54 ダビデの過去の女性関係
アダムとの戦いを終え、身柄を確保した私達は王宮へと戻ってきていた。
アダムは気を失っていたけど、一度うわ言を言ってたのが聞こえた。
「イブ………」
とーー
こうして新興宗教の教祖を捕らえ、宗教問題は無事解決したのだが……。
「はあ……」
私は気が滅入っていた。
なぜかモヤモヤして、落ち込んじゃうんだよね……。
それはソロモンさんと話したことが関係していた。
私は回想する。
〜〜〜〜
「ねえ、ヤマトちゃん。君、もしかして父上のこと好きなの?」
「は!?え??」
唐突な質問に驚く私。
顔が熱くなるのを感じた。
「好き…というか、憧れてます。尊敬してるというか…」
「ふーん。それならいいけど」
「え?」
どういう意味だろう?
「君は父上の好みじゃないから。君のこと、子供と思ってると思うよ。父上は子供っぽい子じゃなくて大人の女を好むんだ。例えば…人妻とか未亡人とか?」
え……。
なんかショックかも……。
そうだよね、大人の女性の方が良いよね。
「父上はさ。生前は妻や愛人が何人もいたんだ。王だから仕方ないけどね」
そ、そうなんだ……。
ダビデって意外とプレイボーイだったんだ……。
私が少し落ち込んでいると、ソロモンさんは続けて言った。
「ねえ、父上の生前の妻達のこと知りたくない?」
「へ……?」
急にどうしたんだろう?
でもダビデのこともっと知りたいかな。
「教えてください」
ソロモンさんは生前のダビデの妻達のことを色々教えてくれた。
「僕は、父上と元不倫相手の子供なんだよ。不義の子だってよく悪口言われたなあ。ま、いいけど」
ソロモンさんはそうも言ってた。
「一応忠告しとこうと思って。父上は確かに良い人だけど、女関係は玉に瑕だから。けど、君は父上から女に見られてないみたいだね」
そりゃ、私の中身は男だと思い込んでるもんね。
でも、そもそも子供としか思われてないか。
「あ、僕は君みたいな子、好きだよ♡」
ソロモンさんは最後にそう言って去っていったのだったーーー
〜〜〜〜
そして今に至る。
なぜかわからないけどモヤモヤして気が重い。
ダビデの生前の奥さん達……
全然知らなかったから、ちょっとショックを受けたのかもしれない。