……平民の分際でぇ!
小さな女の子の外見のイメージ参考は、サタ○ンのほ○るちゃん。
さて、ラシトル拳闘道場の家族構成が昼ドラだった件。
現道場主ゲイズは42歳で、次期道場主の兄ライズは16歳で、ゲイズの妻(後妻)ケイトは27歳で、小さな女の子である義妹のシェリーは12歳だ。
因みに、家族仲は良いみたいだが、シェリーはライズの事を「お兄様」と呼んでいる。
……シェリーよ、不満だからといって、ライズに再生術式を発動させる様な攻撃を放ったり、ポットのお湯や周辺を凍結させない様にな。
翌日、散策中にチンピラ3人から「大会は辞退しろ」と言われて問答無用で襲撃されたから返り討ちにした後、背後関係を吐かせたが、金で雇われただけで背後関係は分からなかった。
次の日、チンピラの数が12人に増えていたが同じ結果で、背後関係も分からないままだ。
更に次の日は、レイナやセレスが襲撃されたが、当然返り討ちにしたのだが、情報は入らず。
そして、大会の前日の夜に、日本なら「893」、ア○リカなら「マ○ィア」だが、異世界ならではの「闇ギルド」な人達5人から、襲撃されたが軽く返り討ちにした。
相手がプロだったお陰で、やっと背後関係の「黒幕」が分かった。
黒幕は、ライズと次期道場主を競った友人「シフルト(17)」だった。
大会当日となり、無事に予選会のサバイバルマッチを勝ち抜いた。
因みに、大会規定で前大会のベスト8以下は、全て予選会から出なければならない様にしてある。
それと連日、道場に通ってラシトル拳闘流を学んだから、一応は学んだ「技」で大会に挑むつもりだ。
……準決勝で、前大会の準優勝者を下して決勝戦の舞台に立っているのだが、決勝の相手はシフルトだった。
対戦して分かったが、この決勝の舞台に立てるだけの鍛練を真摯に積み重ねてきたみたいだ。
理解はしたが、結果は……
「優勝は、ラシトル拳闘道場のシン!」
閉会式も無事に終わり、帰りの途中で、遣いに出したダンモンから報告を受けた。
「ちょっと寄る所が有る先に行っててくれ」
「分かったわ。 早くするのよ」
「早くね」
レイナとセレスを見送った後、改めて資料込みで報告を受けた。
「……以上が、調査報告です」
どうやら、シフルトは「白」だったみたいで、真の黒幕はシフルトが所属しているネイバー拳闘道場の道場生である「ジャーギ(24)」が原因で、シフルトがラシトル拳闘道場に通っていた時から利用する為に目を付けていたみたいだ。
そして、シフルトに対して美辞麗句で称賛しながらもコンプレックスを刺激し、ライズに負けて勢いで道場から出た時に「悪魔の囁き」をしたみたいだ。
そして、保身からシフルトに責任が行く様にしながらラシトル拳闘道場の悪い噂を流したり、道場生に襲撃させていたらしい。
因みに、ジャーギの狙いが、ライズの義母ケイトさんだった。
とりあえず、このジャーギはダンモンに命令して秘密裏に拉致して、裏で奴隷に堕として鉱山労働送りにした。
余談だが、数年後にシフルトは更に鍛練を続けて大会優勝した日に、シェリーに告白した。
「シェリー、出会った時から好きだった。
ボクと結婚して欲しい!」
「ごめんなさい。 貴方の気持ちに応えられないわ。
何故なら、私はお兄様に身も心も捧げ、私のお腹には新しい命が宿っているもの」
そう言って、縄の跡が薄っすら残った手首を見ながら、顔を赤く染めたシェリーが答えた。
初恋を凍結粉砕されたシフルトだが、偶然にも一部始終を見ていた大会観戦者の貴族令嬢(次女)が一目惚れをして、引き抜き自領の領主館の警備隊長にした。
そして、そのシフルトの首には見事な装飾をされたゴツいチョーカーを生涯に渡って付けていたらしい。
大会から3日後に、領主館から遣いが来て俺だけが招待された。
「減点30点」
「は?」
「いや、なんでもない」
「はあ?」
先触れ的な報せは一切無しな上に、偉そうな態度の使者……30点でも甘いかもな。
もし、俺が不在だったらどうするつもりだったんだ。
ご隠居みたいな世直しのつもりは無いが、どうにも気に入らんな。
……そして、領主館に到着して応接室に通されてから1時間は経過した所で、領主が現れた。
「待たせたな」
言葉とは裏腹に、全く気持ちが感じられなかった。
「少し調べたが、お前はラシトル拳闘道場に入ってから1週間足らずみたいだな」
「そうだが」
「それなら、それ程の思い入れはあるまい」
「それで?」
「それならば、その強さを私が使ってやろう」
「……は?」
「そうだな……月に、大銀貨8枚でどうだ?」
……バカか。
「断る」
「それならば、金貨1枚だ」
「金額の問題じゃねぇんだよ」
「ならば、何が問題だ?」
「招待した者に対しての礼が欠けている」
「……?」
「自覚が無いみたいだな。 用がそれだけなら帰らせて貰う」
「待て。 金額2枚だ! これならどうだ?」
「人の話を聞かねぇバカかよ」
「……今、なんて言った?」
「人の話を聞かねぇバカかよって言ったんだよ」
「……平民の分際でぇ!」
顔を赤くした領主は、手を叩いて言った。
「身の程知らずのバカを、痛めつけて地下の牢屋に放り込んでおけ」
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