70 ルシファーの怒り
一方、ソロモンの指輪を手に入れることに成功した魔王ルシファーだが…
「一体どういうことだ?指輪が余に反応しないではないか?」
魔王ルシファーは困惑していた。
「くそ…!!あの者め、ソロモンの指輪が使えないよう小細工をしていたな……!どこまでも悪知恵の働く奴だ!!」
魔王ルシファーは怒り狂っていた。
「おい、アスモデウスを至急呼び出せ!!今すぐだ!!!」
魔王ルシファーが大声で叫ぶと、部下の一人が慌てて飛び出して行った。
(ソロモン王を尋問せねばならん。封印させ楽に葬る方法を勧めて正解だったな。こんなこともあろうかとすぐに殺さずにおいた甲斐があったというものだ)
魔王ルシファーは薄笑いを浮かべた。
「お呼びでしょうか?魔王ルシファー様」
しばらくするとアスモデウスが姿を現した。
「遅いぞ!何をしていた!?貴様がいながらこの始末とは何事か!」
「申し訳ありません。すぐにソロモン王を連行いたしますのでお許しください」
アスモデウスはそう言って深々と頭を下げた。
「ふん……」
アスモデウスの態度を見て、魔王ルシファーは少し機嫌を直したようだった。
***
「ラファ兄。我々が恐れていた事態が起きてしまった。ルシファーの奴、俺たちの動向に気付いていたのか…」
大天使サリエルは悔しそうに、兄貴分である大天使ラファエルに話しかけた。
「ああ、そのようだね」
ラファエルとサリエルは、ソロモンの指輪を守るために監視をしていた。
だがルシファーの配下に襲われ、気を取られた隙にソロモンは誘拐されてしまったのだった。
このままでは最悪の事態になってしまうーー
彼らはアスモデウスを追跡していた。
ヤマトとソロモン側に場面は移る。
私たちは今後の方針について話し合った。
まずはソロモンさんを安全な場所へ避難させる必要があるという結論に至った。
「いずれアスモデウスが、ソロモン王が救出されたことに気付くだろう。そうなると奴はソロモン王の命を狙いに来るに違いない。今のうちに安全な所へ移動しよう。そこでソロモン王には身を隠してもらうのが良いと思う」
バルバトスさんが提案した。
確かにその通りだと思った。
「私…ダビデ達に知らせに行かないと!」
ダビデやアダム達もソロモンさんを探してるはず。
無事に助けられたって早く教えてあげないと!
「それなら俺達が行って来るぜ。お前はソロモン王のそばにいてやれよ」
バルバトスさんが申し出てくれた。
「で、でも…」
「俺とムルムルはダビデ王と面識あるし大丈夫だろ。ソロモン王、自分の身は自分で守ってくれ」
マルファスさんが言う。
「わかった。頼んだよみんな……!」
ソロモンさんは力強く頷いた。
そうして私たちは二手に分かれて行動することになったのだった。