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帰りの護衛をしてやろうか?

シスターも生きている人間ですから。

 

 俺に向かって、地上げ屋共が睨む視線を送ってくるが大した事はない。


「おい、ガキ」

「俺の事か?」

「他に誰が居る!」

「俺は、この孤児院を売る気は無いぞ」

「手前ぇの親は何処に住んでいる?」

「答える義理は無いな」

「手前ぇが払える額じゃなぇ! パパに出して貰ったんだろ!」

「いいや。俺が稼いだ金で払った」

「フカしてんじゃねえぞ!」

「孤児院のガキ共が、どうなってもいいのか!」

「それなら、俺も警告だな。これ以上、孤児院に関われば、お前らのアジトは更地にして、アレを切り落として鉱山労働行きにしてやる」

「ガキ……吐いたツバは飲めんぞ?」

「天空の星々にツバを吐いても、自分の汚い顔に掛かるだけだぞ」

「……ヤレ」

「「「「「「「「ヘイ」」」」」」」」


 先程まで後ろに控えていた暴力担当が俺に近付いて、有無を言わさずに先頭の男が俺を殴った。


 バキッ!


「シン君!?」

「分かったか、ガキ。大人の怖さを分かったなら親の所に案内しろ」

「シスター、見ましたかー?」

「シン君!」

「「「「「「何ぃ!」」」」」」


 派手に殴り飛ばされた筈の俺が、まるで殴られていなかったみたいに立ち上がりシスターに声を掛けた。

 勿論、ワザとぶっ飛ばされた。


「シスター、見たよね? 言い争いの内容は兎も角、先に暴力を振るったのは向こうだな?」

「は、はい」

「これで、正当防衛が成立、と」

「何を……」


 バキッ! グシャ! ドゴッ! 

 ドガッ! ドスッ! ゴッ!


「これで、残りはお前だけだな」

「な!?」

「お前らのアジトは何処だ?」

「どうするつもりだ?」

「勿論、潰す為だ」

「……正気か?」

「当然だ」

「ふん。それなら、お前、終わったな」

「どういう意味だ?」

「オレ達のバックには貴族様が居る」

「だから?」

「分かっているのか!」

「それなら、教えて貰おうか。その貴族様とやらは、誰だ?」

「……いいだろう、教えてやる。オレ達のバックに居る貴族様は『ゲレイブ』子爵様だ」

「……ゲレイブ子爵。本当か?」

「本当だ」

「だ、そうだセラリア王女殿下」

「うむ。しかと聞いたぞ」

「「へ!?」」


 何も聞いていないシスターも一緒に、セラリア王女殿下の発言に反応を返した。


「ああ、言っておくが、セラリア王女殿下の偽者というオチは無いからな」

「ご苦労であったな、シンよ。全て、この私セラリアが聞いていたぞ」


 その後は、セラリア王女殿下の独壇場となり、27日後にゲレイブ子爵は懲戒免職され鉱山労働送りになり、無関係で「白」だった夫人と娘2人は、夫人の実家に送還された。

 因みに、孤児院の担当もゲレイブ子爵だったのは、まあ……テンプレだよな。


 そして……


「シン君、もっと!」

「ああ、ほれ」

「ぁん……ああ……ぁあああーーー!」


 本人シスター的には、かなり我慢していたみたいで、大義名分を得たと言わんばかりに向こうから華を満開させた。


 ……黒の僧衣に包まれた熟れた果実で、大変美味しく頂きました!



 孤児院のシスターと仲良く過ごした翌日、司令室でモニターを視ていると、4人組の少女冒険者チームがダンジョンに入って来たから音声も拾ってみた。


「此処が噂のダンジョン……」

「大丈夫よ。20階層までは、初心者用の難易度だから」

「そ、そうよ! 大丈夫よ!」

「だけど……」

「覚悟を決めて、皆!」

「そうだよ。せめて、今日の宿屋代と夕食と明日の朝食代ぐらいは稼がないといけないのよ!」

「分かっているわ」


 とりあえず、この都市出身の冒険者チームじゃないな。

 しかも、装備がバラバラな上に、廃棄直前みたいな防具までしている。


「いいえ、それ以上に稼ぐのよ! 村に恩を返さなくちゃ!」

「……そうよね。エネ達が待っているから頑張らないと!」


 まあ、ダンジョンドリームだよな。

 命を失うリスクが高い代わりに、それに釣り合うリターンがある、それがダンジョン!


 俺は、モニターで少女冒険者チームを視ていたが、才能は有ったみたいで、20階層を踏破した。


「やったわー!」

「私達、20階層を踏破したわ!」


 因みに、20階層のエリアボスだが、耐久値を1.5倍にしたオーガ1匹と、ボブゴブリン3匹だ。

 それを、あの装備で……


 ……欲しいな!


 俺の頭では「青田買い」という単語と、ニチアサの歴代の元気な少女達の姿が浮かんでいた。

 因みに、人気はイマイチだったみたいだけど、2代目もお気に入りだ。


 4人組の少女冒険者チームが宝箱のアイテム「ポーション」4本を回収すると、地上への帰還を開始した。

 リン達に声を掛けて、スタンバっていると、予想通り、帰りの新人を狙う屑冒険者チームに絡まれた。


「帰りの護衛をしてやろうか?」

「……結構です」

「そんな事を言わずにさぁ」

「必要ありません」

「危ないと思うけどなぁ」

「……失礼します」

「待てよ!」


 会話が無駄と判断したのか、無視して進もうとして止められた。


「なんですか? 邪魔です」

「オレ達が優しく言っている間に頷いた方がいいぜ」

「痛い思いするからなぁ」

「もう一度言うわ。必要ありません!」

「……そうかい」

「交渉決裂だな」

「おい」

「ああ」

「どうするつもり?」


 屑冒険者チームが、彼女達の周りを囲み始めた。


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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