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20/42

歌×綻び=決意

3位になりました。一回りして冷静になりました。既に20話です。

ありがとうございます……!ブクマする小説間違えてませんか(真顔)。


読者の皆様に感謝を!

「ルナ。ルーナ。どーしたの?」

「…………シトリ、私何してた」

「え?んと……ぼんやりしてた、ね」

「………そ、ありがと」


恐らく今のは幻覚であり現実。………ターコイズの魔術、幻惑魔術だろう。その証拠に私の手の中にある栞は普通の何の変哲も無いそれに見えた。

ふと思い立って私が読んでいた本を調べる。


「なるほど、こーゆー訳ねぇ」


作者名にはイクシュ・アーベルテイン。ノイシュを作り出した人物の名前が書かれていた。



禁書スペースの近くにある休憩室に入り持参した昼食を食べ、また二手に分かれる。兄様は魔物について調べたいことがあるらしく、シトリを引きずって奥の方に向かっていった。午後からは私はダースと行動する予定だ。理由は当初の目的……ノイシュについて話しやすくするため、だ。



さて、私は幼少期のノイシュは人工知能(ロボット)と言った。何故幼少期かと言うと……いや、何故攻略終盤まで人工知能(ロボット)であり最後にはそれで無くなるのかと言うと、だ。





「ダース、ノイシュに会ったわ」


私は禁書の棚で本を抜き取りながらそう告げた。


「…………………は?」

「ロボットロボットしてた」

「え、ちょ、待ってください」


彼は恐ろしい力──つまりは死の歌を持っていた。それをいち早く察したイクシュ・アーベルテインこと彼の爺様は「ノイシュ・アーベルテイン」による「ノイシュ・アーベルテインを人工知能(ロボット)と思い込む幻惑」をかけることにした。呪文を発し続けるのはノイシュ本人ゆえに解除出来るのも本人のみ、つまり本人が思い込む限りこいつはずっと自分に幻惑をかけ続けるんだよ。何故そんなことをしたかと言うとね、その力を封じる人を主とすることで死の歌を歌わないようにする、もしくは強さというかランクを低く弱くするという……要は押さえ込みをしようとしたんだ、他者による。


「栞に触ったら牢獄に行ったの。多分だけど幻惑だけ転移されたみたいね」

「幻惑魔術と影魔術、ですか?」

「そ。多分年季モノよ」


ダースも一応ノイシュのクリアはしているようだから大まかなストーリーは分かっている。しかしまぁ詳細なストーリーとなるとそれは別の話で。


「お、ビンゴ」


私は開いた本のそのページを見ながらダースに問う。


「ダース。世の中には特殊な効果のある歌が何種かあるわよね。それって相殺出来ると思う?」

「相殺……同じくらいの力を使ったら出来るかと」

「正解。それってさ、方法は二種類あるのよ」


……このゲーム、全エンディングをクリアするとそのキャラのミニストーリーが解放されるのだ。ミニと言っても1時間くらいのボイス量が入ってるけどね。割と多いミニストーリーだ。


「同じ“歌”と………核を壊すこと」


ダースが見れるようにその本をずらす。そこには歌による伝説とそれを如何にして防いだかという伝説、そして──


「真の監獄の継承者のみが奏でることの出来る“鎮魂曲(レクイエム)”。これは最大にして最強、最悪の物である。これを歌う者を完全に止めるには召還する魔物の全ての種の核を封印し、かの者に刻み込まなければならない」


解説と、対処法が書かれている。



「これ………」

「私ね、トラウマキャラのトラウマエンディングを作ってまでこのおまけが見たかったの。そのおまけでこの本………通称お祖父ちゃんによるノイシュ取り扱い説明書の話が出てきたのよ。国立図書館にあるとは聞いてたけどまさかここにもあるとはね………」


ちなみにこの本の作者もイクシュ・アーベルテイン、ノイシュの祖父である人物だ。彼は生涯を歌の研究に費やした研究者らしい。そして何の因果か養子の息子、ノイシュが死の歌の継承者と発覚。既に父が死んでいたため彼の保護者となったイクシュ氏は彼に「許可無くその歌を歌うな」「お前は人工知能であり無闇に力を使ってはいけない」と刷り込んだらしい。保護者としての感情よりも世界のことを考えていたらしいね、この人。



「恐らくあの幻覚はイクシュが歌を調べる者に残した警告。いずれ呪文に綻びが出てこれが歌の影響だと気付いた時、調べる人に何かを託そうとしたんじゃないかしら。………あくまでも私の予想だけど。それにノイシュは幻覚の中で主を殺したと言っていた。あの子は心を持たない筈だから主を殺す、なんてことを考えることすらしない筈なのよ。おかしくない?」

「………呪文に綻びが出来ているんですか?…14年後、では無くて今」


そう、例外はあった。魔物の召還が行われた原作だ。しかしそれは14年後。十年単位で早いからこれはまた別のトリガーがあると思う。………ちなみに原作でノイシュが魔物召還に踏み切った、つまりは心を持った原因は知れていない。何故だか不明である。シナリオライターに問い詰めりゃ良かったよ………。



「まぁそういうことになるわね。私の予想では止めなきゃ一年経つ頃にゃこの国はおろか世界滅亡カウントダウンよ、多分。…………んで、私達に出来るこれを止める方法はただ一つ」


私はダースの黒曜石のような瞳を見つめながら言った。


「協力、お願いしても良いかしら」


ヒロイン(笑)、お前召還されなくなるかもしれないな。だけどもお前を見て笑うことよりも私には優先しなくちゃならないことがある。


………ダースを、兄様を、シトリを。そして殿下や先生達、お世話になった人々をむざむざ死なせたりはしたくないからね。世界滅亡を抑えるのが今の最優先だよ。

真面目な話になりましたね、今回。

そろそろ閑話休題をアップしていこうかなーと考えています。ルナ様とダース君は私の考えていた(メモ帳にデータが残っている)小説の登場人物の親戚だったり友達だったりが転生した設定なんで作っていたんです。今度名前無しで転生前の絡みを載せていけたらと思っています………。しかし基本この世界のみでの閑話休題です。今作り置きしてあるのはシトリ君の食中毒事件です。何か書いてほしい小咄や絡みがありましたら感想で伝えてくだされば出来るだけ書いていきます。お気軽にどうぞ!

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