67 アダムの異能
ソロモンが失踪し、状況判断から何者かに拐われた可能性が高いとわかったダビデ達は、ソロモンの行方を追っていた。
おそらく悪魔が関わっているのではないかとアダムは推測していた。
「彼が所持しているという、主から授けられたソロモンの指輪ーー悪魔達を支配できる力も持っているのであれば、悪魔が彼を消そうと考えても不思議ではない」
「そうですね・・・」
アダムの推測にダビデはうなずいた。
「だが問題はどうやって追跡するかだな…」
ダビデは考え込んだ。
ソロモンの居場所を特定するためにはどうすれば良いのか? 彼の居場所を探るための手がかりが必要だ。
「私の力でどうにかできるかもしれん」
アダムは厳かな声で言う。
「どんな方法ですか?始祖さま」
イサクは興味深そうに尋ねた。
「うむ……私は動物の声を聞くことができるからな……もしかしたら何か知っている者がいるかもしれない」
「おお!!さすがは始祖さまです!」
アダムを讃えるイサクとヤコブ。
アダムが持つ異能の力で動物の力を借りれば、ソロモンの所在を突き止めることができる可能性がある。
さっそく調査を始めることにした一行だった。
***
鳥や犬など色々な種類の動物たちに協力を仰ぎ、ソロモンの足取りを追うことができた。
その結果ーーー どうやら彼は異空間に閉じ込められているようだということがわかってきたのだった。
またソロモンを連れ去った悪魔の特徴から、アスモデウスという悪魔が犯人であるということも突き止めたのだった。
「悪魔アスモデウスを捕まえるしかないようですね」
ダビデが言った。
その時アダムは、ある鳥の声を聞き、驚いたような表情を浮かべた。
「何だと…?アスモデウスが向かっている場所がわかったぞ!おそらくそこにソロモンが封印されているはずだ!」
「本当ですか!?」
「ああ、間違いない。急いで向かおう」
一行はその場所に向かうことになった。
***
一方その頃。
ヤマトは、ダビデ達と別行動をしていた。
(ソロモンさん・・・どうか無事でいて!!)
ソロモンを助けようと、ダビデ一行。そしてヤマトは救出のために行動するのだった。