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六話  「牧場・馬車・旅立ち」

ルルガンって町に着くまで10日の道程。徒歩で1日歩けば、ほぼ安全に野宿

出来る場所が、3日歩けば止まれる宿があると聞く。…野宿は嫌だ。そこで徒歩

以外の方法つまり馬車を購入する事にした。婆から借りたリュックにBMX1台

入れているが3人旅だから使えない。問題は価格だろう。とりあえず馬屋を

覗く事にしたアキラ達である。


「ようこそいらっしゃいませ」

もみ手しながら近付くおっさん。牧場主で馬屋の主と『真理』が表記している


「何々…業突く張りなオヤジ。相手を見て価格を変動。基本的に詐欺師に近い」

アキラは『真理』で読み解いた注意書きを読んでいた。それも本人気付かず声を

出してだ。イキナリ初対面。それも若造の台詞に馬屋のオヤジの笑顔も引きつる


「アハハッ。お連れの方は、中々挨拶早々手厳しい事を言いますな」

3人の中で一番強そう(怒らせたら手が付けられない)なタイプ?リオンに

話掛ける。アキラは気付かず、まだその先を言おうとしていたが、それでは商売

が進まない。主はアキラの声を遮るかのように大声を張り上げた。


「あぁ~!今日はどの様はご用件でしょうか!」

流石にその大声でアキラもオッサンに気付き『注意書き』を読むのを止めた。

「馬と馬車が欲しいんだけど、幾つか見せてくれる?」

「ご予算は如何程で?」

「あ~じゃあ価格毎にお勧めの馬車を見せてよ。馬はその後にしよう」

「サイズ・用途で価格はピンきりで御座いますが…」

「そっか!じゃ~5人位が乗れて旅目的。できれば中で寝泊り出来る様な奴で」

「判りました。でわ!当店で一番高いモノからご紹介しましょう」


内心『チッ!』と舌打ちし面倒臭いと思う主。だが、ソコは商売人グッと堪えて

商品を案内し始めた。

「此方は内装全てに毛皮を使っています。柔かく保温性に優れた「次お願い」」

アキラはオッサンの説明を切り捨て先を急がせた。

「…でわ、こち「あ~ソッチは外見が嫌だパス」」

「…ならば、此方等は如何でしょう?普段は長椅子。夜は高床式となり毛皮を

 敷けば簡易ベットになります。後方に飲み水用の樽も置けます。但し乗り降り

は前方となってしまいます。布製の幌ですので軽く3人様乗車であれば、馬1  頭でも十分に使え経済的です。オプションの品を合わせれば…」

結構長い商品説明になった。今回アキラが途中で止めなかったモノだから、

ついつい店主のオッサンが調子付いて話込んだのだ。


「ぜぇ!ぜぇ!い・如何ですか…中々に、買いの…商品かと思います」

「幾ら?」

「2万$で御座います(ん~大体200万円位か?)」

価格を聞いてリオンの顔を見る。試乗に使う馬だろうか太もも辺りを見つめ

何かに思い耽っていた。…涎が照れているので大体の想像が付く。

タマランは、フサフサと揺れる馬の尻尾にジャレてる。蹴られて死んでしまえ!

「高い!次」

決まったと思った店主。今の説明で精魂尽きたか、御座なりで次の説明をする

「此方は、先程の寄り一回り大きくしたモノですが、少々古く痛みがあります」

「幾ら?」

「此方ですと2000$と言った所でしょうか」

「痛みってどれ位?修理費とかも教えて」

「え~っと」

頭が朦朧とするオッサン。手元の資料を基に頭で計算する

「幌の交換と椅子の補強で1000$。ですが馬車の底板まで換えると1万$

 は掛かりますね」


幌交換と椅子の補強だけなら3000$で合計30万円ってとこだ。

安いとアキラは思う。実は『真理』で修理箇所は見抜いている。底板は店主の

評価より耐久値は高いようで、交換は不要だと思った。

「買った!」

アキラの声で店主のオッサンの顔が渋る。まさか買うとは思わなかったのだろう

急いで金額を吹っ掛け直そうとする。


「お、お客様!すみません此方の手違いで金額が!」

叫ぶオッサン。しかしリオンの感情が読み取れない笑顔と滴り落ちる涎に

ビビって、声を出すのを諦めた。


「ん?金額がどうしたって?」

「いえ、なんでも御座いません。…お支払いはキャッシュでお願いします」

オッサンの精一杯の抵抗だろう。


「それじゃ~次!馬を見ようか」


移動するアキラとリオン。方を落とすオッサン。尻尾にジャレているタマラン。

本当馬に蹴られて死んでしまえ。


リオンが騎乗しても、丈夫そうな葦毛のデカイ奴サラブレットの2倍は在る

だろうか?ばんえい競馬でも十分使えそうだ。この馬なら1頭で十分とリオンの

お墨付きで決まる。価格はリオンの笑顔で9000$平均的な価格らしい。


『真理』の注意書きと違って、意外とマトモな商売するので改めて読むと

最後に『小心者』と書いてあった。リオンと共に来て正解だ。幌交換は3時間

アキラ達は武器屋と食料品店に寄って時間調整をする事にした。


アキラの『真理』お存在を知ったリオン。愛用の大斧がタダの大斧と判って買い

替えを考え出した。そこは武人の端くれタダの食い倒れ野朗では無い

「ん~…これはどうだ?」

アキラが首を横に振る

「ん!此方はどうだ?」

またしてもアキラは横に首を振る

「んん!これならば!「うるせぇ~!欲しいの全部集めてから聞きやがれ」


結局大きな斧刃が付いたハルバートをアキラが指差すし購入しご満悦のリオンだ

取り扱いが難しいとされる武器だが、リオンなら造作もないだろう。


アキラは非力な所を補う為両手でも使えるバスターソードを購入。序にガントレットで手首と腕の防御強化を図る。


タマランは磨きこまれた装飾用の剣の輝きに短い尻尾を振ってジャレて居た。

店内だけど馬に蹴られて死んでしまえ。

偶然クナイみたいな投擲にも使えそうなナイフがあったので一応お馬鹿な子猫用

に数本購入しておく。


軽くて大き目の盾は馬車の左右に取り付ければ少しは補強になるだろう。追加で

6本アキラが購入。まとめてリオンに運ばせる。店主に会計させると、

ひぃ・ふぅ・みぃ…占めて2200$アレ?予想より少し高めの支払い?

ちゃっかりハルバートの価格まで含まれて居る。リオンには当分朝晩の飯は

納豆と豆腐だけにしておこう。

食料品店で野菜やらを1500$分程買い込み今までの出費を計算すると

約3万3千$程が手元に残った様だ。後はルルガンで増やして行くしかない。


買い物を済ませ再び馬屋を訪れるアキラ達。幌の張替えと長椅子の補強は終えて

ある。このオッサン下手な商売するが、作業はキッチリする。序に馬車の側面に

買ってきたためを片側3枚ずつ取り付け完了。荷物を載せ旅の仕度は整った。


少し遅いが朝っぱらからの旅立ちよりは良いだろう。何せこのメンツだ。

襲う奴もそれなりの覚悟が無ければ起こるまい。ルルガン目指してアキラの

異世界嫁探し行脚の一歩がこうして始まった。


六話  「牧場・馬車・旅立ち」  完 

ダラダラと書いてしまいました


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