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魔王と勇者の一騎打ちをしようじゃないか

宝石の原石も研磨しなければ、道端の石と同価値となる。

 


 どうやら、初侵入=魔王討伐……ではないみたいだから、俺は勇者御一行あいつらがダンジョンに入った事で増えたDPダンジョンポイントも使い、30階層のボス部屋を闘技場にした。


 そして、しばらく監察していた勇者御一行あいつらが、ダンジョンで吐いた台詞せりふに言葉を失った。

 俺は、一旦領主館の私室で休憩する事にした。


「さて。どうしようか?」


 ソフィアが部屋に居るが、白けた顔で言った。


「シン、顔が黒いわよ」

「そうか、ソフィア」

「それで、何を考えていたの?」

「いやな。勇者御一行あいつらがあまりにも考え無しのバカだから、どう処理しようかとな」

「……聞かせて」

勇者御一行あいつらの魔王という存在に関する認識があまりにもお花畑でな」

「つまり?」

魔王おれを雑魚だと認識して、倒した後の事を考えている。

 勇者御一行あいつらは、倒す事で手に入る『名誉』や『地位』や『権力』等を夢想しているのさ」

「……え!? それって……」

「そうだ! ダンジョンマスターや魔王について予習や復習をしていないとしか思えないな」

「本当なの?」

「ああ。勇者御一行あいつらは、魔王はダンジョンの最下層で、ふんぞり返っているだけと思っている」


 それに……


「運が良いのか悪いのか、泊まっている宿屋はダンモンが経営している」

「……あぁ」


 ソフィアが呆れた表情をしているな。


「だから、食事に猛毒を混入する事も出来る。

 まあ、仮にも『勇者』を語る以上は、多少なら毒に対して耐性が有るかもしれないが、それを超える猛毒なら痺れて身体が動かないぐらいにはなるだろうな。 それに……」

「それに?」

「あれだけの俗物なら、簡単に『色』に堕ちるだろう」

「その様な者達が、この世界から生まれた『勇者』だなんて……」


 ソフィアの気持ちは分かるな。

 小さい子供が読む様な絵本に、多少は「勇者」が主人公の物語は有るが、どれも強く、誠実で、慈愛を持ち、勇敢に巨悪な存在や強大なモンスターに立ち向かい、仲間達と助け合い勝利する。

 そんな物語だ。

 幼少の頃のソフィアも、そんな物語を読んだ事が有るのだろうな。


 しかし、簡単に「色」に堕ちるとは言ったが、ダンモンも娼婦も使いたくないな。

 勿論、サキュバスやインキュバスも居るが、汚れ仕事みたいで嫌なんだよなぁ。

 そして、娼婦の場合だと、あのバカ共に俺の金を使いたくない!


 ……ああ、もう!


 何か、ダンジョンマスターや魔王として対応するのが面倒臭くなって来た。


 ……転生組の魔王達に聞いてみよう。


 結果報告だが、どうやら各方面に「勇者の集団組織」が存在するみたいだが、話にならないみたいで、来たらサクッと捕獲してDPダンジョンポイントを生み出すATM扱いで牢屋行きにする……を繰り返すらしい。


 ……つまり、養殖に失敗している訳だ。


 きっと、現地産の天然勇者はゲームみたいに上手く成長出来ないのだろうな。

 生まれが「農村」なら、先ず生きていくだけで必死だろうし、貴族の生まれなら政治的なしがらみに囚われるだろう。


 魔法大国ハイムテインの王女にして学園長であるラビィすら殆ど知らないという事は、最初は上手くいったかもしれないが、それ以降は政治が絡み、衰退して記録等が残っていないと思う。


 俺の最終的な判断は、30階層の闘技場で迎え撃つ事にして、それまでは勇者御一行バカどもの戦闘能力の把握に努める事にした。


 偶にイレギュラーを襲撃させながら、その隙を突き、毒性を持つスライムを少しずつ毒性を上げながら、けし掛けた。


「あのレベルの毒で、膝を突く……か」

「シン様、もう潰しても良いのでは?」

「確かにそうだな」


 これまでの調査で、この勇者御一行バカどもは、この6人だけで、伏兵等は居ない。


 3日後、ダンジョンに侵入した勇者御一行バカどもは「御招き」モードにしたダンジョンに、一切の違和感を感じ取る事なく、30階層に到着して、階層ボスの扉を開けた。


「……闘技場?」

「ようこそ、勇者御一行」

「誰だ!」

「おや? 分からないか? 勇者御一行を迎え撃つ存在は、1人しか居ない筈だが?」

「……魔王か!」

「その通りだ! 俺こそが、このダンジョンを支配する魔王クレスだ!」


 因みに、万が一の可能性を考えて冒険者シンの姿で、後ろにはリン達を従え、闘技場の中央に立つ。


「あは! たった30階層で魔王が出るなんて、小さいダンジョンね!」

「そうだよなぁ」

「私も、50階層ぐらいと思っていたわぁ」

「プチっと潰して、豪遊しようぜ」

「そうだな。魔王を倒しましたとイクスリアの領主に報告しようぜ」

「そうだな。それに、イクスリアの領主は美女の奥さんを持っているらしいからなぁ」


 ……老衰予定の寿命まで、生き地獄確定だな。


 ……特に6人目!


「……行け」

「「「「「イエス、マイロード!」」」」」

「「「「「……え!?」」」」」


 これまでの調査で、この6人の立場や構成は把握している。

 勇者、もしくは勇者の直系をリーダーとして、周りを勇者の血統に連なる者達となる。


 しかし、神に選ばれし者が初代であろうとも、次代以降は単に血統が良いだけの優秀な人間でしかない。


 つまり、万が一の可能性が有る脅威はリーダーだけで、残りは雑魚でしかない訳だ。


「……さあ。舞台は整えてられた」

「……く」

「魔王と勇者の一騎打ちをしようじゃないか」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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