どういう事か、事実確認を求める!
転生、召喚が有るのなら、偶発的な「?」も?
「双方、準備が良いな? 構えて……始め!」
「うおぉおおおーーー!」
剣を上段に構えて突っ込んできたが……
「躱して、右拳でお腹!」
「……ぐはっ!」
「左足で頭に蹴り!」
「がっ!」
「まだ…だ。 がぁあああーーー!」
剣を水平に構えて、また突っ込んできたが……
「流して、そのままタックル!」
「ぐふっ!」
「左手で顔を引っ叩く!」
「ぶっ!」
「連続で4回!」
「……ぶっ……ばっ……ぶっ……ばはっ!」
「この……」
威力の有る大振りを止めて、連打を仕掛けて来た。
「避けながら軽く一撃!」
「……かはっ!」
彼女は王女だから荒事は避けたい。
しかし、婚約者に重傷を負わせたのは我慢出来ない。
そんな訳で、彼女がしたい事を俺が代理でやっている訳だ。
そして、遂に、その時が来た!
「金的潰し!」
「……ま、待て……ぐげぇ……」
観客席の男性エルフ達が、青い顔をしている。
「倒して動けなくなるまで殴打!」
「救け……」
俺は、苦痛から来る呻き声を出させる事すらさせずに殴打を繰り返す。
「……ふん!」
「がはっ!」
「……もう、良いです。 後は人族の法で処罰を与えてください」
「最後まで、やらなくても良いのか?」
「私の婚約者は、死んでいないので」
「分かった」
俺は、息を大きく吸って言った。
「リチェリ様の慈悲深さと賢明な判断に拍手を!」
パチパチパチパチパチパチパチ!!!
事後報告だが、馬鹿王子は特殊奴隷となりエルフ公国が採掘をしている鉱山に、労働者として行く事となった。
それと今回の事を書いた手紙をカーライザスに送り事後処理を丸投げした。
これで、今回の騒動は俺の手から離れた。
あの公開処刑から5日間が経過した。
この5日間は、レイナ達と観光をしたりして過ごした。
「ファル様、また」
「ああ。 またな、フェナエル」
レイナとセレスは既に別れの挨拶を終わって馬車で待機している。
要するに気を利かしてくれていた。
ガラガラガラガラガラガラ……
「凄く良かったわ!」
「そうだね」
「罠の仕掛け方や薬草採取のコツだけじゃなくて、魔法の手解きまでしてくれて」
「お陰で、私も前よりも魔法が上手に使える様になったわ」
「良かったな」
「「うん!」」
……俺が連れて来たからか、本人達の人柄か……多分は後者……エルフ達は色々な事をレイナ達に教えたみたいだ。
「きゃあああーーー!」
「女性の悲鳴!?」
「とりあえず行くぞ」
「分かったわ」
「ええ」
結界石を発動させて馬車に設置すると、俺達は悲鳴のする方向に急行した。
「た、救けて!」
到着すると、オーク3匹に囲まれている女性……いや、少女が怪我を負って岩を背に付けて動けないでいた。
見た限りは怪我を負ってはいるが、致命傷では無いし緊急を要する程でもない様に見える。
それに周辺を確認すると、4匹のオークが首を刈られて倒れていた。
……数の暴力に押されて、か。
しかし、あの少女の外見は……
「雷撃弾三連!」
「「「Pugi……」」」
「え!?」
俺の雷撃弾で眉間を撃ち抜かれて絶命したオーク3匹を見て、少女は狼狽えていた。
「大丈夫?」
「え、ええ」
「シン!」
「分かっている。 小治癒」
先ず、レイナが駆け寄り安否を確認して、俺が身体の怪我を治療した。
「私……命拾いしたの?」
「ああ」
「ありがとうございます!」
……近くで見て確認したがやっぱりアレだな。
「意識がハッキリしているかの質問を幾つかしたいが良いか?」
「はい」
「名前と年齢は?」
「桐生恵美で24歳です」
「……キリュウメグミ?」
「……24歳?」
「……はあ」
……確定だな。
「?」
「レイナにセレス」
「何、シン」
「どうしたの?」
「神獣召喚士ヒナを知っているか?」
「勿論よ」
「当然です」
「彼女は、神獣召喚士ヒナと同じ異世界の者だ」
「「……え!?」」
「尤も、召喚ではなく転移みたいだがな」
「どういう事?」
「彼女は、何処かで行われた異世界召喚ではなく、偶然が重なった結果、この世界に転移をしたのだろう。
此処にいる経緯を話してくれないか?」
……リスクは有るが、この2人なら信頼出来る。
「分かりました」
そう答えてからの彼女の経緯を聞いて、俺は何も知らない何処かの女神に向かって「アホかー!」と、心の中で叫んだ。
簡単に言うと、彼女「桐生恵美」は、本来なら違う次元の異世界に召喚される筈が、担当した女神が水芸が得意な駄女神並みのポカをやらかして、俺達の世界に転移させられたみたいだ。
それと、彼女は巻き込まれ系だったが、向こうの神側から見て、かなりのイレギュラーだったみたいで慌てていたらしい。
まあ慌てていたが、きちんと説明をしてスキル等のチート寄りの能力を授けて送り出したのだが、最後の転移で大ポカをやらかした訳だ。
さて、この300年間で本来なら繋がる事が不可能だった伝手に、クレーム寄りの確認をする事にした。
《どういう事か、事実確認を求める!》
《既に事実確認を済ませてあります》
《では、報告を》
《はい。 彼女「桐生恵美」の発言は、全て事実である事が判明しています》
《それなら、創造神様に報告して向こうの女神にクレームを》
《それも終わっていて、向こうの女神様は減給と、因果律を弄って、お菓子と出会える機会を増やしながらも、お菓子が食べれない刑が与えられています》
《分かった。 報告、ご苦労さま》
《いえ、これも仕事ですから》
《何か有れば、またよろしく》
《了解です》
創造神様から指名を受けて、俺の担当となった天使と、念話系の「神託」を使い確認をした。
実は、戦闘では魔王最強になった俺だが、最強決定戦では遂に神々が介入してきて、結果的に創造神様との「縁」が出来た訳だ。
その結果、創造神様との直接のやり取りは出来ないが、間に天使を置く事で、お互いの言葉を届ける事が可能となった。
次に、彼女が向こうの女神から貰ったチート寄りのスキルは「魔術士」系で、充分に鍛練をして経験を積めば、少なくとも5年後には豪邸で使用人付きで、遊んで暮らせる様になるだろう。
最後に、彼女の日本での実年齢は24歳なのかもしれないが、外見年齢は身長低めのJCであり、本人の証言だと日本に居た頃の胸部の「K」が無くなっていて、見栄を張ってのサイズが「C」になっている。
……断崖絶壁よりかはマシだろう。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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