57 突然のプロポーズ!?
「私がソロモンさんの屋敷で暮らす…?あの、それって召使いってことですか?」
「いや。2人で暮らそうって意味だよ」
ソロモンさんは真剣な眼差しで私を見つめる。
「え!?」
予想外の発言に思わず大きな声が出てしまった私であった。
「で、でも。悪いっていうか。それに私はダビデの従者だし……」
私の言葉を聞いてソロモンさんが笑う。
「君も年頃の女の子だし、父上と別々に暮らす方がいいんじゃない?男女が一つ屋根の下なんて良くないと思うよ〜」
確かにその通りかもしれないけど……。
「そ、それはソロモンさんの所にお世話になっても同じじゃないですか!」
私は反論したがソロモンさんは意に介さない様子だった。
「ふーん。だったら、結婚しようか」
は、はあ???
いやいやいや!飛躍しすぎですって!!
そういやこの人、生前は妻と愛人が1000人いたんだっけ。
「お、お断りします…!!」
私は顔を真っ赤にして言った。
そんな私の様子を見て彼は楽しそうに笑っていた。
もう!からかうのもいい加減にしてくださいよ……。
***
「始祖様!始祖様と会わせてくれ!」
王宮を出た私達は2人の男達が騒いで
いるのを見た。
「あれは…!!我々の先祖、イサクとヤコブ!?」
叫ぶダビデ。
ダビデとソロモンさんが戦ったヤコブと、ヤコブが父上と呼んでたイサクと再会してしまいましたー!!!(棒読み)
「!!貴様ら、あの時の…!」
ダビデ達に倒されたヤコブは睨みつけていた。
(ひええ〜!怖すぎなんですけど〜!!!)
2人の迫力に押されていると、ダビデが言った。
「始祖さまは情状酌量の余地があると厳重注意で済むそうです。貴方方はイサク殿とヤコブ殿…イスラエルの始祖ですね?」
「何……!」
「我々は貴方方の子孫です。貴方方と同様、生前は古代イスラエル人で、この世界に転生した者です」
「何だと…!?貴様らは我々の同胞なのか?」
それから、ダビデ達はこれまでの経緯を話した。
「……というわけです」
「ふむ。そういうことだったのか」
驚愕するヤコブ。
「旧人類である始祖さまと時代を越えて出会えたことも我々の理解を越えていたが、まさか我々の子孫までも転生してくるとはな」
感慨深そうに呟くイサク。
「先日のご無礼をお許しいただきたい。我々は同胞なのですから」
そう言って頭を下げるダビデ。
「いや…こちらこそ済まななかった」
それを見て、慌てて謝るヤコブ。
聖書の転生者同士というのもあって、彼らは和解したみたい。
よかった……。
***
翌日。
私達は、ソロモンさんのアドバイスを聞きながら屋敷探しをする事にした。
「屋敷を持つのであれば部屋が別々にある家がいいだろう」
ダビデは私と一緒に住むつもりらしい。
私は安心した。
(良かった…別々に暮らすって言われなくて)
ほっと胸を撫で下ろした私だけど、次に発せられたソロモンさんの発言に度肝を抜かれてしまうのだった。