私は1番じゃなくても
作者の判断で、如何様にも出来ますが、彼女達との再会は今後の作中には無い予定です。
まあ、予定であって決定ではありませんが……
俺の説明が終わった後は、軽い雑談をしていたが、此処に来た理由を思い出した。
「ローリエルお嬢様の面会の日時は?」
「そうであったな。 ……メルガ」
「はい。 ローリエルお嬢様は、明日の午前中は予定が入っておりません」
「では、明日の何時からなら良い?」
「午前8時からなら問題ありません」
「……と、いう事だが?」
「それなら、明日の午前8時に来るな」
既に、敬語無しの許可を貰っている。
俺としては用事が済んだから、お暇しようかと思ったが宿泊を勧められた。
しかし、既に明日の予定を聞いたのに泊まる事になると、何かに負けた気分になるから丁重にお断りをして、ラーガリア伯爵邸を後にした。
アールスバイド大公邸に戻り、レイナ達に明日の事を話す。
「それなら、明日は私達3人は、適当に王都を散策するわね」
「賛成です」
「それで良いよ」
「そうか。 じゃあ、ほい」
俺は「倉庫」から委任状を取り出してレイナに渡す。
「これは?」
「アールスバイド大公の委任状だ。
それを見せれば、支払いはアールスバイド大公持ちになるからな」
「……良いの?」
「レイナ達を信頼しているし、合計が白金貨1桁なら端金だからな」
「……借りとく」
「それと、念の為に」
俺は金貨30枚入っている小袋を渡す。
「金貨30枚、入っている」
「……過保護」
「メグ?」
「そうじゃない。 シンの過保護~」
メグが、逃げ出した。
「仲間を大切にするのは当たり前だろ?」
俺は、逃げ出したメグを捕まえると、メグの顔面にアイアンクローをお見舞いする。
「……い、痛たたたたた」
「ん?」
「そ、そうです! 仲間を大切にするのは当たり前ですーーー!」
「分かればよろしい」
「痛たたた。 た、助かったわ」
メグは、俺の指の跡がくっきり残っている顔を擦りながら言った。
「それじゃあ、明日は楽しんでくるわね」
「おう!」
夕食の時間になり、カーライザス達に明日の予定を話す。
「分かりました。 何か困る様な事が有れば、私の名を出してください」
「そうさせて貰う」
「……」
何か、マリディアがチラチラと俺を見ている。
「どうした、マリディア」
「シン様。 実は……」
マリディアの話は、今日会ったアカリだった。
マリディアが産んだ子は、息子が2人いるが娘は1人も居ない。
その息子2人も、1人は文官に、もう1人は騎士団に所属している。
年齢的にはまだギリ間に合いそうだが、カーライザスから無理はダメと言われて娘を諦めていたらしい。
そんな時に、アカリと出会った事で我慢が難しくなったみたいだ。
「それで、その……」
相手が俺でなければ、アールスバイド大公であるカーライザスの第2夫人としての権力が振るえたが、俺相手では無理。
「アカリ本人と母親が許可したらな」
「シン様、ありがとうございます!」
……一応、ダンモンの監視を付けておこう。
異世界には、電気が無い為に就寝時間は早い。
午後9時になると、ダンジョン転移でソフィアの寝室に行き、ソフィアの華を咲かせた。
「あ……あぁあああーーー!」
「……ふう。 最高だったよ、ソフィア」
「シンも、最高だったわ」
ソフィアが寝たのを確認すると、司令室に行きダンジョンの様子を視る。
「流石に活動している冒険者は居ないか」
ダンジョン内の様子を順次モニターで視ていると、マナ達を見付けた。
「そういえば、合同でダンジョンアタックをしていると言っていたな」
音声を拾ってみる。
「マナ、まだ諦めていないの?」
「当然よ!」
「でも、流石に無理じゃない?」
「そんな事はないわ! シンは私達全員を相手に模擬戦をしても汗1つ流さないのよ。
そんな強さを持っているのに、生存確認が出来ないなんて不自然だわ!」
「確かに、あの強さは出鱈目だけど……
それと話は変わるけど、シンさんには婚約者が居るのでしょう?」
「大丈夫よ! 私は1番じゃなくても」
「マナが良いのなら反対はしないけど、その話をする為にも見付けないと……か」
「そうよ! それにアリナも私と同じ気持ちよ」
まだ、話は続くみたいだが、俺は音声を切った。
「マナ達に、ダンジョン内の護衛兼監視者を付けて万が一に備えるかな」
……バッドエンドは嫌いだ。
翌日、午前8時前にラーガリア伯爵邸に到着した。
「シン様、お待ちしておりました」
執事のメルガからバトンを受け取ったメイドに案内されて、応接室で待っているとローリエル嬢が入ってきた。
「……お久しぶりです、シン様」
「お久しぶりです、ローリエルお嬢様」
「ローリエルで良いし、敬語は無しよ」
「分かった」
「シン様。 来るのが遅過ぎです!」
「そうか?」
「そうです! 私、伯爵家の令嬢なのよ。
そんな高位の貴族令嬢に誘われたら、数日後にでも来ると思って、根回しもしていたのに……」
「それは悪かったな」
「全くよ!」
「それで、俺を招待した理由は?」
「もし、シン様が良ければ我が家で雇ってあげようと思ったの」
「その善意は嬉しいが、俺は冒険者を辞めるつもりは無いからな」
「……仕方ないわね。 でも、シン様さえ良ければ何時でも言ってね」
「ありがとう」
「それで、何時まで王都に居るの?
それとも、王都に永住するの?」
「どちらであっても決まってないな」
「……そう」
「だから、暇な時は会いに来るよ」
俺がそう言うとローリエルが言った。
「それなら……」
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