表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/91

序章2

〜第1幕.遠い遠い空の下〜




「……」




 少女は少年の問いには答えぬまま微笑むと、眩しそうに眺めながら、馬上に向かって小さな包みを手渡した。


 少年が薄い紙で包んであるそれを開けると、少女の瞳と同色の石が先端に取り付けられているペンダントが顔を出す。

 淡くほのかな藍の光が、静かに灯っていた。


 金髪をふわりと揺らして、少年はそれを首にかける。

 空の青のような瞳が海の青に染まって、再び、空の青へと。






「危なっかしいんだから、道中気をつけて」


「アディ…ありがと」


「……お土産には向こうでの話をお願い。リオのドジ話をたくさん期待してるから」









 …笑い声が、響いて。


 嘶きと、走り去る音。

 踵を返し、集落の中へと歩む、微かな足音。


 二つの音が左右に分かれて消えていく。







 旅立ちを祝うかのような快晴の空に、時を追う毎に一つ、二つ、雲が浮かび始めて。


 数刻後、それは空一面を覆い尽くしていた。








 ―序章第1幕・終―


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ