そんなものは要りません!
主人公、善人じゃないし……
リン達にマレナの家族を任せ、最後の1人の牢屋に移動した。
「まだ命が! 完全回復に全異常状態解除! どうだ?」
「……! あれ、痛くない? 私、まだ生きてる!?」
「自分が誰か分かるか?」
「あ、はい。私は月見里 花です」
……またか!
多分転生者だろうが、多少の記憶とかの混濁が見られるな。
何故なら、この会話を異世界の言語で話しているからな。
とりあえずは……
「最後の記憶は?」
「え、貴方は誰!?」
「良いから! 最後の記憶は?」
「は、はい。部活帰りに横断歩道を渡っている最中に信号無視したフェラーリに轢かれて……」
……ダンプじゃないんだ?
「あの、此処は何処ですか? フェラーリに轢かれて凄く痛かった。その痛みが無いなら、意識不明の間に怪我は治療されて目が覚めたと思うんですけど、病院じゃないし、自宅でも無いし、この部屋ですけど臭いし汚いし……此処は何処ですか!」
「異世界転生だ」
「異世界転生?」
「そうだ」
「異世界転生って、死んだら別の世界で生まれ代わるアレですか!?」
「ああ。それでどうする?」
此処で選択肢を出そうか。
「どうするとは?」
「1つ目は、此処に残り、拷問と違法な薬を使った人体実験の毎日を受ける。
2つ目は、此処から出るまでは俺の助けを受けて出た時から自己責任で自由を得る。
3つ目は、俺の奴隷となり、最低限の衣食住を保障された毎日を送る。
……さあ、好きなのを選べ!」
彼女は、正解に辿り着くかな?
「……1つ目は、兎に角、絶対にイヤよ!
2つ目は、一見すると良さそうだけど、自己責任という事は、社会保障的な法律が無い可能性が高い。残りは3つ目……」
「第4の選択肢としては、此処に残り、この建物の最高権力者を籠絡する、という方法があるが、さて『妲○』や『クレ○パトラ』は、幸せな人生を送れたかな?」
「……その名前を知っているという事は、貴方も?」
「ああ。元日本人だ」
「貴方のお薦めは?」
「3つ目だな」
「理由は?」
「自分が手に入れた『物』は大切にする主義だ。後、クーリングオフが出来ないから言うが、俺は善人でもお人好しでもない。周りからは『外道』とか『卑劣』とか言われている」
さて、返答は如何に?
「……3つ目で」
「良いのか?」
「今、思い出せる記憶の中に、幸せな記憶は無いのよ。前世も含めてね。
それなら、まだ衣食住が保障された生活を送りたいわ。勿論、最低限の文化的生活を保障してくれるわよね?」
「この世界の基準を遵守な」
「……分かったわ。少し不安は残るけど、貴方の奴隷になるわ」
「本当に良いんだな?」
「覚悟は決まったわ」
「分かった」
俺の奴隷となった「ラナン」は、帰って来たサクナに護衛を頼み彼女を送って貰った。
その間に、俺達はランジュの母親を探した。
空が白ける頃にやっと見付けたランジュの母親は、隠す様に建てられていた離宮に軟禁させられ、まあまあ良いベッドで寝ていた。
……とりあえず確認だな。
「ランジュの母親だな?」
「誰!?」
「騒ぐな! 死にたいのか?」
「それで、あの娘が自由になるのなら、どうぞ殺してください」
「単刀直入に聞こう。お前にとってランジュとは?」
「自分の命より大切な『宝物』です!」
「それなら、それ以外は捨てれるか?」
「勿論です!」
「国王の愛人の地位は?」
「そんなものは要りません!」
「お前の父母や家族は?」
「私には、ランジュしかいません!」
……良い返答だな。
「分かった。全異常状態解除! 完全回復! どうだ?」
「……ありがとうございます。いつも身体に付きまとう疲労感や倦怠感が無くなりました」
「さて、此処から脱出するが、持っていきたい物は有るか?」
「は、はい。有ります!」
途中で、俺の「倉庫」を知り彼女「リンジュ」は遠慮が無くなり、母娘の全ての私物を持っていく事になった。
そして、俺達と要救助者は国外脱出に成功した。
因みに、ダンモンを送り、その後を調査させたら、宰相が裏歴史の「薬」を使う事を止めた為に国王は運良く正気になり、記憶を失っていなかった国王は、表向きは「病死」や「事故死」扱いで、宰相や家族に親戚関係全てを処刑し、行方不明になったリンジュとランジュの捜索を密かに始めたらしい。
因みに、国王の弟「ビアマーク」は完全に無関係の巻き込まれだったらしい。
……別に俺は、正義のヒーローじゃないから、他国の世直しなんかする訳無いだろ。
???side
「誰かは知らないが、彼女がこのまま『籠の鳥』にならなくて良かった。
……さようなら、リンジュ」
シンside
我がダンジョンに帰った俺は、マレナの家族は、難民用の階層の責任者の立場を与えてDPで建てた男爵級の屋敷に住んで貰う。
勿論、執事や侍女やメイドはダンモンだけどな。
「喜べ、マレナ」
「プハッ! 何?」
「お前の家族やランジュの母親を助け出してやったぞ」
「本当ですか!」
「どうした、口が動いてないぞ」
「……ング」
「ランジュとの同居させる代わりに、お前には別の個室を与える。次に、お前の家族には、適当に仕事を与えているが、お前からの面会の許可は与えない。まあ、一度だけ会わせてやるが、余計な事を言うなよ。
翌日に、モンスターに食われた家族と面会したくなければな……出るぞ、飲み干せ!」
「……ングング」
「それと、お前が心が折れても安心しろ。
お前の後釜が居るからな。お前の妹も良い顔と身体をしているな」
「なっ!?」
「どうした? 何時もの姿勢になれ」
「……貴様!」
「良いぞ! もっとだ! もっと俺を憎め!」
「貴さ……あ、あ! あぁー!」
マレナの家族side
「マレナはどうしているかなぁ?」
「お姉ちゃんの事だから、今もランジュ様の侍女を一生懸命じゃないかな」
「そうでしょうね。あの子は頑張り屋さんだから」
「そうだな。あの人が、近々会わせてくれるらしいから楽しみだな」
「その為にも、与えられた仕事をきちんとしないといけないな」
「そうだな」
「早く、お姉ちゃんに会いたいなぁ」
シンside
「……出すぞ」
「イヤ……嫌ぁあああーーー」
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