うん。お試しで組んでみよう
嘘も方便です。
「……内装を考えた人、ですか」
「はい」
「申し訳ありませんが、お会いする事は出来ません」
「何故ですか?」
「既に、亡くなられた方ですから」
「「え!?」」
「ですから、何をお聞きしたかったのか分かりませんが……」
「そんな!」
私達がショックを受けていると、オーナー代理の人が鈴を鳴らすと、店員の方が来て「何か御用でしょうか?」と聞いてきて、オーナー代理が「軽食を頼む」と言うと、「畏まりました」と答えて退室した。
「少し喉を潤すのは如何ですか?」
「いえ、そんな事をしていた……」
「奢りですから、気にしないでください」
「でも……」
「陽奈、これ以上の遠慮は、逆に失礼よ」
「分かったわ。ありがたくいただきます」
「それは良かった」
この後、持って来た軽食は、サンドイッチだったわ。
タマゴ系に、フルーツ系に、燻製肉系の3種類で、どれも美味しかった。
しかも、私の好みにぴったりだったわ!
「落ち着いて頂いた所で、お伺いしたい事がありますが、よろしいでしょうか?」
「はい」
「どうぞ」
「貴女達の格好から察するに冒険者をやっているのですか?」
「あ、はい」
「そうよ」
王宮でも言われていたわ。
この世界の治安は、例え王都でも完全では無く、何処に行こうとも、武装して外出する様にとキツく言われているから、私達も外出時は武装している。
「今日、此処に訪れているのは、貴女達2人だけだが、他の仲間は居られないのですか?」
「いえ。仲間と呼べる人は居ますが、チームを組んでいる仲間は居ません」
「何故、そんな事を聞くのかしら?」
ちょっと奈津美が、警戒しているわね。
「実は、今食べた軽食には遅効性の毒を入れてある」
「「なっ!?」」
「勿論、嘘ですよ」
「どういうつもり?」
奈津美が、キレ気味になって剣を抜いて切っ先をオーナー代理に突き付けているわ。
「それは、2人だけの危険性を認識して欲しいからです」
「「危険性?」」
「そうです。仲間が2人だけなら、先程の嘘が本当であったなら、全滅ですよ」
「「あっ!」」
「そこで提案です」
「提案とは何?」
「実は、私も冒険者をやっていましてね。
私達もチームに入れて欲しいのです」
「役立たずは必要無いわ!」
「私達は、Bランク冒険者ですから、足手まといにはならないでしょう」
「Bランク冒険者?」
「はい」
「ちょっと待って。貴方、今『私達』っていったわよね?」
「ええ。私達は、私の他に女性の冒険者が5人居ます」
「5人も……」
「と、言っても、その内3人が個人的な理由で冒険者を休んでいるので、その期間の間を、と考えています」
「……そうですか」
「ちょっと2人で話し合いたいです」
「どうぞ」
私と奈津美は、部屋の隅に移動して話し合う事にした。
「どう思う、陽奈」
「そうね。私達を騙している風には、感じられなかったわ」
「確かにそうね。私達を手に入れるつもりなら、先程の軽食に、本当に毒を入れている筈だしね」
「とりあえず、お試しで組んでみる?」
「うん。お試しで組んでみよう」
「良かった。2人だけなのはやっぱり不安が有ったの」
「実は、私もよ」
話が纏まった私達は、彼シン達のチームを私達の仮の仲間になったわ。
この後、シンさんの仲間のリンさんとキサラさんを紹介され、私達は冒険者ギルド内の練武場に行く事にした理由は、お互いの戦闘力を知る為。
感想は「凄い!」の一言だわ!
リンさんのちょっと長めの短刀を使った二刀流は圧巻だったし、キサラさんのゴツいガントレットを使った攻撃型タンクは、この異世界に召喚されてから知った常識を遥かに越えていたわ!
何よりも、この2人相手に、右腕だけで楽勝したシンさんが化け物じみた強さだわ。
……後、シンさんは「猫」を被っていたわ。
リンさんに対しては……
「まだまだだな、リン!」
「いいえ! 今日こそはシン様から一本取ってみせます!」
「その意気だ。俺から一本取ってみせろ!」
「はい!」
キサラさんに対しては……
「だから何時も言っているだろう。相手の動きの先を読め、と」
「旦那様みたいに頭を使うのは苦手だ」
「だったら、尚更、身体に刻み込めろ!」
「はいだ!」
こんな感じ……ん?
シン「様」?
……旦那様?
モヤモヤしたから、聞いてみた。
「ああ。俺は元商会の嫡男で、彼女達は幼馴染であり、俺の両親の部下の子供だ」
「それじゃあ……」
「その当時の名残りだ」
何故か、シンさんのその答えに、私は必要以上に安心したわ。
リンさんは近接寄りの魔法も使うアタッカーで、キサラさんは完全に近接のタンクで、シンさんは近接と遠距離の両方を熟すオールラウンドの遊撃を担当する。
これなら、奈津美が中央を担当して、キサラさんが前に出てモンスターの注意を引き、その間にリンさんが攻撃をする。
私は、戦闘開始時にデバフを掛けた後は、戦闘の全体を見ながら指揮をする。
シンさんは、戦闘時は、周りの警戒をしつつ攻撃魔法で援護をしながら私の護衛をして貰い、私達に手に負えない強いモンスターが現るれたらシンさんが担当して、私達全員がシンさんのフォローに入る事が決まったわ。
「揺れないわ……」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




