まあ、詳しく教える必要は無いか。
特産品の情報収集は、貴族としては常識。
新しい武具の試運転が終わって、俺達は喫茶店に行く事にした。
そう、あの「喫茶店」だ。
結局は、希望者全員と関係を持って子を成した。
それで、生まれた子供達は全員を庶子にして、本人達の才能や頑張りに合わせた就職先や嫁ぎ先を準備して、彼女達の引退に合わせて、新しい貴族以上の奴隷令嬢達を購入して、喫茶店を維持してきた。
そして、表では子が、孫が、その後も子孫達にやらせ、裏では俺が代理人として動いた。
だから、喫茶店で働く奴隷達は知っている。
誰が真なる「主」なのかを。
一応は、分身体を変えた後、俺が「誰」なのかを知る各関係者には顔を出してある。
そんな訳で、喫茶店に入ったのは良いが、接客中以外の全てのウェイトレスが俺に向かって姿勢を正し改めて挨拶をした。
「「「「「いっらしゃいませ!!!」」」」」
……止めろって言っているのに。
俺が入店した時の一斉な挨拶を、目立つから止めろって言っているのだが、命令じゃないから彼女達は自主的にやっている。
「ご希望の席はございますか?」
「奥で」
「畏まりました。 ご案内いたします」
俺達が席に着くと「お客様、ご注文が決まりましたら、お呼びください」と言って案内したウェイトレスが去った。
……俺へのウィンク付き笑顔で。
「「「……シン?」」」
「ん?」
「……分かったわ! シン。 貴方は、この喫茶店のオーナーね」
「いきなりネタバレするなよ、メグ」
「「そうなの!?」」
「ああ。 切っ掛けは言えないが、結果として喫茶店のオーナーだ」
「やっぱりね」
「まあ、とりあえずは何か食べようぜ」
「「「賛成!」」」
レイナ達は、俺の奢りだと思っているのか、遠慮なく注文して皿を重ねていった。
「……もう、食べれないわ」
「私も」
「満腹です」
「自分で食った分は自分で払えよ」
「「「……え!?」」」
レイナ達は一気に青くなった。
それも仕方ないと言えば仕方ないと言える。
なんせ、レイナ達は1人辺り大銀貨1枚越えだ。
まあ、この喫茶店で最高額のスィーツを最低でも1人5皿も注文するからだ。
「……冗談だ」
「「「……ほ」」」
「何か言う事は?」
「「「シン。 ご馳走様です!」」」
ちょっと食後の休憩をしていると、大人なウェイトレスが現れた。
「如何でしょうか?」
「美味しかったぞ」
「ありがとうございます」
「奥に入らせて貰うがいいか?」
「勿論です。 貴方様は、此処の主なのですから」
俺は、彼女に金貨1枚を渡すと、俺達が居た場所より奥にある扉を開けて入る。
「……ふぅ」
「何か、変な感じね」
「何故だ?」
「店内から、そのまま関係者しか入れない場所に居るとね」
「「確かに」」
今、俺達が居る場所は多目的リビングみたいな場所で、此処に集まった者達で卓上遊戯をしたり、刺繍をしたりと自由気ままに過ごす場所だ。
「紅茶です」
「ありがとうな」
「「「ありがとう」」」
現在、この屋敷に住んでいる奴隷は19人だ。
それで、今、紅茶を置いてくれたのは喫茶店の助っ人要員で待機中だった。
そんな状態の時に俺が来たから、気を利かせて紅茶を出してくれた訳だ。
「……美味しい」
「そうだろう」
「シンのドヤ顔はムカつくけど、確かに美味しい」
「「同感」」
「……おい」
……まあ、良いか。
「さて。 此処に来たのは、今後の冒険についてだ」
「……そうね。 装備とお金の心配だけは無いから、逆に悩むわね」
「そうよね。 普通なら、武具に必要なモンスター素材を求める旅とかになる流れだし」
「……2世がダメな理由が分かったわ」
因みに、連絡がいっているのか、影で俺達の様子を伺っている今日が休日の奴隷達が居たりする。
俺は、その1人を手で招くと言った。
「シン様。何か、ご用でしょうか?」
「大陸地図を」
「畏まりました」
前世の数少ない親しい人達のお陰で、俺は少女向けにも多少は明るい。
だから、河惣益○先生の作品も読んでいた。
その為に、中世ヨーロッパ系の文化圏での地図の重要性を知っている訳だ。
そんな訳で、ダンモンの専属チームを結成して大陸地図を作成して貰った。
当然、そんな地図は、国家機密並みの扱いになる……俺達以外ならな!
「お待たせしました」
カラーではないが、現代地図に近い大陸地図を広げる。
「……シン?」
「どうした、レイナ」
「何、この地図は?」
レイナは、見てはいけない物を見てしまった様な表情で聞いた。
「この大陸の地図」
「「「……はあ!?」」」
「……シン!」
「何だ、メグ」
「人海戦術?」
「正解!」
「……はあ」
「……アールスバイド大公様の?」
「そんな所だ」
まあ、詳しく教える必要は無いか。
「「……はあ」」
「と、とりあえず、折角だから見てみましょう」
「「……うん」」
只今、レイナ達は女子会を開催されており、特徴が有る街や場所を書かれた資料の一言コメントを読み、「キャッキャ、ウフフフ」言いながら、お菓子を摘み何処に行こうかと話し合っている。
そして、その女子会に奴隷達も混ざって言った。
「それなら、この街の特産品がお勧めです」
他国で、貴族令嬢だった奴隷の1人が言った。
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