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応援が棒読みだぞ!

流れ作業で世直しをする主人公。

 


 ……やけに広い応接室だと思っていたら、こういう時用かよ。


 応接室に領主の私兵が、わらわらと入って来た。


「……やれ」


 約1分後には、領主が思っていた結果と逆の結果になっていた。


「……な!?」

「あんまり弱い者イジメをさせないでくれるか?」

「……貴様! 領主である私に逆らって、無事に帰れると思っているのか!」

「思っているが?」


 そう答えると、顔を歪ませた領主が、懐から鈴を取り出すと鳴らした。


「覚悟するがいい」


 約30秒後に、冒険者らしき野郎共6人が入って来た。


「オレ達を呼ぶなんて久し振りですな」

「高い金を払っているんだ。 働いて貰うぞ」

「分かっていますよ」

「今回は、このガキですかな?」

「そうだ! このガキに、痛みと共に恐怖と言うものを教えてやれ!」

「悪いな坊主。 これも仕事なんでな……がはっ!」


 人の良さそうな顔で近付いて殴って来たから、当然の様に合わせて右クロスカウンターを決めた。


「「「「「こんのガキがぁ!」」」」」

「……はぁ」

「ごふっ!」

「げばぁ!」

「ぐはっ!」

「ぎぃあ!」

「がぁっ!」


 とりあえず、本当に雇われただけかもしれないから、普通に殴ったり蹴ったりして沈めた。


「……ば、バカな!?」

「次はお前な」

「や、止めろ! そんな事をすれば、国を敵に回す事になるぞ」

「その心配は無いな」

「なんだと!」

「知り合いに貴族が居るからな」

「……き、貴様の様なガキが、そんな知り合いなど居るものか!」

「いや、居るぞ」

「そ、それなら誰だ! その貴族は?」

「アールスバイド大公」

「……ば、バカな! 貴様の様なガキが……」

「誰か居るか?」

「はい、お呼びでしょうか?」


 俺が、大きめな声で言うと、控えていたのか直ぐに返事が来た。


「次代は居るか?」

「はい。 領主である父親と意見の衝突をした嫡男が、現在は地方の視察をさせられています」

「分かった。 俺からカーライザスに手紙を送るから、引き継ぎ等の処理を頼む」

「イエス、マイロード」

「待て! 私は領主だぞーーー……」


 元領主となる事が確定した男がダンモンに引きずられ地下の牢屋に向かっている。

 後は、カーライザスに手紙を送れば大丈夫だ。


 ……領主が、突然の病や事故で急死するのは良く有る事だから、周りも気にしないだろう。


 執事やメイド長とかの弱みなども握っているから、嫡男が帰って来るまでぐらいなら大丈夫だ。

 それに、王城から派遣される査察の長官はダンモンだからどうとでもなる。


「さて、レイナとセレスが待っている」


 先に冒険者ギルドに行ってカーライザス宛ての手紙を書いて送る手続きをした後、宿屋に戻り、2人には「丸く収まった」と伝えて、俺達は改めて観光に乗り出す。


 ……と、言っても気分的には美術館デートだ。


 先の「クオン冒険譚」みたいに派手な魔法が出ないから、唯一の見所は、スケープゴートになって貰ったドラゴンの剥製くらいだな。


「……こんな大きなドラゴンを討伐したのね」

「凄く大きくて迫力があるね」


 討伐したドラゴンの剥製を、戦闘体勢で吼えた状態で設置してある。


 翌日は、散策に出たのだが、女性だけの拳闘道場を発見して、レイナとセレスが体験入門した。

 2人は女性ならではの技術を学び、向こうは女性同士であってもレベル差から生まれる理不尽を知る事が出来て、有意義な時間を過ごしたが、数時間で学びきれる訳もなく、数日間通う事となった。


 ……そして、俺も相手役として駆り出された。


 まあ、休憩時間とかで散々に、俺が強いって自慢していたからなぁ。


「どうした? 俺は円形の線から出ていないぞ?」

「……く。 まさか、線から出す事も叶わないなんて信じられないわ」

「だから、言ったでしょう。 規格外の強さだと」

「レイナの言葉を疑って悪かったわ」

「それは仕方ないわ。 それに良く見て」

「……?」

「汗すら流していないわ」

「……あ!?」

「つまりね。 シンから見て、汗が流れる運動にすらなっていないのよね」

「皆! 骨の1本や2本、折る気でいくわよ!」

「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」

「……へ!?」

「がんばれー、シン」

「がんばってー、シン」

「応援が棒読みだぞ!」

「「……だって、ねぇ」」

「……薄情者ー!」

「「「「「「「「「「「せいやー!!!」」」」」」」」」」」


 ……異世界ラノベ系の「美女や美少女ばかり」が、この世界にも適用されていた。

 そして、この女性だけの拳闘道場にもそれが適用されていて、俺は特等席で美女美少女の汗を流し、少し紅潮しながら躍動する姿を見れて役得だった。


 ……結果的に2週間通い、向こうは課題が見つかったという形で納得する事で、体験入門が終わったが、まだ女性だけの拳闘道場が存在するみたいで、レイナとセレスの体験入門は続く事が俺抜きで決定した。


 俺達が、この「ラーオウズ」から出発したのはレイナとセレスが、女性だけの拳闘道場を全て廻った後で、その合間に王城からの査察も到着して、そっちにも俺は駆り出された。


 結果的には、中身の濃い時間を過ごした俺達は、最終目的地の都市イクスリアを目指すのだった。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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