91 サタン降臨
聖書転生者のみんなは、今まで戦ってきた相手より遥かに強そうなルシファーを前に臆している。
無理もないよね……あんなの反則だよ……。
しかしその中でも一人だけ、ルシファーに立ち向かおうとしている人物がいた。
「貴様の思い通りにはさせん…!これまで散々人間を堕落させてきた貴様を許しておけるか……!」
ダビデは正義に燃えた目でルシファーを真っ直ぐ見据える。
「ふん、貴様も堕落した罪を犯したくせに偉そうに抜かすな。人妻に目が眩み姦淫と殺人の罪を犯した貴様がな!」
「そうだ。私は生前に主に背く罪を犯した。悪魔に心の隙をつけ込まれてな。だが…主はそんな罪深い私を許してくださった…!私には主がついている。もう過ちは繰り返さない!」
彼は強い意志を持って戦う決意をしたらしい。
「ふふ…はははは!貴様らは全員、罪を犯し後悔を抱えた人間達だな。所詮人間など、脆く弱い存在だということを思い知らせてやる」
対するルシファーもまた自信に満ち溢れているようだ。
「おい、俺たちのことを忘れてもらっちゃ困るぜ。ソロモン72柱の意地を見せてやる」
そう言いながらバルバトスさんも前に出てくる。
ソロモン72柱と聖書転生者組の力を合わせることができれば、勝機はあるかもしれない・・・!!
だけどルシファーは、それすら許す気はないようだった。
圧倒的な力で私達を叩き潰していくつもりなんだろう・・・。
「私の真の姿を見せてやろう」
そう言うとルシファーの体は光り輝き、みるみるうちに巨大化していった。
そしてその姿はまるで黙示録に登場するような邪悪な生き物だった・・・。
その姿はあまりにも禍々しくて恐ろしかった。
「何だあれは……!」
「あの姿は……サタン!?」
ラファエルさんが驚愕しながら言った。
「サタン……?あれが人間達を堕落させ悪の限りを尽くしたサタンなのか…!!」
叫ぶ聖書転生者達。
その名は破壊の限りを尽くした伝説の大悪魔の名前だ。
そういえば元の世界で聞いたことある。
堕天使ルシファーは魔王サタンと同一の存在でもあるって。
サタンは原初の人間アダムとイブを誘惑し堕落させて、人間の原罪を作らせた悪魔。
全ての元凶と言っていいほどのーー
そんな恐ろしい姿になったルシファーは、巨大な漆黒の腕を振るい聖書転生者と私たちをまとめて吹き飛ばす。
もうだめだ・・・勝てない。勝てるはずがない。
ルシファーには敵わない・・・。
絶望の中、私はただただ震えることしかできなかったーーーー
当小説をお読みくださってる皆様ありがとうございます。
更新頻度についてお知らせです。
当面は3日〜4日に1度の更新になると思います。
時間はこれまで通り20時〜21時台頃です。
現在バトル展開が続いてますが今後新キャラも登場します。
また、TS転生のラブコメ小説(こちらも聖書ネタ)を新たに執筆中です。決まり次第お知らせいたします。そちらもお読みいただけるととても嬉しいです(^-^)