6 男→女への転生!?
さて、私とダビデ王は冒険者ギルドに戻ってきていた。報酬を受け取るためである。
無事に報酬を受け取り、この世界の貨幣をある程度手に入れた私たちは宿を探すことにしたのだった。
お金の価値はまだよくわからないけど、ひとまず数日分の宿泊費くらいは確保できたと思うので安心だ。
適当な宿屋を見つけ、部屋で一息つく私たちだったが、私はある重大な秘密を打ち明けることにした。
「ダビデ王、実はあなたに言っておかないといけないことが・・・」
「どうしたんだい急に?」
「実は……僕は生前男だったんだ」
「え?」
ダビデ王は戸惑ったような顔をした。
つまりこういうことだ。
僕ヤマトは生前は男子高校生だった。
それがなぜか異世界に来てしまった。
それも生前とは別の姿…それも性別が変わっていた。
つまり、今の肉体は女だけど元の世界の肉体は男。
いわゆるTS転生という奴だろうか?
まさかそんなことになるとは夢にも思わなかったよ。
だけど、僕の「もう1つの秘密」についてはあえて言わないことにした……。
そんな説明を一通り聞いた後、ダビデ王は納得したように頷いた。
「なるほどそういうことか……」
どうやら理解してくれたようだ。よかったー。
「それは複雑だね。私が同じ立場でも受け入れがたいだろう。だが君は君だ。私は君という人間を尊重したいと思う。だって、私達は仲間だからね」
おお……!なんという器の大きさ!
さすが王様!!
思わず惚れてしまいそうになるほどカッコいいセリフだよ!
「私は君を女性扱いはしない。だが今の君の体は女性だから配慮はするよ。ところで…私はこの世界では王ではない。これからはダビデと呼んでくれ」
「わ、わかった!」
こうして僕はこの世界で、女性の体で生きることを一旦受け入れることにした。
元の世界に戻れる方法も見つかるかもしれないし。
それに伴い、一人称は「私」に変えることにした。
ーーー以上が今日1日に起きた出来事だ。
とても1日の出来事と思えない濃密さだったなぁ・・・。
これからどうなっていくんだろう?不安はあるけど、今はとりあえず寝ようかな。おやすみなさい〜