2 異世界探索
まず向かう先は、人が集まっていそうな都だ。
無事に街らしき場所にたどり着いた私達はさっそく情報収集を開始した。
***
まず知ったことは、この世界には魔物がいて、魔物を討伐することでも通貨を稼ぐことができるらしい。
いわゆる冒険者の仕事ということか。
RPGゲームの世界に来たような感覚だなと思った。まぁよくある設定だしわかりやすいけど……。
そして、この世界は自然が多く古代か中世のような世界観かと思いきや、現代的な要素も併せ持った摩訶不思議な世界だった。
乗り物もあるしスマホのような端末まであった。
おそらく電気もないことから動力源などは全く別系統の力なんだろうとは思うけど・・・。
あまり深く考えると頭がパンクしてしまうかもしれないからな・・ハハハ……ハ
それから様々な人に話を聞いてみたところ、この国の名はサンクチュアリ王国というところらしいことがわかった。
この世界は魔聖と呼ばれる魔物が溢れ返り、人類はかつて絶滅危機にまで追い込まれたようだ。
だが生き延びた人々が結集し、復興させたことでなんとか国が出来上がったようで。
そのため国といっても小規模で人口は少ないけど、そのわりに資源も豊富で、魔導具と呼ばれる便利な道具や魔法技術が普及している。
現代の世界のように文化が発展しているようだという点が特徴的だ。
おそらく魔法があるせいか?
そう思わせるほど技術の発展の仕方に違和感を感じなかった。
(科学が魔法に変わったと思えば私達の世界とそれほど変わりないのかもなぁ……)
ちなみにこの世界は魔聖(魔物)の脅威にさらされて、魔物討伐の仕事は必要最低限のものとなっているようだ。
魔法の発達により救助隊や病院のような施設まで存在しているという徹底ぶりで、もはや何でもアリって感じだね!
***
一通り情報収集した私達はお互いの情報を整理する意味も含めて話し合った。
私の知っていることは大体話したかな。
ダビデ王は私に気遣ってか、自分の話は後回しにしてこちらの話をよく聞いてくれていた。
「自分は、おそらく死んでないから元の世界に戻りたい。家族も友達もいるし…」
私は願望を伝えた。正直帰りたい気持ちでいっぱいだったからだ。
「そうなのか。私は一度死んでいるから元の世界に戻ることは不可能だろうが、君はわからない。君が元の世界に戻る方法もこれから一緒に探そう」
彼は協力的で前向きな意見をくれたのだった。
こうして私は、ひとまず異世界で生活をしながら、元の世界に戻る方法を探すことを目標に頑張ることに決めて、彼と行動を共にすることになったのだった。
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