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四話  「対決・決着・災難」

自分達を付けねらう影。探し求めていた『魔法の巻物』を盗んだ犯人と同一人物

だと当りを付け、捕まえる事にした。お呼び出ないコボルトの出現で罠は失敗

オマケにアキラの弱点が露呈した。『彼の剣は軽い』これは戦い方を知らない

からだ。剣を知り、剣を学べば、自ずと剣先に重みと凄みと力は付く。とリオン

は語った。もう一つ難題が在った。影の動きにアキラが付いて来れない。

作戦上この問題は大きい。そもそも、速い動きにアキラの眼が対応。足止めした

所にリオンの攻撃が炸裂。それが、この作戦・罠の総仕上げだのに…


「どうする?このままだと陽が暮れ闇が訪れるぞ。そうなれば、此方が不利だ」

「そ~だね。俺の目の謎が解けないし、このままじゃ厳しいな」

「出直すか?」


「否!アッチで結構、婆がクタバッてた。扉を守るのはキツイらしい。

 言わなかったけどね。婆って見栄っ張りらしいな。…だから早く魔法を覚える

奴は今日中に捕まえてやる」

「フッ!」

笑いを見せるリオン。それに眼を向けずアキラは考え込む。そして徐にリュック

から『和牛』を取り出し、ヒモを括り付け自分の首に『和牛』をぶら下げた


「な、何をしておる!?」

「んん?仕方ねぇ~から賭けに出るのさ」


「よく見てみろ!お目当ての『和牛』は俺の首にぶら下げた。欲しけりゃ俺を直

 に襲え!1粒で2度美味しいって企画だぜ!欲しけりゃ俺を倒せ!」

突如大声で叫ぶアキラ。相手の動きが見えるかどうか?それでも近付けば、

どうにか対処できると睨んだ彼は賭けを仕掛けた。


「なんと無謀な事を!だが、その心意気気に入った!足を止めろ。

 ワシがきっちり奴を捕らえて見せるぞ!」

「頼りにしてるぜ!」



「…なぁリオン。アンタが…後ろからバサッ!って襲う事は無いよな?」

「何をいきなり!ワシはお前を仲間と思うておるぞ。仲間を裏切る等有得ん」


「そっか安心したよ。でも、その安心度を高める為に悪いけど…その口元から

 垂れている涎を拭いてくれると俺的には嬉しいんだけど」

「むむ。これはどうした事か!」


アキラの言葉にリオンが気付き慌てて口の周りを拭取っていく。

アキラがリオンの動きに眼が向いた時、突然に影が襲い掛かった。


「シマッタ。隙を!」

リオンが叫ぶ。アキラが襲い掛かる影に視線を向ける。

ニヤリと笑うアキラ。と同時に動揺も現す表情を浮かべる。


夕日で影が伸びる頃辺りは赤く染まりだす。傾いた陽の光が眼に差し込み視界が

奪われる。ある意味一番厄介な時間帯かもしれない。影はチャンスを逃さず

一直線にアキラ目掛けて襲い掛かった。


影とアキラが交差する一瞬の出来事。リオンは余の速さで動きに付いて来れない


「ホラよっと!」


影と交差する寸でで、アキラが動いた。正に一瞬の出来事。

避けるアキラは返す片手で影の襟首を捕まえる事に成功したのだ。


「ヨッシャ~ア。今度は見えたぜ!」


勝ち誇って大声を挙げるアキラ。片手を挙げると掌に異様な小ささの影が

ぶら下って居る。彼は動きを捉えガッチリと影を掴んで離さない。




「…リオン。何だコレ?」

「猫?それもまだ、幼い牝猫…だな」


「放せ!放せニャ~!ギンザ~私を助けるのニャ~」

謎の子猫が叫ぶ。やはりアイツが絡んでいたかとリオンとアキラが思う。

警戒を強める2人。そこへ茂みから突如ギンザが現れるが、白旗挙げての登場だ。


「降参!降参するよ!だから襲わないでくれ」

「ギンザ裏切るのは駄目なのニャ~。サッサと私を助けるニャ~」

「五月蝿い!大体俺様騙して何が助けろニャ~だ。おめぇ~はそのまま牢屋にで

 も入ってろ。…旦那!俺ッチは元々敵意なんて無いんだ。許してくれ」


ギンザの言葉に首を傾げるリオンとアキラ。ギンザの話を聞く事にする。


町で袋叩きに在っている所を救った謎の影。姿は見えないが、壁に映る影は言う

「お前の動きは私には敵わないが中々ニャ~ン。お前を倒した男のリュックが

 気になる。盗む手伝いをしたら褒美をやるニャ~ン」

と話を持ち掛けてきた。いつもなら誰かの下に付く等、一匹狼のギンザには

有得ない。

所が壁に移る影は、妖艶で色気のある腰フリでギンザの男心を揺さぶった。


こうして影の女の手下に成り下がった訳だが、つい今しがた間でその真の姿は

ギンザも知らなかった。アキラに捕まり蓋を開ければ、

オシメも取れたか判らないマセタ子猫の牝猫だ。騙されたギンザは怒り心頭で

匙を捨てたと言う訳だ。


「…成程。光の演出で影を伸ばし、この3頭身を7頭身に化けさせたって訳か」

「どうするリオン」

「このままコヤツは木に吊るして置こう。ギンザ見張りを頼めるか?」

「許してくれるなら、何でも言う事聞きますぜぇ」

「でわ、頼む。アキラと共に町へ向い魔術師の館へ巻物を返しに行って来る」


こうしてリオンとアキラは町の術師の下へ、感謝され目的の巻物はプレゼント

された。それでは悪いよとワゴンセールの巻物を買取り再び戻って来るアキラと

リオン。ギンザはちゃんと約束守って見張りをしており序に血の海地獄だった

周囲をそれなりに片付けて居た。中々に気が回る男だ。


「いい加減降ろすニャ~。幼児虐待・虐めニャ~!猫を殺せば7代先まで

 呪われるニャ~!アンタ達にそんな勇気在るニャ~か!?」

「少し黙って居れ!殺しはせぬ。それに警備隊にも引き渡さぬ安心しろ。

 それよりお主の名前を申せ。子猫・牝猫・チビでは話難い」


リオンの言葉で少し落ち着く子猫。観念したと見え小声で話し始めた


「私はタマラン。『女盗賊キャッチーアイ』の愛娘ニャ~。亡きママを超える

 盗賊に成る為、1人大陸を旅する可愛そうな乙女ニャ~」


「あ~悪い!その『キャッチーアイ』も知らねぇ~し、お前の嘘っこの話に

 付き合う気は無いから黙ってろ」

バッサリとタマランの身の上話を切り崩すアキラである。


「血も涙も無い連中ニャ~」

「あんまり五月蝿いと木から降ろさねぇ~ぞ」


冷めたアキラの声に縮み上がるタマラン呻き声を漏らしながら口を閉じる


「なぁ~リオン。疑問なんだけど、なんでコイツを警備隊へ引き渡さないんだ?」


「ワシに考えがある。…それより…腹が減らぬか?」


いや~さっきステーキ喰ったじゃんと思ったアキラだが、自分とギンザそれに

木にぶら下がったタマランの腹の虫が三重奏を奏でるので、倒れていたBQ

セットを直しに掛かる。結局リオンが4割。木から降ろされたタマランと

ギンザが2割半。アキラが1割の比率で新たに出した『和牛』を食して今夜は

眠りに就いた。

バタバタとした一日が終わりを告げる。アキラはその日初めて野宿を経験する。


バチンッ!あぁ~蚊が五月蝿ぇ~。野宿は二度としないと聞けたアキラである。


四話  「対決・決着・災難」  完

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