表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

1

「やっと会えたな、我が娘よ!」

「無事に会えて良かった………」


目の前にいるのは三十代後半の男女。

男性は【いかにも】な貴族の格好、女性は【え?ここ自宅じゃないの?今からパーティにでも行くの?】って感じのドレス。


その向かい側に居るのが私、24歳独身一人暮らしの事務職 佐野 日奈子………からの、孤児院育ちのリューシー……からの、男爵令嬢リリアーナ・ランベリズ、14歳。


物心ついた頃から孤児院で育ったんだけど、この国の成人、15歳になると、院を出なきゃならないから、就職先を求めてダメ元で男爵家のランドリーメイドの面接に来たの。


そこで面接官の執事さんに、


「あ……あなたは……………!!」


などと言われて連れてこられたサロンで話を聞くところによると、なんと、私ってこの男爵家の誘拐された末っ子令嬢なんだって!


特徴的な髪の色と瞳の色で身元発覚、感動の親子対面、その衝撃で記憶覚醒。


はい、腐るほど読んだネット小説でありがちな、異世界転生ですね。



記憶があれば笑えるほどのご都合主義。


男爵領の孤児院に14年居たんだよ?

しかも、一目見て男爵家の子供ってわかる見た目をしてんだよ?


なーのーに、なぜ今まで気付かない?!


髪の色は母親譲りの珍しいピンクゴールド、瞳の色は父親と同じ金色に近い琥珀色。

そんな派手な見た目で誰も気づかない時点でおかしいでしょ?!



暫くして思い出したのがもう一個、今更かよな事なんだけど、ここってゲームの世界みたいなんだよねー。


何故って、

「子供が見つかりました」

って、王宮に挨拶に行ったんだよ、私の親父……父親。


たかだか男爵が、王様に簡単に会えるの?


しかも、そこになんで同席している美少年’S。

第一王子、金髪碧眼、第二王子、銀髪碧眼、宰相の息子、青髪青眼、騎士団長息子、赤い髪………。


なにそのカラフルさ、青っぽい黒髪とか、赤みの強い茶髪とかじゃなくて、子供の絵の具で塗った様な【青】!【赤】!

主張が酷すぎる。


テンプレ過ぎて、逆に今時ナイワ!


って心の中で突っ込んじゃったよ。



それに、子供だと認めて一月で全寮制の学園に入れられちゃいましたよ。

孤児院育ちで貴族の礼儀も知らんのに。


まあ、前世は一応地元では名門と言われた大学に通っていましたから、普通の礼儀はわかるよ。

でも貴族ってそれだけじゃダメっしょ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ