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合宿終了と記念の一枚

私は温泉上がりに浴衣に着替えて部屋に戻ってきた。

その数分後にみんなが戻ってきた。

「あ、お帰りなさ~い」

「千佳ちゃんはなんでみんなより少し早くあがっちゃったの?」

宇佐美先輩が不機嫌そうに頬を膨らませて聞いてきた。

いや、原因はあなたですからね……。

するとノックが聞こえた。

「石沢だけど少しいいかい?」

ドア越しに石沢先輩の声が聞こえた。

「どうぞ~」

みのり先輩が笑顔で答える。

「それじゃあ、お邪魔します」

石沢先輩が入ってきてみんな居ることを確認するとうなずいた。

「よし!みんなそろってるね!それじゃあみんな!今から卓球大会を開催しま~す!」

「た、卓球大会……それってお約束だからですか?」

「もちろんだよ!それじゃあ待ってるからね!」

そういって足早に部屋を出て行った。

   ▼   ▼   ▼

石沢先輩に言われた通りに卓球台のあるところにいくとすでに石沢先輩たちがラケットを準備して待っていた。

「みんな来たね!それじゃあはじめようか!」

するとラケットをマイク代わりにして福田先輩が開催宣言をした。

「これから!第74回、弾けろ!男女混合卓球プロフェッショナル大会を開催しま~す!」

な、長い……あと第74回!?いや絶対そんなにやってないでしょ!?

「それじゃあ早速始めましょう!第一回戦!赤コーナー!うさぎの中の暴君!宇佐美瀬良~!」

うさぎの中の暴君ってどういうこと!?

すると「うっしゃあ!」と得意げにラケットをぶんぶん振り回しながら登場した。

「青コーナー!魅惑のブルーヘアー!桜義香奈~!」

すると香奈ちゃんも結構やる気なのか準備体操をしていた。

あれ?卓球って準備体操っているの?

「それでは……スタートっ!」

「たとえ先輩でも遠慮はしませんよ!」

始めは香奈ちゃんが剛速球と言っても過言ではない玉を打った。

いきなりスマッシュなの~!?しかもめっちゃ上手いし!

「ふっ……そんな程度か……」

宇佐美先輩が余裕な態度でラケットを構えた。

「そんな玉止まって見えるわ~!」

宇佐美先輩のラケットに力が溜まっている用に見えた。

「えいっ!」

そうして思いっきりラケットを振る。

それはもう見事なフォームを保って空を切った。

「……」

場がいっせいに静まり返る。

「……てへぺろ」

「「ぶぁはははははははははは!」」

石沢先輩と福田先輩が壮大に吹き出して地面をバンバン叩いて転がり回っていた。

「ち、ちょっと~!!そんなに笑うこと無いじゃない!!」

宇佐美先輩がほっぺを膨らませて涙目で怒った。

「悪い悪い……だってまさかの空振りだとは思わなかったもんで……」

まだ石沢先輩は「はぁ……はぁ……」と息を切らせていた。

「それじゃあ気を取り直していこー!」

とりあえず石沢先輩の一言で試合再会。

その後……皆さんの予想通り宇佐美先輩は空振りを連発して撃沈されるのであった……。

宇佐美先輩が空振りするたびに石沢先輩と福田先輩は顔をそらして必死に笑いを堪えていた。

   ▼   ▼   ▼

それで結果を言うと宇佐美先輩VS香奈ちゃん、結果香奈ちゃん圧勝。

続いてみのり先輩VS福田先輩、結果ギリギリで福田先輩の勝利。

次に藤崎先輩VS淳先輩、(兄弟対決)結果藤崎先輩が試合放棄で淳先輩の勝利。

そして第四回戦、私VS石沢先輩。

「い、いきなり石沢先輩とですか……」

すると眼鏡の位置を直して「ふふふ……」と笑った。

「では、見せてあげよう!この部の部長の僕の実力を!!」

「レディー……ファイッ!」

そうして福田先輩の言葉で試合が始まった。

最初は石沢先輩のサーブから始まった。

「りんごっ!」と言って打ってきた。

「え……り、りんご!?え、え~と……ごま!」

そう言って玉を打ち返す。

しりとりに気を取られたらしく玉はゆっくりとしたスピードで石沢先輩の元へと跳ね返った。

「かかったな!満月になるのはいつでしょうか!?」

そう言って思いっきり打ち返してきた。

「今日」

そういってコンと普通に返す。

「そうだったのか~!!」

石沢先輩が卓球台に撃沈した。

「もしかして石沢先輩分からないで出したんですか!?」

すると卓球台に顔をくっつけながらも笑いながら「ああ……」と素直に白状した。

「もう、俺の負けだ……いい勝負だったよ……」

自分で降参しちゃったよ……しかもまだリレーが2回しか続いてないんですけど!

するとみんなは「うおおおおお」となぜか歓声が沸いた。

そうしてそのまま部長を倒したからと言う理由で優勝してしまった。

「おめでとー」

周りから言われてもそこまで実感が沸かなかった。

そうしてゴールデンウィークのキャンプ合宿が終わった……。

   ▼   ▼   ▼

翌日朝早くに起きて朝一番の電車で街へと帰った。

「いや~楽しかったね~」

宇佐美先輩が満足そうに言う。

「そういえば何か大切な目的を忘れていませんか?」

みのり先輩の一言でみんなが一斉に考え込んだ。

「……まあ忘れるようなことだからそこまで重要じゃないんじゃないかな?」

みんなが「そうだね~」と言って再びキャンプ合宿の事について語り始めた。

私は一人でぼんやりと外の風景を眺めていた。

すると横に淳先輩が来て話しかけてきた。

「千佳ちゃんはどうだった?キャンプ合宿」

「楽しかったですよ。ただ……」

「ただ?」

淳先輩が顔を覗き込んできた。

「みんなともっと仲を深めれた気がします!」

「そうか……それは良かった」

私が笑うと淳先輩も笑ってくれた。

そうしてようやく駅に着いた。

すると石沢先輩が手を叩いて提案をした。

「そうだ!みんなで記念写真を撮ろう!」

みんなで駅の入り口へ行きそこで石沢先輩が三脚をセットしてカメラのタイマーをセットした。

「それじゃあいくよ~!」

そう言って石沢先輩が走ってくるが途中段差につまずいたがみんなに支えられ転倒をまぬがれた。

その途中にカメラがカシャッとなった。

その写真は石沢先輩が倒れそうになってみんなが笑っていたり驚いたりして記念写真などに良くあるようないい一枚になった……

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