60 明らかになるソロモンの指輪の効力
ソロモンの指輪の可能性を研究し出したソロモン。
ほぼ徹夜で数日研究した結果、現段階では以下の効力が確認された。
・対象者の能力や異能を発現させる(ただし魔力量や技術面等によっては発動しない場合もある)
・物理的戦闘力強化
・身体能力強化
・稀有な特殊魔法(異能)が使える 以下確認できた特殊魔法
①飛行
②物質化、錬金術
③変身能力
④転移(瞬間移動)
⑤年齢操作
⑥呪い解除
⑦脱洗脳
⑧異空間への保管・保存(腐敗や劣化を止めて物の保管が可能)
以上だ。
これらの魔法も一時的な効果と半永久的に続く効果に分かれることがわかった。
例えば飛行や年齢操作は一時的にしか使えないが、物質化は続かせることが可能な可能性が高いようだ。
また、持続時間が長いほど消費される魔力量が増えていくこともわかった。
つまり、長時間維持できるほどの強力な魔法を発動するためには、より膨大な魔力を消耗することになるということだ。
その他、使用条件などが付く場合もあるようだ。
さらに、指輪の効力はまだ可能性を秘めていて、おそらくソロモンのレベルによって今後解放される能力や特殊魔法がある可能性が高い結論となった。
「ふむ……興味深いな」
ソロモンは不敵に笑う。
彼は自身の探求心に火がついたようだ。
(やはりそうか…!ここは異世界、魔法がある不思議な世界。この指輪と魔法は相性が良いようだ!)
生前のソロモンの指輪も強力だったが、こちらの世界の指輪の可能性は実に興味深いものだった。
(悪魔達を使役するのも良かったが、他の可能性を模索する方が有益だな!ヤマトちゃん、君が気付かせてれたんだよ…!)
ソロモンは、剣を抜こうとした時に止めてくれたヤマトのことを思い出していた。
「フッ……本当に面白い子だよ」
そう言って、ソロモンは再び研究に没頭し始めたのだった。
***
ソロモンが、ソロモンの指輪の研究に没頭していた裏ではーー
ソロモンの指輪を狙う者達、そしてソロモンを葬ろうと企む者達が動き出しており、水面下で静かに動いていたのだった。
堕天使達の長である魔王ルシファーは、ソロモン72柱の一柱である悪魔アスモデウスを呼び出し、ある命令を下していた。
「あの最強の魔導士とも称されてきたソロモン王が異世界で復活し、さらにソロモンの指輪も復活した。この千載一遇の好機を逃すわけにはいかない。そしてお前は、ソロモン王を排除したい。我々の利害は一致している」
悪魔アスモデウスはニヤリと笑い、それに答えた。
「もちろんでございます、魔王様。私もソロモン王に恨みがあるので、喜んで協力させて頂きます」
「うむ。頼んだぞ」
「かしこまりました」
こうして、悪魔の暗躍が始まろうとしていたーー