3 冒険者になる2人
さらに情報収集をすると、ある事実が発覚した。
それは私たちが身に着けている衣服だ。
この世界特有の衣服なのか、私はローブのような羽織物を纏っていて、ダビデ王は外套を纏って古代というよりも現代や近代に近い服装をしていた。
そして、ダビデ王が倒した魔物だが、通常の衣服では神ですら太刀打ちできないらしく、魔物と戦うための「光着」と呼ばれる衣服を着用する必要があるらしい。
だが難なく倒せたことを考えると、最初からその光着を身に着けていたようだ。
一体どういうこと?
とも思ったが、今は考えるだけ無駄だなと思ってスルーすることにした。
ちなみに光着は戦闘で破けても元に戻すこともできるらしい。
何だか変身ヒーローみたいな話だな。
やはりここは異世界なのだ。
科学技術などは発達している様子はなく魔法がメインの世界という感じである。
だが科学が魔法に代わったという点においては、私たちの元の世界に似ているかもしれないと考えたのだった。
そんなわけで当面の生活資金を得ることを私たちはひとまず目標とすることにした。
元の世界で軍人をしたこともあり、戦いに自信があるというダビデ王は、冒険者の仕事をこなしていくつもりらしい。
私も彼についていくことにしたのだ。だってお金ないし! 生活費がないと困るんだよ!宿代とかさあ!
それに、彼を1人にするのは不安だった。
彼は元古代人だったので、この世界にある便利な道具の使い方などを全く知らないのだから。
私は元現代人だから、スマホに似た携帯端末も何とか理解できそうだし、この国の人たちはこの携帯端末で主に情報収集をしていることも知った。
古代人であるダビデ王はスマホなど理解できるはずもなく、他にも天然ボケが炸裂するような発言が多いので、私が付き人になって世話をすることにしたのだった。
(やっぱり放っておけないというか心配過ぎるよこの人・・・)
***
そんなわけで冒険者として第一歩をスタートしたわけだが、いきなりピンチに遭遇してしまったのである。