88 大天使ラファエル参戦
ダビデはまた演奏を始めた。
ダビデの周りに光の粒子のようなものが漂い始めた。それはまるで精霊のようだった。
「何だ?何だか力が湧いてくる気がするぜ」
「これならまだ戦える!」
聖書転生者達と悪魔達は口々にそう呟く。
「これはダビデの異能か…!竪琴の演奏で洗脳を解き、戦力を高めたのだな」
アダムが納得したように呟いた。
そっか!ソロモンの指輪で新たに発現されたダビデの異能に「異常状態回復」と、「全体の戦力強化」があったはず!
だけどそれで終わりではなかったーー!
何と、魔聖や堕天使の一部が眠り始めた!?一体何が起こってるんだろう?
「これも父上の新たな異能だね。みんな、戦況は変わった!反撃開始だよ!」
ソロモンさんの号令と共に、一気に攻勢に出る聖書転生者達とソロモン72柱の悪魔達。
ダビデの異能のおかげで、さっきまで劣勢だった状況が一変した。
「これは一体!?なぜソロモン72柱の悪魔達が?」
上空から男性の声がする。
その声の主はーー天使!?
「貴方は大天使ラファエルさま!」
イサクが叫んだ。
この人が大天使ラファエル……!?
「遅れて済まない。君達に加勢するために来た。今サリエルが天界に援軍を要請しているところだ。それまでの間、共に戦おう!」
大天使ラファエルさんは頼もしい言葉をかけてくれた。
「あれは大天使ラファエル!?」
「奴は強いぞ…気をつけろ」
ラファエルさんの登場に一気に動揺し始める堕天使達。
相当お強いんだろうな……。
「ラファエル様も来てくださった。我々に有利になったことは間違いないだろう。しかし、この数の敵を相手に、いつまで持ち堪えられるかわからないぞ」
アダムは警戒するように告げる。
「ルシファーの狙いはソロモン王だ。ソロモン王が奴の手に渡るとまずい。ソロモン王を守る者とルシファーを倒す者に分かれよう」
アスモデウスが悪魔達に提案した。
「元凶はルシファーだからな。我らが優勢な内に一気に片をつけたい所だ」
ベリアルさんも同意する。
ソロモン72柱の悪魔達、そして聖書転生者達はそれぞれ役割に分かれ、大ボスであるルシファーの元へ向かおうとしたーー
だけどルシファーは思わぬ行動に出たのだった。
「「「「!?」」」」