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十一話  [会議・対策・仕組み」

十一話です

三兄弟と和解した後、フローラを連れて防具屋に向った。彼女に向けられる

視線を少しでも緩和する為だ。『赤羽のコート』小型の翼竜の羽を使った軽めの

ロングコート。耐突効果が見込める翼竜の羽がふんだんに用いられたコートだ。

これなら後ろからの視線を防げる。但し真っ赤な色のコートは全身黒のエナメル調のフローラには、更に女王度が増す事に…仕方が無い。5千$もしたけど、

悪い虫が近寄るよりはマシだ。迷わずアキラは購入した。


それから数日が過ぎた頃。


三兄弟が苦戦したダンジョン攻略でアキラとフローラの成長を図る事に決まった

そこで、定宿『陽だまり』の食堂で作戦会議だ。司会はアキラで始まる


「じゃボル達の話を纏めるぞ。敵の数は約50体以上。主に魔法攻撃、特に

 火の魔法がメインで仕掛けてくる。装備は革鎧が殆ど。厄介なのが

10名近くの盾持ちの奴等だ。盾で壁を作り火の魔法で一気に焼き払う。

コレが敵の戦法。ここまでは、皆理解したな」


皆の顔を確認するアキラ

「それに対して、どう攻める?誰か案は在るか?」


「火を恐れず盾を崩せば良い。男は力で進むべし」

とリオンが放った。否半分は女の子だし、火は熱いし酷い場合は火傷するぞ。

お前さんの自慢の鬣なんてあっという間に燃え尽されるぜぇ。


「魔法が発動する前に倒すニャ!。斬って!斬って!切倒すニャ!」

いや~相手もそれを考えて盾で壁作ってるし…


「遠距離から弓や、こちらも魔法攻撃が宜しいと思います」

うん。うん。フローラ君は利口な娘だよ。


「…他に何か案は無い?」

「男は恐れず進むべし!」「素早い動きで斬り付けるニャ~」

お前等少し黙ってろ。


「弓は在るとして、魔法だけど、コレはどんな事が考えられる?」


「一番確実なのは、火に対抗できる魔法を覚える。もしくは学んでいる方を

 味方にする。でしょうか?」

うん。うん。フローラ良いよ。でも!もうちょっと自分の意見に自信を持とうね


「火の魔法に対抗する魔法って、やっぱり水か?それを学ぶって事は魔法の巻物

 を読み解くで良いのかな?」


「水を頭からドンドン被って押し進むべし!」「火を避ける速さで斬るニャ~」

「・・・」


「水もしくは魔法自体を中断する手も在ります。五元素魔法は初期魔法しか

 巻物は無い筈です。初期魔法で相手に対抗できるでしょうか?」


「えっ?何だって?五元素?何だいそれは?」


「むっ。アキラはそんな事も知らぬのか。まったくお主と来たら…」

「馬鹿ニャ~生まれたての子猫でも知ってる事なのニャ~」

…お前等…五月蝿い。


「五元素とは、世界にある全ての源です。火・水・風・雷・土の五つです。

 火は水に、水は風に、風は雷に、雷は土に、土は火に弱いと言われています

これ等を基準に相手の魔法に優位な魔法を使う事が魔術師の基本と言われます

ですが、あくまでも基本です。たとえ相手が火の魔法であっても上位の土魔法

なら打ち勝つ事が出来ると言われています。ただ…実践する方はあまり居無い

様ですが、それでも魔法の威力は上位魔法に勝るものは無いでしょう」


ハイ。ありがとう。大変判り易く理解できました。


「何だかんだと言ってアキラは脳筋だからな~」

「お馬鹿な男ニャ~。私が子を宿すと言ってるのに奴隷を買うとか変ニャ~」

…決定お前等今夜飯抜き。朝まで水でも飲んでろ!


「う~んって事は水魔法を覚えても相手の火の魔法が上位なら効かないって事か

 …となると、魔法詠唱を止めるか、水の上位魔法を習得してる人を仲間に

加えるしか無いか」


「詠唱を止める手立ては?」

「それですと、麻痺・沈黙でしょうか?それと、石化もあります。そのどちらも

 魔法の巻物は在ります。他に矢や刃先にソレ等の作用が起こる薬品を付け

打ち込む手も在ります」


「なるほどね。…あれ?それじゃ何で三兄弟はそれをしなかったんだ?

 詠唱を止める手が有効なら奴等だって使えば良いんじゃね?」


「アヤツ等はワシが戦いを仕込み直したからな。勇敢に敵に立ち向かうのだ」


…成程、リオンの教育の賜で奴等は三人とも打撃に走ったのね。考えれば、

武器はあのグローブだけっぽいし。


「あぁ~それでもやっぱり変だよ。三兄弟が負けても他のPTなら、

 対策打てるじゃないか?冒険者の中に魔術師だっているだろ?」


「ああ見えて奴等はこの町ではTOPに部類する冒険者だからな。

 おいそれと自分が討つ!と言うツワモノが出て来なかったのだろう」


…この世界、脳筋野郎とチキンしか居無いのか?


「それじゃ対策として、付与付き装備を揃える。高等魔術師を探す。ッて事で

 纏めるぞ。俺は武器屋を覗いてくる。フローラは道具屋で薬品を探してくれ

残りは…寝てろ」


「うむ。今日も天気が良いからの」「暖かポカポカニャ~」


「アキラ様。付与付き武具は高いと聞きます。それに数も余出回ってないかと」


「えっ!そうなの?じゃ~その付与付き武器はどうやって作るの?」


「鍛冶師それも熟練者と聞きます。後、魔術師にも付与が得意な方が別に居ると

 聞きます。…数が少ないとも聞きます」


フローラの話を聞いて考えるアキラ、ここで以前ギンザに魔法を覚えさせた事を

思い出す。


「それじゃ、まずは魔術師の館覗いてみるか。フローラ君も付いておいで」



ルルガンの町の魔術師の館。この町に落ち着いて数日が過ぎていたが訪れたのは

初めてである。ドアを潜り中に入るアキラとフローラ。


「あ~やっぱりそうだ」

店内を見て回ったアキラが呟く。同じ魔法の巻物でも違いがある事に彼は気付く

巻物には取り説の他に注意書きが在った。だが、この注意書きが曲者だ。

単に魔法が使える。とは、別に条件が幾つか書いてある。例えば回数制限が

設けてある物。○○季節限定。男性は1度きり。等だ。得意・不得意は偶然この

注意書きがユルイ巻物を選んだ結果ではないかとアキラは考えた。

(もう少し魔法の習得について調べる価値が在りそうだな)

試にフローラに見せるが彼女には、注意書きが見えて居無い。

…多分魔術師も同じだろう。どちらの巻物も同額の値札が付いていたからだ。

これも『真理』の成せる業なんだと改めて思う。


「コレとコレとソレ下さい」

当然アキラは注意書きに『習得・条件なし』と記載された巻物を購入する。

次にヴァシムの店に寄った


「アキラ様ここは!…」

「うん。ちょっと俺に考えがあるんだ。君は辛いなら…宿に帰るかい?」

「いえ、付いて参ります」


フローラの件で迷惑を掛けたヴァシムの店。その後『ストマック亭』に招待した

ので、彼とは懇意の関係を結んで居る。


「これはアキラ様。それにフローラ嬢。…まさか?」


「いやいや!変な勘違いは辞めてよね。誰が頼んでも彼女は手放さないよ」


「あははっ。ソレを聞いて安心しました。それでどんな御用でしょうか?」


「えっとね希望するのは、高位魔術が使える女性と鍛冶師の女性を探してます

 2人居ればOKなんだけどな。お勧めな方居ます?」


高校生男子が風俗に通うより重悪な行為をしている訳だが、フローラの件も

そうだが、無理やり襲う事さえしなければ、逆に人助けをしていると思えば

(打算は十分に在るけれど)

アキラも少しは罪悪感が下がる。上手く行けば、更なる嫁候補も見つかる

だけで無く、生まれる子やその子孫達にも有益な道を残せるとアキラは考えた

からだ。フローラが言う付与付き武器が高価で希少なら、残せば良い。

生まれてくる子供達に持たせれば、扉の警護も楽になる。と思っていたのだ。


「そうですね…1人若く、見た目も良い高位魔術を使える者が居りますが…」

なんとも歯切れの悪い言い方をするヴァシムである。


「何か問題あるの?」

「はい。相手が主を自ら決める。事です」


考えて見れば、前回訪れた時には碌々話も聞かず見て回る事もしていない。

条件を付けた奴隷も居るんだと、アキラは軽い気持ちで彼の言葉を受け止める


「そんな!でわ、お話の女性とは…」


ヴァシムの言葉に驚いた反応を示すフローラ。一体彼はどんな奴隷をアキラに

持ち掛けたのだろう



十一話  「会議・対策・仕組み」  完

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