……この世界、マジで乙女ゲーか!?
奈津美は……
その後は表面上は順調に進み、俺達はワイバーンの稀少種である「エルダーワイバーン」が居る山の麓に到着した。
今日は、此処で1泊して、明日の夜明けと共に出発する予定だ。
さて、エルダーワイバーンは、この山の奥に存在する渓谷を巣にしているらしい。
俺達は準備が終わると早めに就寝して、翌日の夜明けと共に出発した。
「しかし、先の討伐隊から何日か経っている所為か、その時に使ったルートが草が生えて消えているな」
「そうだな、ジル」
因みに、隊列は、騎士、魔術士、インテリ文官と回復術士、ジルと俺達、という順番だ。
正直、騎士と魔術士はエルダーワイバーンとの戦闘には期待が持てない。
何故なら、彼らより強い騎士達や魔術士達が敗走したからだ。
だから、道中の露払いと護衛に使っている。
3回の休憩を挟み、俺達はエルダーワイバーンが巣を作っているらしい渓谷に到着した。
因みに、ここまでにも、ジルの奈津美ちゃんへの行き過ぎた言動が目立っていた。
「少し休憩をした後、出発する!」
「「「「「「「「は!」」」」」」」」
休憩が多いが、それは強さは兎も角、王族と、その婚約者の貴族令嬢が居るからだろうな。
「……時間だ。出発する!」
「「「「「「「「は!」」」」」」」」
……斥候が得意な騎士が先行して、遂にエルダーワイバーンを発見した。
流石はワイバーンの稀少種だけあって、大した貫禄だ!
さて、作戦会議と思っていたら、随行の魔術士の女性がいきなり攻撃魔法を放つ。
「炎矢」
「は!?」
「Gigyaaaーーー!」
「ジルクフリド殿下、ご覧ください。
たかがワイバーン1匹程度なら、私の魔法で充分です」
まあ、確かに炎矢二連は凄いかもしれないが、ワイバーンと戦った事が無いのか?
「Gigyaaaーーー!」
「え!?」
……やっぱりな。
「そ、そんなこ……」
バキッ! グシャ!
エルダーワイバーンの飛行突進からの噛み付きでバカな女が1人、人生を終了した。
「「「「ひっ!」」」」
「ジルクフリド殿下、早くお逃げください!」
魔術士の残った女性が、そう言ったが……
「忘れるな! 我らはアレを討伐する為に来た事を! 隊列を!」
「「「「「「「は!」」」」」」」
まあ、暫くは頑張れ。
「ひーちゃんと奈津美ちゃんは、此処で専守防衛しながら見学な」
「分かった、シンさん」
「分かったわ、シンさん」
「ワウ!」
「リンとシャナは、俺と一緒にジル達の援護な」
「畏まりました、シン様」
「分かったであります、シン殿!」
一方、ジルは……
「右から来るぞ、盾を構えろ!」
「「「は!」」」
「魔術士、攻撃魔法の準備!」
「「は!」」
「Gigyaaaーーー!」
「放て!」
「「氷矢!」」
「Gigyaaaーーー!」
「怯んだぞ!」
「「おお!」」
ジルと騎士2人が攻撃を開始した。
「Gigyaaaーーー!」
エルダーワイバーンが、羽撃き離れた事で、攻撃に出たジルと騎士2人は、再び騎士3人の盾の後ろに下がる。
エルダーワイバーンも、ジルの攻撃は警戒しているのか、他の2人の攻撃を受けてでも、ジルの攻撃は避けていた。
……この流れが10分も続いた。
ジルは兎も角、他の騎士や魔術士からは疲労が明確になっている。
……仕事をするか。
「リンとシャナは、俺とジルのフォローを頼む」
「はい、シン様」
「はいであります、シン殿!」
そして、俺はジルの横に行く。
「俺が決定的な隙を作る。最高の一撃を食らわせてやれ」
「……分かった」
「Gigyaaaーーー!!」
エルダーワイバーンも何か察したのか、体表の色が薄い茶色から赤色に変わった。
「Gigyaaaーーー!」
来た!
「雷矢三連」
「Gigyaaaーーー!」
更に、ほぼ同時に無詠唱で雷撃弾をエルダーワイバーンの右目に撃ち込む。
そして、雷矢三連がエルダーワイバーンの身体に刺さり動きが止まる。
「今だ!」
「うおぉおおおーーー!」
ジルの魔力を込めた長剣が、エルダーワイバーンの首を斬った!
「僕達の勝利だーーー!」
因みに密かに、リンが無詠唱で「影捕縛」でエルダーワイバーンの足と尻尾を拘束し、シャナが幻惑系の魔眼スキルを使いエルダーワイバーンの思考を狂わせた。
「良いフォローだ、リン! シャナ!」
「ありがとうございます、シン様」
「嬉しいであります、シン殿!」
その後、俺達は帝都に戻り、実績を積む事に成功したジルは、次期皇帝の立場が内定して、1週間後にジルの実績を公布する予定となった。
俺達は、皇帝の純度100%の我が儘で帝城に居候している。
その3日後に、ジルが奈津美ちゃん「だけ」をお茶会に招待した。
……が、当日
「何故、シンファル達が居る?
招待した覚えが無いぞ」
「皇帝からの許可は貰っている」
「……分かった。まあ、ちょうど良い」
改めて、姿勢を正したジルが言った。
「ナツミ嬢。僕と……結婚してください」
「ジルクフリド殿下には、正式な婚約者がいる筈では?」
「勿論、彼女とも結婚するが、義務感だけだから、嫡子が生まれれば必要無い。
僕は真実の愛を君に捧げる」
……この世界、マジで乙女ゲーか!?
「さあ、ナツミ嬢! 承諾の言葉を!」
奈津美ちゃんが返す言葉は……
「お断りします」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




