お久しぶりです、セラリア王女殿下
王女でも存在する「黒歴史」
チンピラ5人組のアジトは、領主の補佐を務める子爵家の屋敷だった。
「あ~らら。まさかの貴族様か」
「どうしますか、シン様」
「まあ、大なり小なり暗い部分は有るもんだしな」
「どうするだ、旦那様」
「俺は、外道で卑劣だが、腐ってはいないからなぁ~」
「つまり? ……であります」
「保留だな」
「分かったわ~」
そんな訳で、面倒事が起きやすい貴族街から出ようとすると、見覚えの有る後ろ姿が見えたが、気の所為だろう。
彼女が、この都市に居る訳ないからな。
ウィンドウショッピングを楽しんだ後、我がダンジョンに帰る。
帰ると、シルヴィアに小学生レベルの悪戯をしたり、健全な卓上ゲームで遊んだ後、トニア達で楽しんでから、司令室に行きモニターを視ると、信じられない光景が映っていた。
「ソフィア!?」
モニターには、今にもダンモンに食べられそうな状態で、気を失ったソフィアが居た。
直ぐに、俺は念話でソフィアの周りに居たダンモンに、その場から離れる様に指示を出した後、転移で飛び駆け付けると、ソフィアの周りには喰い残されていた騎士達の欠片が散らばっていた。
とりあえず、完全治癒をソフィアに掛ける。
「大丈夫か?」
「……大丈夫です。助けに来て頂いてありがとうございます。それに傷の回復までして頂いてありがとうございます」
「無事で良かった。何故、こうなったか、説明をして欲しい。周りのアレらは騎士達だろ?」
「詳しくは申せませんが……」
父親の不興を買い、父親の立場と虚栄心を守る為だけに、このダンジョンに廃棄される事になったと。
そして、騎士の連中に女としての生き地獄を味わされそうになり、僅かな希望に賭けて抵抗し悲鳴を上げたら、モンスターが集まって来て騎士に襲い掛かってきた。
結果、ソフィアを肉壁にする間も無く、騎士共は全滅し、最後に残ったのがソフィアだった訳だ。
まあ、仮にも騎士が連れて来たんだから、普通に考えたら、犯罪を犯したが、表では裁けない為にダンジョンに連れて行き、ダンジョンに最終的には喰わせて闇に葬ろうとした、と考えるよな。
「……そうか。今の話が本当なら大変だったな」
「信じられませんよね」
「いや、信じるさ」
「何故?」
「その服だよ。幾ら騙そうとかの理由でも、そんな高そうなドレスを、そこまで汚さないからな」
ソフィアの側には、ソフィアの領地の騎士の槍を落ちていて、薄汚れたドレスには、モンスターの血が付いていた。
因みに、ソフィアは文武両道の大和撫子タイプだ。
「誰か助けてくれる人は?」
俺がそう言った時、一瞬だが遠い目をしたかと思ったら答えた。
「都市セビリアナに助けてくれそうな方が居ます」
「そうか」
「危ない所を助けて頂いてありがとうございます。私は、その方の所に行こうと思います」
「分かった。俺達も一緒に行ってやる」
「そんな……達?」
「俺の仲間だ。ちょっと待っていろ」
そう言って念話でリン達を招集してソフィアから死角に入ったら転移で飛びリン達を連れて再び転移する。
「待たせたな。俺の仲間達だ。
俺の名前はシンだ。それで……」
「リンです」
「キサラだ」
「サクナなのじゃ」
「シャナであります」
「ユーリよ~」
「初めまして、ソフィアです」
……普段なら、家名込みで自己紹介するのが礼儀作法なんだが、既にソフィアは覚悟が出来ているみたいだな。
「それじゃあ、行こうか」
「はい」
この後、ソフィアの強さに合わせてダンモンとエンカウントさせながらダンジョンから出ると都市セビリアナに向かい到着すると真っ直ぐに領主館に向かった。
「領主館だが、此処でいいのか? 」
「はい。此処まで護衛して頂いてありがとうございます」
「やっぱり貴族だったのか?」
「元貴族です」
「……まあ、これで俺達の役目は終わったからさようならだ」
「待ってください。私、まだ貴方達にお礼が出来ていません!」
「金、持って無いだろ?」
「知り合いに立て替えて貰いますから大丈夫です」
「しかしだな……」
「何を騒いでいる!」
ちょっと騒ぎ過ぎて領主館の門番が駆け付けた。
「済みません。領主のセラリア様に面会したいのですが、取り次いで頂けませんか?」
「その様な汚い貴様など、領主様がお会いになる訳がなかろう」
「では、ソフィアという名前と毛虫とお風呂と、お伝えしてください」
「そんな事で……」
「まあまあ、とりあえず領主様に伺うだけでも行ってくれないか?」
そう言いながら銀貨3枚を握らすと、門番は握った銀貨を確認すると言った。
「……仕方がない。行ってやろう」
「ありがとうございます」
門番が領主館に行くと、ソフィアが頭を下げて言った。
「ありがとうございます」
「何が?」
「銀貨3枚分も合わせてお礼をいたしますから」
「気にするな。……それにしても」
「はい。なんでしょうか?」
「先程の『毛虫とお風呂』とはどういう意味だ?」
「それは……」
「それは?」
「それは、乙女の秘密です」
ソフィアは知らない筈なのに、この時にした仕草や表情と台詞が、何処ぞの獣神官と同じだった。
15分後ぐらいに先程の門番が来て「来い」と言われて俺達は領主館に入ると執事らしき年配の男性に案内されて応接室で待っていると、10分ぐらいにセラリア王女殿下が応接室に駆け付けた。
「ソフィア!」
「お久しぶりです、セラリア王女殿下」
「久し振りね、ソフィア……て、何が有ったの?」
ソフィアの外見を見て驚いたセラリア王女殿下は尋ねた。
「話せば長くなるのですが、簡単に言いますと、勘当され家を追い出され、私が危ない所を、この方々が助けてくださいました」
「勘当され家を追い出されって、何が有ったら、そういう事になるのよ!?」
「それは……」
「……分かったわ。貴方達、私の大切な親友ソフィアを助けて頂いて感謝するわ。
もし、宜しければ私からもお礼をしたいから、このまま当館に泊まって歓迎したいのだけど、如何かしら?」
意訳は「王女の私が親友と言った意味が分かるわよね?
お礼と口封じも兼ねて飯食わしてやるから泊まれ!」という命令だな。
「分かった」
俺が、そう答えると応接室に居るメイドの1人が言った。
「お部屋に、ご案内いたします」
俺達は、退室の言葉を言ってメイドに付いていき、応接室を出る。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




