71 聖書転生者達VS悪魔アスモデウス
ソロモンがヤマトの機転により救出されていた頃。
ダビデ及び聖書転生者達は悪魔アスモデウスが向かっている場所へ向かっていた。
「おそらくあの辺りだ!」
そこは湖のほとりだった。
ダビデ達は森の中を駆け抜けながら目的地へと向かっていった。
そしてとうとうその場所へとたどり着いたのだが…そこにはある男がいた。
それは禍々しいオーラを放っている男だった。
牡羊の頭を肩につけ蛇の尻尾を生やし、上半身裸でマントを身につけている長身の男だ。
人間のような姿だったが、足はガチョウの蹄になっていた。その姿はまるで悪魔のようだった。
(あれはまさか……?)
(あいつがアスモデウスか…!?)
「貴様、ダビデ王…?貴様の仕業か?」
男が口を開く。
「お前は悪魔アスモデウスだな」
「いかにも。我こそがアスモデウスだ。貴様らがソロモン王を封印から解き放ったのか?」
アスモデウスは鋭い眼光を向けてきた。彼はどこか焦っているようだった。
(封印したソロモン王を回収に来たがソロモン王が消えている…!これではルシファー様から叱責されてしまう……!なんとかしてソロモン王を見つけなければ……!)
「何だと?やはりお前がソロモンを拐ったのか!!ソロモンはどこだ!」
「…?貴様らの仕業ではないのか?ふん、まあいい。私の邪魔をするなら容赦はしない」
そう言って、アスモデウスは戦闘態勢に入った。
両手から炎を生み出し、それをダビデ達に向けて放ってきた。
「!?」
咄嗟に避けるが、炎が当たった地面は焼け焦げていた。
(なんて威力だ……!まともに食らったらただでは済まない!)
ダビデは冷や汗を流した。
しかし怯んでいる暇はない。すぐさま反撃に出ることにした。
「人間でなければ剣を使えるな」
ダビデは剣に光を集結させ、斬撃を放った。
光の刃はアスモデウスに命中した。だが手応えがない。
いつの間にかアスモデウスの前に竜が守るように立ち塞がっていた。
「あれは…ドラゴン!?」
かつてドラゴンに命を奪われかけたダビデは戦慄を思わず覚えた。
再びアスモデウスは火炎で攻撃を仕掛けてくるーー!
だが炎は届く前に消えていた。
アダムの無効化能力によって打ち消されたからだ。
「皆の者。まずあの竜を倒そう。ダビデの攻撃は効いているようだ」
アダムが言う。
他の者も頷き、攻撃を開始した。
聖書転生者達とアスモデウスの戦いが始まったーーー!