良い返事を期待している
異世界だから、「そんな事が有るんかい?」みたいな事が「有る」訳です。
冒険者ギルドから情報を仕入れた俺達は、そのまま出発した。
勿論、ソフィアには言ってある。
後、リアンは留守番だ。
「僕も行くー!」
「ダメだ」
「行くっていったら行くー!」
「リアン」
此処でリン、登場!
「はい!」
「シン様に、我が儘を言ってはいけません」
「はい、分かりました!」
「よろしい。それではシン様、行きましょう」
「……そうだな」
これが、出掛け際にあった一場面だ。
ガラガラガラガラ……
我が領地の西隣の領主には、俺達がマレージョに入る事を教えるなと言ってあるから大丈夫だろう。
マレージョ伯爵にバレると面倒だからな。
俺がやろうとしているのは、金の卵を産む鳥の略奪だからな。
馬車で移動する事、3日でマレージョの街に到着した俺達は、宿屋を取り、冒険者ギルドに情報収集に向かった。
「ようこそ、マレージョの冒険者ギルドへ」
「この街の注意事項ってある?」
「そうですね。ご存知かと思いますが、この領地にはエルフ族の村が存在します。
そして、行くのは自由ですが、当ギルドは一切責任を取りません」
「つまり、自己責任か」
「そういう事です」
「他には?」
「特にございません」
「分かった」
「……所でアレは?」
俺の後ろでは、リン達がモブの冒険者から剥ぎ取りをしていた。
「ああ。アレは、ナンパ失敗からの逆ギレをして反撃された。そして、慰謝料を貰っているだけですよ」
「でも……」
「受付嬢さんの素敵な胸を揉んだチンピラをどうしたいですか?」
「……当然の結果ですね」
「そういう事です」
「失礼いたしました。後の処理はお任せください」
「よろしく」
因みに、慰謝料は合計で銀貨8枚だった。
「どうでしたか?」
「まあ、目立つ必要は無いが、普通に行けば良さそうだ」
「良かったであります!」
「今日はしっかり休んで明日に備えよう」
「「「「「はい」」」であります!」」
翌日、朝食時間開始に合わせて食事をして、宿屋をチェックアウトをして馬車で向かった。
エルフ族の村に行く為の道は、そこそこの整地してあるから分かり易く、楽に行けた。
エルフ族の村に行く為の森林の入口に到着した俺達は、馬車をダンモンの御者に任せ、エルフ族の村を目指した。
レイフィナから色々と聞いた俺達は、その辺りを注意しながら移動する。
領主から任せられた商人や文官用の目印を見付けると、テンプレな展開になった。
「動くな!」
「人族の冒険者よ、何用で来た?」
「一言で言えば勧誘かな」
「勧誘だと?」
「レイフィナというエルフから手紙を預かっている」
「レイフィナ様だと!?」
俺達を囲むエルフ族からの向けられた殺気が濃くなった。
「とりあえず、俺達をどうにかする前に、手紙の中身を確認したらどうだ?」
俺はそう言って、手紙を地面に置くと俺達は10m下がった。
俺達に対して正面に弓を構えていた男性のエルフが手紙を取り、中身を確認した。
その後、手紙を囲んだエルフが回し読みすると……
「ようこそ、森の隣人よ」
手の平を返して笑顔で迎えられた。
実は、彼女はこの村の村長の娘だった。
「娘は、元気ですかな?」
「ああ。同じ仲間と毎日を楽しく暮らしているよ」
「それは良かった」
「それで、村長に会えたら渡して欲しいと言われた手紙だ」
俺は、手紙を村長に渡す。
「どれ……」
村長の顔は最初は笑顔だったが、次第に曇り、最後は苦痛を我慢するかの様な顔になっていた。
「レイフィナよ……」
「俺は、レイフィナから聞いている。この村の惨状を」
「そうですか」
「直ぐには決断が出来ないかもしれないが、決断は早い方が良い」
「そうですな。明日までには決断しよう」
「分かった」
「誰か」
「はい」
「お客人を客家へご案内しなさい」
「お客人。どうぞ」
「良い返事を期待している」
俺はそう言って、俺達は案内人の後を付いていった。
客家という建物に案内され、一息つくと思った。
まあ、言葉通りの「決断」だな。
話し合う余地が、殆ど無い状態の惨状だからな。
実は、このエルフ族の村は危機的状況になっている。
この村の森の奥では、とある「毒草」が異常発生していてエルフ達の命に関わっていた。
しかも、昔交わした数代前のマレージョの当主との約定でマレージョ側は知らないので、元から手が出せない状態だ。
しかも、エルフ側も手を尽くしたがエルフの被害者は増える一方だった。
どうやら、エルフ族の魔力で広範囲で異常発生しているみたいで、どうしようもないみたいだ。
因みに、エルフ達が陥った危機的状況とは、この毒草を他のモンスターが食べるのだが、見事にエルフ族以外には無害なのだ。
しかも、この毒草はモンスターが好む匂いを出すから手に負えない。
そして、この毒草の毒はモンスターの肉体に残る。
だから、この村には毒草の毒でやられた者達と、栄養失調になっている者達が居る。
レイフィナは、この状況をどうにかする為に村を出た訳だ。
だから、決断とは、この村を捨て生きるか、この村で心中するかの2択な訳だ。
翌朝、朝食を食べ終わった俺達は村長宅に呼ばれた。
「決断しました。この村のエルフ族は、全て移住します」
「重大な決断を良くされました。領主であるセラリア王女は、貴方達を歓迎するでしょう」
「よろしくお願いします」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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