旦那様と妻
私の旦那さまは、可愛いのです。
普段、毅然としていて、かっこいいのですよ。
背中が大きくて優しい、頼りになる男って感じなのです。
でも、手を握ると、恥ずかしそうにしながら握り返してくれるのです。
膝枕をすると、やわらかい顔を見せてくれるのです
いい子いい子すると、子供じゃないんだからと言いながらも、微笑んでくれるのです。
だから私の旦那様は可愛いのですよ。
妻には感謝してもしきれない。
私は、あまり愛想のある方じゃない。
口数も少なくて、強面だ。
不器用だから、伝えたいことも上手く伝えられない。
そんな私に向かって、妻はにむかって微笑んでくれる。
隣で手を握ってくれる。
この人は優しいのだと伝えてくれる。
一人だったら、怖がられてただろう、孤立してただろう。
でも、妻がいたから私は怖がられず、孤立せず、人の縁に恵まれた。
だから私は妻に感謝している
―――なあ、●●―――
―――なんですか、旦那様―――
―――私でよかったのか―――
―――旦那様じゃないと、嫌ですよ―――
―――旦那様、そのままでいいですから、聞いてくれませんか―――
―――私は、旦那様が好きなのですよ―――
―――かっこよくて、可愛くて、不器用で、優しい旦那様だから―――
―――私は愛してるのですよ、旦那様―――
―――私は、私はな。いつも怖がられていた―――
―――感謝されなくてもいい、私が助けたいだけだと思ってたが―――
―――実は寂しかった、悲しかった―――
―――そんなとき、お前に出会って、ありがとうって、微笑みながら感謝された―――
―――それに、私は救われたんだ―――
―――ありがとう、●●――
―――私も愛してる―――
―――おやすみなさい、旦那様。また明日―――
―――また明日だ、●●―――