8 ファーストキス
ソロモンは悪魔と何か関係があるようだがーー?
それについてはまた後日語ることにしよう。
場面は主人公側へと戻される。
***
あれから幾日が経ち、異世界で生きるため私とダビデは冒険者を続けていた。
この世界の魔道具である、スマホに似た携帯端末。
元現代人の私は理解することができ、比較的早く操作をマスターすることが出来た。
スマホに似ているだけあって地図を見れたり現在地もわかり、冒険者をするには非常に便利だ。
元古代人なので全く理解できないダビデの代わりに私が地図を見たり、魔物の情報を調べたりして、互いに役割分担をして活動するようにしていた。
帰る家もなく宿屋暮らしだったが、そんな生活も徐々に慣れ始めてきていたある日のこと……。
私は少し気になる情報を見つけた。
「うん…?唐突にこの国に現れて、どんな相談にも答える人物?」
その内容によると、突然現れた謎の人物が人々の悩み事を解決してくれるというものだった。
突然現れたことから異世界から来た人物ではないかという噂もあるそうだ。
名前はないそうだが、人々からは『神』と呼ばれているとか……。
(異世界……比喩なんだろうけど、まさか私達と同じように異世界転生してきた人が他にもいるのか……?)
もしかしたら自分達以外にも異世界転生してきた人間がいるかもしれないーー
そう思うと僅かでも希望を感じることができた。
その人は何か知っているかもしれない。
さっそくその人物を探すことにした私とダビデだった。
***
そんなある日、事件は起きた。
少なくとも私にとっては事件だ……。
それはその日の夜のこと。
依頼された魔物退治も無事に終え、宿屋に戻ってきた後のことだった。
その日珍しく、ダビデはお酒を飲んでいた。元の世界で好きだった葡萄酒がこの世界にもあったからだ。
私は元高校生だから付き合えないけど、いつもより彼は気分が良さそうだった。
お酒に強いのか結構飲んでいたが、ほろ酔い程度で済んでいるようだ。
(お酒ってやっぱり気分が良くなるのかなあ?それなら良かったな…)
そんなことを考えていると、ふと彼がこちらを向いた。
そしておもむろに立ち上がるとこちらに近づいてきたのだ。
なんだろうと思って見つめていると、彼は私の隣に座ってきたのだった。
え!?なんで隣に来るの?? なんでこっちに近づいてくるのー!!? いや待って!近いからっ!!!顔近いし!!!!
と思っていたらーーー
気付いたら、キスされていた。
しかも唇に……!!!???
(は?え?何これ?は?どういうこと?ちょっと待って意味わからないんだけどぉおおおおっ!!!???)