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引き受けて頂けるのですね!

身分を隠したり偽るのは、テンプレですよね。

 

 生き残っていた2人が落ち着いた所で、着替えをお願いして、その間に盗賊ど……まあ、盗賊共で良いか。

 それらを拘束し、来世の片道切符を渡した連中から順に、何時もの剥ぎ取りを済ますと、ゴーレム作製で出来た穴にゴーレムが盗賊共を放り込んで焼却して処理した。


 無事だった馬車の中に着替えに行って30分後に馬車から出てきた。


「危ない所を助けて頂いてありがとうございます。私の名は『ターニャ=テグレマル』と言います」

「ターニャお嬢様の危ない所を助けて頂いてありがとうございます。私の名は『サフナ』と言います」


 ミドルネームが無いという事は、貴族令嬢ではなく商会の令嬢か。


「それで何故、こんな寂しい副街道に?」

「実は……」


 彼女が話した内容を確認する前に、既にアジトを聞き出したキサラ、サクナ、シャナが向かっている。

 この場に居るのは、俺、リン、ユーリ、リアン、アリアだ。


 そして内容だが、とある事情で急いでいて、近道となると聞いて、この副街道を通過していると、先程の盗賊共に襲われたみたいだ。


 ……まあ、命の恩人とはいえ、他人である冒険者に真実を話す訳が無いよな。


 とりあえず、メイドのサフナは馬車の御者は出来るが、護衛無しの旅は出来ない為に、我が領地イクスリアに寄る事になった。

 勿論、キサラ達が帰ってくるのを待ってからだ。

 因みに、囚われた人達は居なかったみたいだが、あの盗賊共が、例の傭兵崩れだったのは笑える誤算だ。


 我が領主館から出た討伐報酬を、領主である俺が頂くというマッチポンプが発生して、担当のブランも白けていた。


「貴方が受け取るのですか?」

「偶然だよ」

「そうでしょうね。偶然以外なら、恥知らずにも限度があります」


 理由が分からないターニャとサフナは首を傾げていたよ。


 そして、ブランから報酬を受け取ると、サフナから話が有ると持ち掛けた。


 ……冒険者ギルドの1階の会議室を借りて、サフナからの話を聞いた。


「貴方達に護衛をお願いしたいと思います」

「何故だ?」

「先程の戦闘を見ていましたが、あれ程の凄まじい戦闘にも関わらず、余力を充分に残していた様に見受けました。

 それ程の強さなら、私達の護衛をして頂けたら旅の安全は保障されたと思っています」

「なる程な」

「引き受けて頂けるのですね!」

「引き受けても良いが、真実を話して貰うぞ?」

「……分かっています」

「ターニャお嬢様!?」

「サフナ」

「畏まりました、ターニャお嬢様」

「真実をお話しします」


 話の内容だが、先ず、このターニャお嬢様は、商会の令嬢ではなく、南東の隣国「フィリシーナ」の王女だった。

 だったら、王女の護衛が盗賊共に全滅とはどういう事だ、と思っていたら、その傭兵崩れの盗賊共が同じ国の騎士だった。


「道理で、亡くなった護衛に対して1人1人に冥福を祈る言葉を掛け、形見を回収して丁寧に埋葬をしていた訳だ」

「……はい。不思議に思われたでしょうが、そういう訳です」


 それで、その王女様が何故、自分の国から出ていたかというと、王位継承者争いで、父親である国王には既に、後継者を抑える権力ちからも無く、負けが濃厚なターニャ王女は逃げ出した訳だ。

 因みに、ターニャの母親は、それ程地位が高くない為に、国王を父親に持つ以外は、中堅商会の令嬢ぐらいの生活水準だったらしい。

 敵対した王族が王位を継承すれば、良くて永久幽閉か、普通に「公式発表で病死」として、服毒に因る死刑になるのが分かっていたからこその脱走らしい。

 それに、悪ければ国が飼う「娼婦」にされていただろうしな。

 そして、自分の国を脱走までして向かった目的地は、ターニャの母親の生まれ故郷であるフィリシーナから見て東隣の国「ベイノナム」だ。

 そして、向こうの目を誤魔化し足を遅らせる為に、この国シャイニングランドの我が領地に寄り道したみたいだが、何処からか情報が漏れていて先廻りされた上に、アリバイ工作までされていた。


「仲間と相談したい」

「どうぞ」


 そう言って、会議室の隅で相談するが、リン達がダンモンな為に、返答は「シン様の判断に従います」で、アリアも同意見だった。


 ……まあ、良いか。


「その依頼、受けよう」

「「ありがとうございます!」」


 この後、正式な手続きをすると痕跡が残る為に個人で依頼を受ける事になり冒険者ギルドを後にして、俺が勧める宿屋を紹介した。


 ……従業員全て、ダンモンですが、何か?


「……手入れの行き届いた良い宿屋ですね」

「本当にそうですね、ターニャお嬢様」

「オーナーの道楽だからな」

「そうなのですか?」

「ああ」


 時間的には、昼食の時間だったから、部屋に荷物を置いて一緒に食事しようとなった。

 そして、2階に上がる2人を見送り、食堂で待っていると、サフナが凄い勢いで降りて来て、俺の胸ぐらを掴み前後にシェイクしながら言った。


「ベッドシーツがシルクスパイダーの糸で編んであったんですけど!

 宿の料金と釣り合わないわ!

 どういう事? 言いなさいよ!」

「ちょっ……サフナ」

「ほら、言いなさい!」


 残像が残る程、前後にシェイクされたら話せないんだが……


「落ち着きなさい!」

「……あ! 失礼しました」


 シェイクから解放された俺は言った。


「だから、言っただろ。この宿屋はオーナーの道楽だと」

「確かに言っていましたが……」

「そういう事だから、気にするな。

 宿屋を出る時に、別料金とか言って請求する事は無いから」

「……分かりました」


 そう言って2人はまた2階の部屋に行き、約20分後に降りて来て昼食を一緒にした。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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