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死後世界触手譚  作者: 青風
国家誕生
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第85話     凶悪犯 と 元長老衆

夕方近くになりマルスが呼びに来たので大樹の近くの広場に行くと、そこには2000名程度のモンスターが居た。

中には脅してして白くなったオークも居る、アルビノっぽくてチョット目立ってるな。

所々包帯を巻かれて居たり、元に戻らないような傷を負ってる子等も見受けられる。

俺が前に出るとモンスター達が俺を見て静まり様子を見る、何だあの触手って感じで見ているようだ。


「ようこそ、エクレラントへ!

 一応ここの代表をやっているセンという者だ。

 こっちの姿の方が判る者が多いかな?」


そう言って人型へと変身すると「おぉ~」などとどよめきが起こったがすぐに静まった。


「でだ、お前等これからどうする?

 ここに住みたいというなら家は用意してやる、ちゃんと働いてもらうが。

 それと、ここは元はネコ族の村でもあるから、ネコ族と仲良くできる奴な?」

「あの・・・」


おずおずと手を上げて俺に質問してくる子が居た、セイレーンだ。


「なんだ?」

「アムドゥス様は、ここに住まわれているのでしょうか?」

「住んでるっちゃ~住んでるが、アムドゥスの軍に入りたいという奴は覚悟はしたほうがいいぞ?あそこは精鋭の集まりだ。

 それと、アムドゥス軍はここじゃなくアムドゥスの迷宮に住む事になるだろう。」

「そうですわー」「そうですねー」


俺の肩に座りシートリとソラッスがえらそうに付け足す。

皆が小さなフェアリーにキョトンとする。


「こいつ等はシートリとソラッスだ、アムドゥスの配下幹部の双子のフェアリーだ。」

「よろしくですわー」「よろしくですねー」


俺は指を差しながら紹介すると双子は少しえらそうに胸を張る。

てか、また新しい服をニルルに作ってもらったな・・・

何故かニルルとこの双子は仲がよくて結構な頻度で新たな服を作ってもらっているようだ。


「よろしくお願いします、シートリ様、ソラッス様。」


セイレーンはアムドゥスの所に行く決意が堅そうだ。

周りを見ると他にもそんな感じを見受けられる者が数名見て取れたので


「じゃぁ、アムドゥスの所に行きたい奴はそこ、ここに住みたい奴はあっち、何処か別の所へ行くって奴はこっちに集まってくれ。

 それとまだ迷っている者が居たら俺に言ってくれ。」


そう言うと、予め決まっていたかのようにゾロゾロと動き出す。

大体3分の1位の人数がアムドゥス軍を希望し、別の所に行くというのが10名程度

それ以外は全員ここに残る事を選んでいたようだ。

別の所に行くという10名は女性でその中にはダークと結婚予定のモモコが居たので他の9人も多分そんな子達なのだろう。


(まぁあんな事があったんだ、1人で暮らしたいとは思わないのは当然か。)


と納得する。

さて、3分の1のアムドゥス軍希望者をシートリとソラッスに任して良いものだろうか・・・?

少し考えいい事を思いついた。

いつも、アムドゥスが呼んだら横に出てくるサレオ、俺が呼んでも出てくるのだろうか?と考えた。

まぁ、アムドゥスだから出来る事だろうと思いつつも呼んでみた。


「サレオ、居るんだろ?」

「さすがセン殿、バレて居ましたか。」

(居た~~~~~~!?)


さも当然のように影から現れるサレオ。

めっちゃビックリしたが顔には出さず「当然だろ?」という態度でサレオのほうを向く。


「こいつ等任せて良いか?」

「勿論ですよ、では皆さんはこちらへ。」


サレオが3分の1を連れて行った。

双子は俺の触手髪と遊んでいる。


「それじゃ、この町に住むって奴は住民登録するから。ブッチー」


ブッチーを呼ぶと簡易小屋を担ぎながら現れる。

それを横に置いて貰った。


「んじゃ、1人ずつ入ってきてくれ。」


そう言ってはこの中に入った。

箱の中では軽めの対談と髪の毛登録をしてもらった。

アイ大活躍である。

採取して解析した記憶を元に少し話をして、嘘を吐いていれば要注意リストに入れるってな感じだ。

俺の肩で遊んでいた双子に髪の毛採取を頼むと快く引き受けてくれた。

登録者数は1267名に居た。


初日は簡易箱でやったが2日目からは簡易長屋に宛がわれた部屋を尋ねる。

その時、やりたい事なども聞いたりして仕事を振って行った。

仕事は主に生産、軍事の二つに分けられる。

生産は農業、狩猟、装飾、鍛冶、裁縫、建築の6つがメインで、軍事はそのまま軍に入ってもらう感じだ。

全員の登録まで1週間を要した。

中には白オークやゴブリンも居てこいつらは軍を選んでいた。

成長が楽しみである。


結果判った事がある。

快楽殺人者などの趣味で人を殺すような人物は、ここには居なさそうと言う事である。

これだけの人数が無作為に集められて1人もそう言った前歴が居ないというのもおかしな話だ。

仮説だが、もしかすればそういう人物はこの世界に来ていないのじゃないだろうか?


全てを分配し終えて一息つく。

ここからエクレラントは建設ラッシュに突入した。

いつまでも借り暮らしの長屋って訳にも行かないだろう。

毎日何処かでトンテンカンと聞こえている。


そして、最大の建設はイベント会場の設立である。

5万人規模を想定して建てられるこの会場はバイクレースやら格闘などで使われる予定だ。

そして、ドワーフ、エルフ、帝国へと伸びる街道の整備だ。

と言っても、平坦な道を作るだけでそこまでしっかりとした道を作りはしない。

なんせエクレラントの乗り物は浮いているのだから。

ただ、逆に他の国の人達は馬車などがあるので少しは整備しておきたい。


そして、周りの村や町へ使者の派遣だ。

これは最初から決めていたのではなく、帝国戦の後暫くした時にコロポックルが尋ねてきて庇護を求められた。

野良モンスターなどの被害が結構あるらしく他の村や町でも同様だというのだ。

帝国と友好関係を結んでいて、野良モンスターを退治(捕獲)してくれていたのだが戦争が起こってからはそう言った対処はしてくれなくなったそうだ。


(そりゃ、それどころじゃないだろうし、奴隷制度無くなるし野良モンスターに構ってられないだろうな。)


そうした事情から周りの村や町に使者を派遣し吸収も視野に入れて話し合いを行う事になったのだ。

それと平行して野良モンスターの情報を集めさせる、魔王と繋がってるのかどうかを調べる為だ。

これはアブドラが主体で調べてくれていた。

だが、外交面で任せられる人物を俺は知っている。

俺はエクレラントの外れにある家に来て扉をノックする。


「ちょっと待ってくださいね。」


暫くして扉が開かれると扉を開けた人物は信じられないという表情で固まっている。


「元ネコ村の長老衆の1人チビだな?トムは一緒じゃないのか?」

「こんな所で話もなんですし・・・どうぞ。」


中に招かれた。

椅子に腰を落ち着けるとこちらが用件を切り出す前に結論を述べられる。


「私はそちらの町へ行く事は無いですよ。」

「そうか・・・だがエクレラントも大きくなってきたので、ぜひこっちに移り住んで欲しいのだが?」

「私は争い事が嫌いでしてな・・・セン殿、貴方は争いを呼び込み過ぎる。」


確かにチビの言う通りだ、ドワーフ、エルフ、帝国と争いを作っているのは俺のせいでもある。


「じゃぁ、何故俺と勝負して出て行こうとしないんだ?」

「・・・それは・・・」

「自然界でも同じだろう?

 ボスになる為には戦わないといけない、自由に振舞う為にもな。

 元長老衆の権威を使って暮らすにもそろそろ限界なんじゃないのか?」

「・・・どうしろと?」

「何でもいい、トラやコテツは俺に挑戦してきたぞ?

 俺が負ければずっとここにも住んでいいし、食い物にも困らないようにしよう。

 だが、俺が勝ったらお前に外交部分を任したい。

 損な勝負じゃないと思うが?」

「確かに私達に有利すぎる内容ですな。・・・それはトムも一緒でもいいので?」

「あぁ2人で挑んでもいいぞ。」

「判りました、近い内に挑戦させてもらいます。」


チビは外交面に優れ、ネコ村で今まで数々の交易を仕切っていた人物だった。

今回居なかったがトムもまたそういう方面に優れている1人であると聞いている。

今までは力押しで何とかしていた事も、国家になるからには外交という手段を用いなければいけない場面も出てくる。

それに、ネコ村に居た人達の中で除け者にされるようなのは作りたくないと考えていた。

なので、足並みを揃える為にも声を掛けたのだった。

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