」
……………………ルナ様が関わらない限り、ダースと妹さんは真面目である。とことん残念だ。
「それで、あの神官はどういうことなんです?あの神官、そもそも現時点では生まれてないと思うんですけど」
そう、そうなのである。ルナ様は本編開始時18歳。シアンこと神官は12歳。この差6つ。4歳の私がいる現時点では神官は生まれていないはずなのである。
「それ、なんですけどねー」
アリスが溜息を吐くのを見ながら私は思っていた。多分強力な味方(しかも身内)ゲットだぜ。
そしてその後、私は頭を抱えることとなる。…………これ、ダースの時もあったような……。




