堕ちた!
ナンパを成功させる為には幾ら払う?
俺は、馬車に入っている「商品」をじっくり見ていく。
まあ、拒否の理由が「暴力」なら、一応は「店」が守ってくれるが、それ以外だと極端な話、本人の我儘だからなぁ。
俺は、中に居る1人が気になった。
「あー。ソレは、個人的にはあまりお勧め出来ませんな」
「どうしてだ?」
「その商品は、実は『まだ』でして」
「まだ?」
「はい。外見も良く性格も良いんで、店としては、人格的にも良客にお願いして買って頂いたみたいですが、いざって時に拒絶して、その良客のアレを蹴り潰してしまいまして……」
「……なる程な。それでズダボロな上に高額なのか」
「はい……」
暴力を振るわれズダボロの外見から、そういう事をしてもいい奴隷と判断され、高額な為に「元」を取ろうとして、更にズダボロにされる、という訳か。
……まあ良いか。
「3人共買おう」
「正気ですか?」
「ああ。幾らだ?」
「3人で大金貨2枚です」
「そうか。それなら、奴隷環から奴隷紋に替えてくれ」
「畏まりました。それなら大金貨2枚に金貨2枚です」
大金貨3枚渡して言った。
「釣りはいいぞ」
「……ありがとうございます!」
名付けも含めた全ての処理が終わると3人共、信じられないという顔をして、俺を見ていた。
そして、自己紹介だが……
「俺が新しいご主人様のシンだ」
「サナです。よろしくお願いします」
「カナです。よろしくお願いします」
「ナナです。よろしくお願いします」
個性もオリジナルティも無い、味気無い自己紹介だな。
因みに、3人は同じ年の14歳だ。
3人を連れて運良く開いていた古着屋に行き、上下内外を合わせて3セットずつと靴を買った。
宿屋に帰ると、呆れ顔でソフィアが出迎えてくれた。
「遊ぶなとは言いませんが、衝動買いは控えてください、シン」
「善処する」
「それは改める気はありませんね?」
「そ、そんな事はないぞ」
「そう言いながら、何故、私から目を逸らすのです?」
「偶然だ」
「……はあ、分かりました」
「ありがとう、ソフィア」
俺は、そう言いながら、ソフィアの頭を優しく撫でた。
「頭撫で撫でしてもダメですからね!」
そう言いながらも、頭を自ら出して全く抵抗しないソフィアであった。
宿屋で朝飯を頂くと、3人の世話をソフィアに任せて、俺達は冒険者ギルドに行ってみた。
「結構、デカいな」
「そうですね、シン様」
冒険者ギルドに到着したのだが、流石に王都の冒険者ギルドは大きかった。
「それじゃあ、入ってみるか」
「はい、なのじゃ」
……入ってみた。
「……中も広いな」
「広いだ」
さて、おのぼりさんは終了して、俺は受付嬢の所に行き、情報収集する事にした。
「ようこそ、王都の冒険者ギルドへ。
ご用は何でしょうか?」
「そうだな。では、現在、王都に拠点を置く冒険者の割合は?」
「……そうですね。Sランク冒険者の方は3名に、Aランク冒険者の方は8名に、Bランク冒険者の方が107名在席されています」
「……なる程」
「他に何か、ございますか?」
「他には……」
この後、差し障りない情報を聞き出ししたら、ちょっとした悪戯をしてみた。
「最後に……」
そう言いながら「硬貨」を1枚を「小袋」から受付嬢にも見えない様に出して受付嬢の両手を握りながら「硬貨」を受付嬢の手の中に入れて言った。
「貴女と、楽しいお喋りをしたいのだが、今夜どうかな?」
「まあ! 嬉しいお誘いで……!?」
受付嬢は、自分の手の中の「硬貨」を確認すると言葉が詰まった。
やっぱり、「白金貨」は王都の受付嬢でさえも「意外」だったみたいだ。
「……んん! 嬉しいお誘いですが、お断りします」
「そうか」
と、言いながら、追加で3枚「白金貨」を握らす。
「……え!?」
「どうかな?」
「そ、その……」
更に2枚!
「……で、ですから」
決めの追加4枚だ!
「……今日は早番ですので、午後3時に終了になります」
堕ちた!
「分かった。午後3時に迎えに来る」
「お待ちしております」
流石は、王都の受付嬢さんだ。
白金貨じゃないと堕ちないとは!
「シン様、どうされるのですか?」
「まあ、彼女が受付嬢を解雇されない程度の情報を王都に来た時に聞くぐらいだな」
「その程度で、白金貨10枚も使ったでありますか?」
「ああ。王都の受付嬢は、コネと外見だけでは絶対になれない地位だからな。
その中身も共わないとなれない『王都の受付嬢』と楽しい時間を過ごせるのだから、安い出費だ」
それに、完全に堕ちればダンマスである俺に対して、言わなくても働いてくれるだろうしな。
そして、朝のピークを過ぎているが、まだ居た冒険者からテンプレを受けた。
「そこの美しいお嬢さん方」
「私達の事ですか?」
「そうです。もし、時間があるのなら、軽くお茶などはどうですか?」
「お断りします」
「な!? ……他の方々は?」
「お断りだ」
「お断りなのじゃ」
「お断りであります」
「お断りです~」
「だ、そうだ」
「貴様には聞いていない!」
「俺は、彼女達と同じメンバーでリーダーだ。だから、俺が言うのは至極当然だと思うが?」
いつの間にか、周りも聞いていたのか、冒険者達が集まっていてナンパに失敗した冒険者を笑っていた。
「ダサ!」
「カッコ悪ぅ」
「失敗してやんの」
「プークスクス」
「……!?」
笑い者にされた冒険者は……
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
「一晩、どう?」で、目の前に積み重なる10億円の札束。




