1/6
第1話 ステータス最弱、なのにバグ?
目を覚ますと、そこは草原だった。
空はやけに青く、空気が澄んでいる。
そして、目の前に 半透明の画面 が浮かんでいた。
【ステータス】
名前:ミオ
レベル:1
職業:なし
HP:10
MP:0
攻撃力:1
防御力:1
スキル:
・観察(???)
・共感(???)
⸻
「……え、弱すぎない?」
スマホゲームなら即リセマラ案件。
なのに、画面の端に赤文字が点滅していた。
【警告】
このスキルは“世界の仕様外”です
その瞬間、背後から低い唸り声。
振り返ると、巨大な狼――レッドファング。
「無理無理無理!!」
逃げようとした瞬間、頭の中に“声”が流れ込んできた。
――怖い
――飢えてる
――仲間を失った
「……この子、戦いたくない?」
気づいた時には、私は狼と目を合わせていた。
「大丈夫。奪わない。傷つけない」
すると――
【スキル発動】
《共感》が対象の敵意を無効化しました
狼は、静かにその場に伏せた。
「え……?」
次の瞬間、世界が震えた。
⸻
【世界アナウンス】
仕様外スキルを確認
管理者権限、監視を開始します
⸻
最弱ステータス。
武器なし。
チート魔法もない。
だけど私は――
この世界の“感情”を理解できる唯一の存在だった。
その瞬間、
どこかで“私を見ている誰か”がいる気がした。




