自己紹介と先輩方
私は部活探し部に無理やり入れられて新入部員になってしまった。
あの後とりあえず頭の整理が要るとかですぐに帰らされた。
私は家に帰って自分の部屋に閉じこもりパジャマに着替え色々考えた。
しかしなぜか入っても良いかなということしか思わなかった。
「なんかそこまで嫌でもなかったかな……」
別に私は積極性のある人は嫌いでは無いからなのだろうか。
そうこう考えているうちにおなかがすいたので居間に行くことにした。
居間へ降りると父と兄がソファーに座ってテレビを見ていた。
すると兄がこちらに気づき私を呼んだ。
「千佳お兄ちゃんの横へお座り」
うわっ……キモいんだけど。
「う、うん……遠慮しておく。もうそんな年じゃないから」
苦笑いを浮かべてきっぱりと断っておく。
すると兄は隣に居た父に泣きながら言った。
「父さん!千佳が反抗期を迎えちゃった!どうしよう!昔は良くお兄ちゃん大好きとか言ってたのに!」
あ……今のはさすがにイラッと来た。
すると父は顔色変えずビールを飲み「あそう」と流した。
さすがにもうちょい真剣に聞いてあげようよお父さん(爆)
今の父の一言でさっきの怒りが消えて言った。
適当に夕ご飯を済ませて自分の部屋に戻った。
自分の部屋で机に向かいPCの電源を付ける。
そうして横にあったヘッドフォンを取り音楽を聴く。
1日でこの時間が一番落ち着いていられるひと時だった。
数時間後……
外はすっかり暗くなっており色々あって疲れたのでもう寝ることにした。
▼ ▼ ▼
1週間後……
今日が入部届け締め切りの日であり新入部員達が初めて部活に参加する日でもあった。
そうして放課後……
私は1-C教室の前に来ていた。
部活の教室がここなのは合っているはずだが緊張してなかなかドアが開けられない。
気持ちを落ち着かせるため大きく深呼吸をしてドアに手をかけ勢い良く開ける。
中には4人とあの眼鏡の男の人が教卓の前にいてそのほかに見たことの無い顔の女の子が居た。
「おお!良く来てくれたね!適当な席に座ってくれ。今から始めるから」
そう言われて教室の席と同じ席に着く。
「え~新入部員の皆さんようこそ部活探し部へ!私たちはあなた達を大いに歓迎するとともに様々なことに一緒に取り組む友としての活躍を期待しています」
そう言うと一例をしたあと拍手を送る。
「とまあ堅苦しい挨拶はこのくらいにしてそれじゃあ自己紹介いってみよ~う!」
なんかテンションが異様なほど高い気が……。
「まずは僕から。この部活の部長で3年の石沢菊だ。長所はいつでもテンションが高いこと。以上!はい次!」
すると端に座っていた長身な黒髪でつんつんした髪型が特徴っぽい人が立った。
なんか物静かそうな人だった。
「副部長、2年の藤崎勇矢です。趣味は読書です。よろしくお願いします」
あれ?あの人の顔どこかで……?
「はいおっけー。次」
次に私と同じくらいの身長のショートカットの黒髪の女の子が立った。
「はいっ!私は宇佐美瀬良2年生です!得意なことは特にありません」
かわいいんだけどなんか先輩で言っちゃ悪いけど……バカっぽいオーラが出てる気が……。
「よし次!」
とこんな風に自己紹介をしていった。
他には2年生のチャラそうな金髪の福田亮先輩、黒髪のロングヘアーの頭の良さそうな佐々木みのり(ささきみのり)先輩が自己紹介を終えた。
「それじゃあ新入部員の2人いってみよう!」
そう言われるとカチューシャをした薄青い髪のロングヘアーの子が自己紹介をした。
「私は桜義香奈です。趣味はインターネットです。よろしくお願いします」
「よろしくね香奈さん。それじゃあ最後!」
みんなの目線が私に向けられる。
私はゆっくり立ち上がった。
「私は瀧巾千佳です。趣味は音楽を聴くことです。よろしくお願いします!」
そう言って椅子に座った。
「はい。こちらこそよろしくね千佳さん。それじゃあここにいる全員自己紹介は終わったね。それじゃあこの部活の活動について説明するね。この部活では特に何をやるかは決まっていないんだ。だから放課後はほとんど自由。だけどたまに何かをするときもあるから。ということで説明は以上。今日はこれで解散かな」
そう言うと菊先輩と勇矢先輩以外の先輩方は机を立ち私と香奈ちゃんの所に駆け寄ってきた。
「千佳ちゃんあなた本当に入ってよかったの?あの時は困ったような顔していたけれど」
心配そうにみのり先輩が尋ねてきた。
「別に何にはいるかなんて決めてなかったので大丈夫です」
「そう、それならいいんだけど」
すると亮先輩がこんな提案をした。
「よ~しそれじゃあ新入部員の歓迎会をやろうぜ!もちろんみんな参加な!場所はいつものとこな!」
亮先輩はそう言うと教室を出て行ってしまった。
「それじゃあ私たちも行きましょう。案内してあげるわ」
そう言ってみんなみのり先輩について行った。
まずみんな優しそうな先輩でよかった。
そう思いながら私も先輩達の後を追い教室を出た……