7 悪魔のことを知ったソロモン
波乱の異世界生活1日目を何とか終え、元の世界では男だったけど異世界ではなぜか女の子の姿になってしまった僕…いや私。
縁あって仲間になった元古代イスラエル王ダビデのお供として冒険者になっていた。
肉体が性転換したことは複雑だけど…。
そんな憂いを吹き飛ばしてくれたのがダビデという存在だった。
彼は強くて優しくてイケメンで性格もいい完璧な男だった。
まさに非の打ち所がないと言っても過言ではないだろう。
この人のお供になれるだけで幸せだなぁ……などと考えながら、私は眠りについたのだった。
***
それから数日が経過し、私達は魔物を退治したりクエストをこなしたりして過ごしていた。
私は戦闘では役に立てなくて見てるだけだけど…。
この異世界のことはまだわからないことは多いけど、幾つも国や地域があるらしい。
噂では神様が最近多く集まってきてる地域があるなんて噂も…。
神様かあ…神話は好きだけど、実際にいるとなると怖いよね……。
異世界であれば神様という存在もいたりするのか?魔法も存在するなら。
でも考えてもわかんないよね!
この時の私はまだ知らなかった。
この異世界で、神と関わることになっていくということをーー
一方、同じく異世界転生していた、元古代イスラエル王でありダビデの息子であるソロモンは、この地域に流通している携帯端末と呼ばれる魔道具を使い情報収集をしていた。
古代人である彼は当然スマホなど知っているはずがなく理解することすら本来は難しいだろう。
だが彼の人並み外れた知力と好奇心旺盛な性格によって基本操作はできるようになっていた。
ソロモンは目を輝かせてその未知の道具を眺めていた。
(これが通信機器というものか……!!なんと便利なものなのだろう)
ソロモンはその小さな箱に夢中だった。まるで子供のように無邪気にはしゃいでいたのである。
(いいね、いいね。異世界いいね♪)
若者らしくテンション高めなソロモンであった。
(うん…?)
ソロモンは、携帯端末で情報収集をしているとある掲示板の書き込みに目が止まった。
《魔聖かと思って退治しようとしたら、自分は悪魔だって名乗ってる人がいるらしいよ》
「悪魔………?」
ソロモンは思わず声を洩らした。
(まさか悪魔も異世界に来てるのか?これは無視できない情報だねぇ♪)
そう心で思いながらソロモンは妖しい笑みを浮かべた。
彼と悪魔の関係とはーーー?